コール・オブ・ヒーローズ 武勇伝のレビュー・感想・評価
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見義不為無勇也。 クライマックスの一大アクションは見ものだが、それまでが少々冗長。
1914年の中国を舞台に、暴虐な軍閥に立ち向かう英雄たちの活躍を描いた武侠映画。
武術監督を務めるのは、俺たちの“デブゴン“ことサモ・ハン・キンポー。正義を貫く登場人物たちに恥じない、一本気のある本格的な功夫が楽しめる。
1914年とは中国にとってどういう時代だったのか。1912年、辛亥革命により清王朝は崩壊。袁世凱を大総統とする北洋政府が樹立した。しかし、1913年に袁世凱の独裁に反対する者たちにより第二革命が、1915年には袁世凱が自ら皇帝となる事を宣言した事により第三革命が勃発。その後、群雄が割拠する混迷の軍閥時代が続く事となる。
本作で悪逆の限りを尽くす曹瑛軍は、「北洋軍閥」と呼ばれる派閥の一つ。袁世凱の配下であった「北洋新軍」をベースとしており、彼の武力基盤を支えた。
1916年に袁世凱が没するとその跡目を巡り内部抗争が勃発。その混乱に乗じ、日本軍は中国への侵攻を開始する。これが1931年の満州事変、そして1937年の日中戦争へと繋がってゆく。
本作の鑑賞をきっかけにこの時代の事を改めて調べてみたけど、まるで『北斗の拳』みたいな世紀末感が漂っていますねぇ…。
内容は超どストレートな武侠もの。「義を見てせざるは勇無きなり」を地で行く漢たちの熱いドラマが展開される。
ストーリーはまぁ『七人の侍』(1954)である。悪者から村を守り抜くという定番の型。主人公マー・フンは三船敏郎っぽい。ただ、全体的にはそれよりはむしろマカロニ・ウェスタンのかほりを強く感じさせる。音楽なんかもセルジオ・レオーネ風だし、これは“ラーメン・ウェスタン“とでも呼ぶべき一本なのかも知れない。
見どころはやはりクライマックス。マー・フンと、彼の兄弟子チョン・イック(荒木飛呂彦に似てる)とのラストバトルは手に汗を握る。
このバトル、ロケーションが最高っ!空になった酒瓶の山が、ここまで映像的に映えるとは知らなかった。この乳白色の酒瓶はなんとなく髑髏のようにも見え、その不穏さが終幕を盛り上げる。その上で繰り広げられる双剣VS長槍での功夫、しかもそれが宿命の同門対決なんだからこんなん燃えるに決まってるじゃん!!
村で起こる反乱も火薬多めで景気が良いし、この終盤は文句無しに素晴らしい!👍
ただ、そこに至るまでが少々冗長。主人公が冒頭と終盤しか闘わないという勿体振り方はいかがなものか。
中盤はほぼジョーカーな副総帥チョウ・シウロン(松平健に似てる)により揺さぶられる普城の住人たちを描いた政治劇であり、現在の中国政府と香港の関係を考えるとこの権力に従うか皆殺しを覚悟でそれに立ち向かうのかという展開はなかなかにスリリングではあるものの、期待していたものとは違う。
また、チョウ軍に立ち向かう自警団のメンバーもキャラが立っているとは言い難い。サモ・ハンの息子、サミー・ハンが演じるトンファー使いの青年とかめっちゃアクションが凄かったのに出番が少なくて勿体なかった。どうせ『七人の侍』をオマージュするなら、もう少し各キャラクターに個性と描き込みが欲しいところである。
出だしこそ「これ大傑作じゃないの!?」と思ったが、中盤の地味さは看過し難い。ただ、久々の武侠映画に心が躍ったのは確か。こういった仁義や義侠心こそ、今の混沌とした世界には必要なのかも知れない。
とても面白かった
敵の将軍の倅みたいな人でなしの悪者が本当に憎らしくてよかった。一切同情の余地のない感じが素晴らしかった。
ヒロインが前半に一瞬で殺されて目を疑うほどであった。その容赦のなさにこの映画の覚悟が伺えた。
乱戦のアクションがどれも素晴らしかった。タイマンがもっと見たかったが1戦だけだった。
だらだら
面白いけど、どこかで見たような。そしてあとちょっと。
ジャッキー・チェンの「WHO am I?」や過去作である「新少林寺」などで傑作を放っていたアクション演出には定評のあるベニー・チャン監督作品ということで、期待して鑑賞しました。
作品の出来は、平均点高しという印象を受けたものの、どこか既視感と物足りなさを感じました。
「新少林寺」と時代設定がかぶり、ルイス・クー演じる軍閥の将軍も「新少林寺」のニコラス・ツェーとかぶってる気がしました。
エディ・ポンを主役だと思って見てたら、ラウ・チンワンが主役で、エディ・ポンの活躍を期待しながら、結局最後まできて、物足りなさを感じました。
あとヒロインだと思ってたジャン・シューイン演じる先生もあっさり殺され、ヒロイン不在のショックで、なかなか素直に楽しむことができなくなってました。
ひさびさなワイヤーアクション。
全員キャラ立ちしてる武侠アクション
往年のショーブラザーズの武侠映画を思わせる出来。少々『ブラッド・ブラザーズ』っぽいかな。
流れ者役のエディ・ポンが主役のように見られがちだが、実質的主役はラウ・チンワン扮する村を守る団長。圧倒的強さにあらすじが似通っている『マグニフィセント・セブン』のD・ワシントンとダブる。
ルイス・クーの非道たっぷりな悪役もキャラが立ってて良し。
エディ・ポンが本筋に絡みそうであんまり絡まなかったり、事態がほぼ村の中で起こるため、スケールが小さく見える感も…
ただ、今回はワイヤーの乱用が気になるもサモ・ハン演出のアクションは相変わらず冴えているし、やっぱり集団抗争モノは観ていてテンションが上がる。
「サモ・ハン is BACK!!」というフレーズが付いていて、アクション面での意味でつけたのかと思ったら、ラストの強引な話の閉じ方に笑った。
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