彼女がその名を知らない鳥たちのレビュー・感想・評価
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最後の最後に
予想外の展開が。
私の読みが甘かっただけかもしれないけど、良い意味で裏切られました(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
最後の方は涙ボロボロでした。阿部サダヲさん良かったです。きったない役ハマってました。
でも、最後死ぬ意味あったのかな、あれでとわこは救われないですよね…逆にトラウマになりそうな。
生まれ変わったら可愛がってくれってとても詩的で素敵だとは思うけど、普通に考えたら順次が生きててとわこを支えてくれた方が良かった気が。
松坂桃李のえろい演技も良かったですw
個人的に思ったのが、蒼井優じゃなくて、主演は池脇千鶴でも面白かったかなぁ〜〜と思いました。
そして、将来的に川栄李奈にもこういう役合ってそうだなと思いましたw
意外なんだけど泣けた
主人公の蒼井優をとりまく3人の男達のキャラ設定とそれぞれの俳優が素晴らしかった。まず顔はいいけど心底、下衆野郎な竹野内豊、育ちが良く品のあるおぼっちゃま風だけど中身はペラペラな松坂桃李、そして仕事できない、空気読めない、不潔で取り柄なしだけど蒼井優を命をかけて愛する阿部サダヲ。
彼が最後に飛んでしまうシーンには唐突感があったけれど、そこに至るまでの彼の深い愛情が心にしみて涙がでた。鳥になってやっと愛する女を自分のものにしたのかなぁ。
恋愛映画を見たのは久しぶりだったけど良かったです。
渋谷シネパレスにて観賞
ヴァイオレンスの先にある「何か」を見せつける傑作を連発した白石監督だが、本作は見た以上のものは残らなかった。
クセのある原作のせいだろうか。
蒼井優の演技は相変わらず……わめきやキーキーすることに専念してしまい人物像が埋もれて見えてこない。
『オーバー・フェンス』では、そんな芝居で作品を台無しにしていたが、『ミックス。』も含めてあまり変わっていない印象だ。(『オーバー・フェンス』と同じくきっちり脱ぐ覚悟も無し)
「叫べば名演」って、いい加減にやめようよ。
阿部サダヲは良い。彼の真摯な懸命さ特に後半、心を動かされる。何より彼が作って食すご飯はいつも美味しそうだ。
しかし、その感動的な演技から迎える自決という結末は全く意味が分からない。
これは原作の問題になるだろうが、死を美化することや自己憐憫に酔ってるようにしか見えない。
せめて、ああするしかないことに、もっと説得力を持たせて欲しかった。そこは脚本の仕事だろう。
白石監督らしい良い演出が光ったのは、2人のクズ男。
松坂桃李演ずるチャラいクズ男、竹野内豊演ずる外道なクズ男、いずれも彼らの他作と比較にならない名演を引き出している。
それぞれ相応の報いを受ける点は、溜飲が下がった。
決断の理由
何の予備知識も無く
たまたま空いた時間に上映していた、という縁で鑑賞。
終盤へ進むにつれ、姿はボロボロになり激しく咳をしては「歳かな」身体の衰えを見せるようになったジンジ
深い傷を思い出してしまった十和子の傍に、ずっとついて守り続けてやる事が出来ない…余命を悟っていたのではないだろうか
だから、生まれ変わりまた出会うと言い残し、彼女の罪を背負ったまま身を投げた
十和子は、飛びたつ鳥たちに何を見た?
