「DASAKU! 海を越えたJホラーの成れの果て」ザ・リング リバース 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
DASAKU! 海を越えたJホラーの成れの果て
ジャパニーズ・ホラーの代名詞、『リング』をハリウッド・リメイクした『ザ・リング』の第3弾。
『2』から実に12年振り!
流行りのリブートでもなく、シリーズの正統なる続編。
さすがにナオミ・ワッツ主演の前2作には触れられなかったが、呪いのビデオの恐怖は人知れず今も尚…。
ビデオの映像もあの不気味のまま。
原作者・鈴木光司は原点回帰と絶賛。
確かに原点回帰と言えば原点回帰。焼き直しと言えば焼き直し。
呪いのビデオを見てしまったカップルが呪いから逃れる術を探す内、呪いの元凶に辿り着く…。
オリジナルや第1作目をベースにしつつ、
呪いのビデオのある実験を行う大学教授のグループ、ビデオに重ねられたもう一つの映像、サマラの哀しき過去…。
本作も本作で新たな要素や展開を加味。
呪いの世界を新たに広げ、再スタートさせた意欲は買うが…、残念ながら完全なる復活とは言えなかったかなぁ…。
派手な見せ場は極力抑え、陰湿な雰囲気は悪くない。
が、今回もまたどうしても話に面白味を感じなかった。と言うか、これまで以上に話の展開にも恐怖演出にもメリハリに欠けた。
じわじわ煽る恐怖演出…と言いたい所だが、それとこれでは全然違う。
加えて、インパクトもスケールもダウンし、ネームバリューあったスタッフ/キャストも無名になり、あのJホラーの傑作がよくあるハリウッドB級ホラーの一つに成り下がってしまったのは、日本人としては無念でしかない…。
ラストも何だかなぁ…。
哀しきサマラを呪いから解放したハッピーエンドかと思いきや、
結局呪いは終わらず、シリーズ化を狙ったオチがチープ。(大コケし、もう新作は無いだろう)
すっかり方向性を見失ったJホラーより真っ当なホラーになってはいるものの、
もう貞子やサマラを駄作の呪いから解放してあげた方がいいんじゃないかなぁ…。