劇場公開日 2017年9月30日

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「刮目の前夜」ソウル・ステーション パンデミック ipxqiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5刮目の前夜

2024年6月16日
iPhoneアプリから投稿

「新感染」で一躍トップランナーに駆けのぼったヨン・サンホ監督のアニメ出身のキャリアと、ゾンビものというジャンルに向ける眼差しとが交錯する一作。
当時、早稲田松竹でたまたま「新感染」と同時上映だったので観ただけだし、内容的にも新感染のアッパー感と比べると、対照的にダークでダウナー。画面が暗いのもあり、観ている途中で眠くなる時間もあった。
が、その後のヨン・サンホ作品を観る上で、このソウル・ステーションという作品が思いのほか大きな補助線になったのは間違いない。

日本では実写よりもアニメ監督の方が自由度が高いイメージはあるけど、だからといってみんなが高い作家性を持つかどうかは別。
その点、ヨン・サンホの作家性はたとえば大友克洋とか、今敏みたいな方向なんじゃないだろうか…?
ちゃんとエンタメをやりながら、批評も諦めてない。

で、Netflixの寄生獣をやっと完走したんですよ〜(本題)。書くところないのでここに書き書き。。
ウソ、やっぱり天才じゃない…?
少なくともここまで無駄のない展開ができる手腕がエグい。
かなり時間をかけたんだろうとは思うけど、どうやったらあんなシナリオが書けるのか。。
寄生生物の設定以外ほぼオリジナルなのに、キャラクターの配置も展開も必要にして充分、まったく無駄がない感じ。やや拙速な部分はあるにせよNetflixじゃなかったら、再編集して劇場にかけてもいいレベル。
同じくNetflixの「地獄が呼んでいる」の時点であれ、この人思った以上にヤバい作家かな?となったたけど、寄生獣ではさらに完成度を上げてきおった。
なお、ほんのりゾンビもの風味もあり〼。
ゾンビもそうだし、寄生獣にしても、つくづく題材に対する理解度が深いんだなぁー。今後に刮目せざるを得ない。
マジな話、日本のエンタメ映像業界も、韓国に若手を送り込んで、現場の手法や体制を勉強した方がいいんではなかろうか。。

ipxqi