「たったひとりの恋人」というセリフ
十和子は生涯独身を貫き、生まれ変わりではないジンジ自身を想い続けた…と思いたい。
テンポよく、あっという間にラストまで駆け抜けた
まさかの泣き顔でスクリーンを後にした
この作品との出会いは大収穫だった
一番近くにいる
自分を大切に思ってくれる人を
大切に
出演俳優の演技がすごい
阿部サダヲも蒼井優も松坂桃李も皆演技が良かった。グイグイ引き込まれて飽きませんでした。蒼井優の関西弁は新鮮でした。
現実なのか過去の記憶なのかぼかしてある演出も良かったと思います。陣治も十和子も狂ってましたねぇ。そしてラストには驚いた。残された十和子はこれからどういきていくんだろうか…。
空と君との間には
君が笑ってくれるなら、僕は悪にでもなる。
中島みゆきの有名な曲。テーマはそれに尽きる。
殺傷しようとする直前、竹野内豊を車内で見つめる蒼井優の表情に今年一番の衝撃を受けた。
こんなすごい女優と同時代に生まれて、リアルタイムで彼女の演技を追いかけられるのは、実に幸せなことなのだ。
完璧な読後感
小説は読んでいたが、ずいぶん前のことなので、最後陣治が死ぬが、素晴らしい死に方したってことしか覚えなかった。本読んだし、まあ見なくてもいっかと思ってたんだが、評価高いので見てみた。
いやー良かったなー
個人的にはほぼ完璧だったなー
最後けっこう泣かされたわー
十和子に共感できないとか、色情狂だとかいろいろ言われてるが、ああいう女性けっこうまわりにいると思う。
外見はキレイだが、その実、中身には自信がない。そのため男からの評価が指標だと考えるようにしている女性だ。そりゃ陣治では満足できないだろう。
だけど、どれほど男に求められても、そこには空虚感があり、そのことにうすうす自分でも気づいており、分かっていながら、そこから逃れるかのように、あるいは空虚を埋めるかのように、また男を求める。
その空虚感と罪悪感があるからこそ、水島が自分たちは孤独だといったことに共感し、惚れ込み、まるで現実味のないタクラマカン砂漠旅行を夢見て、ある種自分に信じさせ、そして裏切られたことに対して、あそこまでやった訳だ。
陣治のどんでん返しには、小説を読んでおきながら、また驚かされたわけだが、最後はやっぱりああせざるを得なかったのだと思わされた。
きっと人がいいだけで女性とはまるで縁のない人生だったろう。それが十和子と出会い、笑顔を見るだけで心が弾んだ。
それはまるで現実味のない暮らしだったに違いない。自分にはまるで釣り合わない女性なわけだから。
ところが、その浮わついた暮らしが、あの事件によって本物になった。
彼女の闇を自分が背負い、彼女を守ること。それこそが自分の人生の存在理由だと悟った。
彼女を守れるなら、決して豊かでなくても、充実していなくても、彼女が記憶を喪失し、生き続けられるならそれでいいと。それを続けるためには何でもやる。
ところが、思い出してしまった、思い出さなくていいことを。
彼女が生き続けられるように、彼女を守るために自分ができることはなにか。
陣治が考えたのは、彼女に生きる目的を与えること。それは金などでは作れない、最も本質的な生の喜び、そのことに気づいてもらうことだったと。
そういう心情や背景すらも演技から表現しているのが役者陣だ。本当に素晴らしかった。
竹野内の黒崎にしてもクズではあるが事業に失敗しやむにやまれなかったろうし、国枝にしても過去の罪悪を認知症のような形で忘れており、今は責任能力があるのかも分からない。そういうクズどもにもある種の同情を感じさせる。
誰もがままならない人生をそれでも生き抜かざるを得ない。
そういう点で言えば、陣治は人生の目的を見つけ、その目的を全うしたわけだ。そして、十和子は過去の闇を乗り越え、その目的を陣治に与えてもらった。
そういう意味で、この映画は宗教ですらある。
話が重そうで、見るタイミング逃してたけど 公開中に観れて良かった。...
話が重そうで、見るタイミング逃してたけど
公開中に観れて良かった。
十和子の白昼夢みたいな、ぼんやりした感覚が良く伝わりました。
自分の都合の悪い所、無かった事にして怠慢に日々を生きている。
そんな、ダメな所も含めて一緒に居たいと望む程の愛にどっぷり浸かってて…
独りでは生きて行けないよ、十和子は。
出来たら一緒に生きてって欲しかったな…
演技力とか素晴らしいのは分かってる。
だからこそ、凄く感情移入出来ました!
それらをひっくるめて言いたい。
女性を都合の良い様に使い捨てる男達
最低!
逆も有るかもしれないけど、ね。
愛の形は人それぞれ
「登場人物、全員ゲス」
っていうからどんなものかと思ってたけど、非現実的ではまったくなく、今歩いているこの街にも居そうだし、もしかしたら自分の中にも要素がありそうだし、何なら色々あったあの彼もこの映画の住人かなって思ったくらいだった。
それぞれが、愛、欲望、淋しさ、プライド、そして今までの人生で埋めそびれた穴なんかをどうにか満たそうと必死で、人間だなぁ、と思った。
陣治。不潔で、食べ方も振る舞いも品がなくて、ずっと嫌な気持ちで観てたけど、ベンチで横並びに座っている最後のシーンで「もう生きて居たくない」と泣きながら吐露する十和子に、ベンチからバッと降りて正面から「そんなこと言うたらあかん。なんもかんも引き受けて、全部持ったまま生きてくんや」って力強く伝える陣治を見て、人生を感じました。生きていくことの覚悟みたいなもの、自分に足りないって日々思っている私には、すごく重い言葉だった。
「生きて、見てくれだけじゃない良い男に出会って、子供を産め。俺はお前の中に入る。女でも男でも、その赤ん坊は陣治やからな。忘れるなよ」と言い残して陣治は飛び降りる。生きる希望を無くしてる十和子に、未来と、守らざるを得ない約束を取り付けて、彼女の命を繋ぐために。常識で考えたらきっと歪んでるけど、愛も、その表現方法も、受け取り方も、ひとそれぞれだなぁって、当たり前のことだけど、思いました。
これを愛とは呼びたくないかも。
映画としてはとてもよく出来ているというか、結構すごいと思いました。
まあ、ミステリーには大変疎い素人だからそう思うのかもしれませんが。
大分最後まで陣治が黒崎を殺したと思っていましたものね。
まさか十和子やったん?ってもんです。
黒崎、水島のどちらもすっごいゲスで、そら見目麗しいけれどもそれだけじゃん。
行為を撮影する男とか気持ち悪くね?(その映像を盾に十和子は脅されるじゃん)
妻子もちの百貨店社員に沙漠への一人旅なんて優雅な余暇ありえなくね?(沙漠旅行は真っ赤なウソ、誌的な感想も本のマルパクリ)
っておもってたらさー。ほらいわんこっちゃないって感じやんか。
黒崎の暴力シーンはおぞましく、パトロン的じじいに十和子を差し出すとかもマジ無理って感じやし。
水島のバカさ加減(名簿紛失して陣治のせいにする、速攻で別の女と遊ぶ)もきもちわるいことこの上ない。
私は、ああいった男に愛されたくて愚かになってしまう女の気持ちにまったく共感できない派なので、
バカが見る~なんとかのケツ~的な感想しか持ちません。
性欲につきうごかされるって程度ならばまだわかるけど、十和子は本当に愛されたくて愛していたわけでしょ。
なぜそんなに視野が狭まるの?もともと視野が狭いから?
もう?マークを大量に噴出しながらの鑑賞でした。
が、それでも見られる、興味が尽きないという点でいい映画だと思います。
唯一切ないなと思ったのは、陣治ですかね。
十和子の罪を隠して隠して。あげく罪を被ったことにして死ぬ。
それで十和子が救われるかといえばそうではないと思います。
もっと知性があるならば、陣治の愛は私にもうらやましいと思える愛し方だったと思います。
でも彼は知性という側面の人間性が脆弱。なのでああいう事しか思いつかない。
十和子を愛するその方法が。
その不器用ながら差し出した人生は、たしかにちょっとぐっと来る。
ただあれを愛とは呼びたくないですよ私は。肯定する気にはならないよ。
陣治が死んだ後、十和子はどうなるんだろうとぼんやり考えました。
水島は警察にいく?本人が何ぼ行きたがらんくても(自分の様々な悪事が露呈したくないから)、
あの怪我じゃあ、周りが届けてしまうかもだし。だったらすぐ口割りそうだし。
そしたら十和子は傷害で逮捕?それとも芋づる式に黒崎の事もばれる?
まあなんでもいいか。思い出した時点で十和子はもう今までどおりでは生きられないだろうし。
役者はすごいなあ、という感想も持ちました。
蒼井優が持ち前のかわいらしさを完全に消して、怠惰で浅はかな女を見事に演じておりました。
理不尽なクレーマーやってる(多分)無職の人を何人か知ってますが、
皆こんなかんじで、うまく行かない人生の腹いせをしてんのかなっておもいました。
阿部サダヲもすごいです。画面はにおわないけどぜったいくさいやろってゆう造形、
食べ方の汚さとか(毎回あつってゆって一回吐き出すの面白かった)、いつものかわいい阿部ちゃんの片鱗なし。
竹野内豊も松坂桃李も嫌いになりそうなゲスを見事に演じておられ、すごいなあと思いました。
特に淀川沿いで口唇奉仕を強要するシーンが、今後の役者人生の汚点になりゃしないか心配になるほど、
にくったらしくて、ちょっとさがせばすぐに見つかる感じのTHEゲス野郎で、見事でした。
キャスト、シナリオ、世界観、すべて素晴らしい。
「幸せとはなんなのか。」非常に、考えさせられる映画だった。
愛とは、付き合うこと?結婚すること?セックスすること?
人間が愛するという行動は様々な形があるが、正解はない。
その人が間と思えば、それは成り立つが一致することも少ない。
蒼井優演じる十和子、最近の蒼井優はこういう役ばっかりだけど、演じさせたら右に出る者はいない。
阿部サダヲ演じる陣治のキャスティングは、監督並に意外だったが、阿部サダヲの全身で感情を伝える演技が陣治ピッタリで、十和子への愛情があふれ出ていた。
自分の生活に結び付けて、愛情とは何なのか。考えるきっかけになると思います。
蒼井優ファンにとっては、濡れ場が多すぎて、ショックかも、、
====================以下、ネタバレ===========================
ストーリーを分解すると、
起:十和子と陣治の生活
承:黒崎への愛情、姉の言動による十和子の行動変化
転:水島への愛情
結:陣治への愛情
といった具合に展開されていく。
起
十和子と陣治は、薄汚いマンションに住み、ただただ飯を食らう。恋人通しであっても、十和子は陣治への愛情は薄く、奉公人として扱っている感じ。こういったシーンが映画にたびたび出てくるが、それが陣治と十和子の"生活"であり、それ以上でも以下でもなく、日々が過ぎていくことを印象付ける。
時折、黒崎との生活がフラッシュバックするものの、それは"DVD"としての"記録"であり、陣治との生活への不満が、クレームとして劇中に表現されている。
このシーン、原作ではここまで象徴的に表現されていない。
承
クレーム対応で親密になってしまった水島という男に感情を揺さぶられ、遊ぶようになると、十和子の姉が相手は黒崎ではないかと疑いをかける。
その疑いをきっかけに、黒崎への愛情を次第に思い出していくが、陣治はかたくなに黒崎ではないと言い張る。
このシーンがこの映画のポイントで、観客にどういった信じるがあるのかを考えさせるシーンだった。
それをきっかけに、十和子の黒崎への思いが再びわき始める。
転
しかし、黒崎は失踪したと警官から告げられる。黒崎の妻に会いに行くが、そこで衝撃の出会いをする。
それを機に、さらに十和子の気持ちは水島に向く。とともに、十和子を尾行していた陣治への嫌悪も抱く。
陣治の尾行に気づいた水島は、十和子と距離を置こうとするが、水島自身が面倒になったのだろう、十和子を断って違う女と遊んでいるのを十和子に見られてしまい、十和子の気持ちが一気に殺意へと変わる。
十和子は水島を殺そうとするが、尾行していた陣治に止められる。そこで、黒崎の失踪の真実について思い出す。
結
黒崎は十和子が殺したのであった。陣治はその真相を隠す意味もあり、十和子を愛し続けたのだ。
陣治は、十和子が真相を思い出したのを確認した後、十和子の目の前で自ら命を絶った。
陣治の大きな愛情に気づいた十和子の前には、陣治が生まれ変わったたくさんの鳥たちが飛び立っていく。
この映画のタイトルにもある、"鳥"は、十和子の愛を表している。
十和子は陣治の思いに気づくまで、本当の愛に気づけていなかった。
それを感じた映画のラスト、号泣してしまった。
印象的なシーンが多かった。
・部屋が崩れ、黒崎との思いでに遷移するシーン
・ラブホでの十和子の気持ちが水島に向く、砂を使用したシーン
・陣治が死ぬときになって、十和子が陣治との生活を振り返るシーン(一番泣けた)
クズはクズ。実際の世界だってそうじゃないか。
ただ、最後に気づけた十和子はクズじゃない。
不可解なシーンもあまりなかったし、陣治のまっすぐな(ゆがんだ)愛情に、素直に感動できる映画だった。
白石監督が愛の映画を描くと聞いた時、嘘だろと思ったが、白石監督ならではの、暗いラブストーリーに仕上がっている。
にしでも、松阪桃李のラブシーンは上手すぎる笑
ほんまスカタンや。
なんでしょう…この感じ。
あまり出会った事のない鑑賞後の余韻。
2時間、見応えはありました。
なかなか展開が読めないけれど、それだけに見入ってしまう。
最初と最後で登場人物に対する印象が逆転するパターン。
コメディー+ミステリー+ラブストーリー
最後まで展開が読めませんでした。
関西弁の二人のやりとりがテンポ良く、浪花の人情劇にみたいで面白かったです。
特に可愛くもない、どちらかといえば関わりたくない、なんか面倒くさそうなタイプの女性、十和子。
人は良さそうだけど、どちらかといえば生理的に近づきたくない小汚い男、陣冶。十和子と陣冶の物語。
陣冶がクセ者かと思いきや、実は十和子がクセ者だった。後半びっくり。
なぜ陣冶は最後あんな行動に出たのか。未だにわからない。
推測ですが、いずれ自分が捕まるだろう。十和子を守るため自分が死んで事件の真相をうやむやにしたかったのか。
それとも、また同じ過ちを繰り返した十和子にもう疲れた。もうついて行けない。でも本音は言えないから、「俺を産んでくれ」って訳の解らないことを口走ってとっさ的にあの行動をとったのか。
それとも、自分が死んで十和子の子供に生まれ変わって一緒に生きていきたい。と心の底から本当に願ったのか。未だにわからないです。
ただ一つ共感出来たのは、いつも機嫌の悪い十和子が陣冶のちょっとした言動でクスッと笑う瞬間。陣冶には笑った十和子がたまらなく可愛くて、飛び上がるほど嬉しくて幸せな瞬間。
ただその笑顔のためだけに生きているような陣冶の男の気持ちは、よくわかります。
しあわせ?かな??
世界観にハマり、バッと読んでしまった作家さんの作品だったので観てきました。
普段の私なら全く興味を示すことのないタイプの作品です。
全員ゲス野郎。共感度ゼロと豪語されていましたが、そんなことはないかなー?好きになるタイプと好かれるタイプは別な人なんて沢山いるし、不倫にハマる人だってごまんといる。あまりにも酷い役柄ではありますが、同じように一回り以上年上のタイプじゃない人に囲まれてる女なんて沢山いるような気もする…。
世界観やストーリーはすんなりと入って行きました。とはいえ、不潔なジンジ、かなり苦手なタイプで、十和子が思わず邪険にしてしまうのはなんとなくわかる。ベットシーン?ではかなり鳥肌が立ちました。
ただ、そこまでしてなぜ一緒に住んでいる??お金目当てにしても、もっとましな人いるのでは???とおもっていたら、最後の展開で、おーなるほど。ってなりました。
純粋にいい所ばかりを見て恋してた十和子は、ボコボコにされても美しい...
純粋にいい所ばかりを見て恋してた十和子は、ボコボコにされても美しい思い出に浸り、昔の男を忘れられないでいる。
でも、さすがに3年ぶりの屈辱には耐えられなかったんでしょう。その日以来、十和子の心は壊れてしまい現在に至る。そんな十和子を放っておけない助けてあげたい陣治。最終的には救ってあげられたのかな〜。
殺すまでいかなくても、十和子のような女性は意外といる気がする…
役者がいいですね。
最近の蒼井優は面白い!
(関西弁だったからか、なぜか池脇千鶴を思い出したけど)
それ以上に良かったのは、松坂桃李。笑っちゃうほどゲスエロくて良かった。
2度と見たくない。でもそれは紛れもない美しい愛だった、、。
好きな俳優が結構出てるんですが、もれなく嫌いになるくらいエグイキャラクターばっかりでした。
冒頭のクレームを言う十和子から「けっこうくるなw」と感じていましたが、そんなのは所の口。
粘着質なクレームや同居している陣治に対する罵倒、水島や黒崎のゲス行動の数々w
本当に見ていて心が削られていく作品です。
良く見たら『凶悪』の監督じゃねーかとwそりゃそうだわ。
しかしこの監督はグロイだけでは無いんです、非常に考えられたカット割りとカメラワークは秀逸です。(大阪城を写すところとかw)
共感度0とか宣伝していますが、そんなことはない。非常に共感できましたよ。
見る人間や男や女でもその共感度は変わってくると思います。
まずは主演の2人・阿部サダヲと蒼井優は大阪弁が非常に秀逸でいつも聞いている僕でもすんなりと耳に入ってきました。
また見たことのある風景がちらほらと映って非常にそんな所でも楽しめました。
この作品はとにかくラブシーンが多めなんですが、結構好きな蒼井優ちゃんが軽~いノリで心の空白を埋めるだけの為にSEXしているのはなんか切なくて心が痛みましたw
本当に2度と見たくないw
まあそのシーンの松坂くんも素晴らしいんですけどね。
ここからはネタバレ
ゆっくりと明らかになる全貌を追いかけると徐々に陣治の愛の大きさに心を揺さぶられます。
他のレビューの中には共感でき無い人ももちろんいます。「陣治の行動は常軌を逸している、死んだ後も心の枷にするため」等の書き込みも見られ、そんな考えもあるのかと感じました。
しかし十和子がセックスを求めて来た際に手で前戯をし、十和子がイッたのを確認すると毛布を掛け「僕は自分でするから、、」と陣治が言ったのはその前の日の「触らんといて、汚いんやから」との発言を受けての思いやりだったのではないだろうか?
それ以外にもいつでも十和子を思いやり、ホテルに入るのも止めるわけでもなく「いつかえらいことになる」と発言するだけ。
陣治の愛はたとえ自分に何が起きても十和子に前を向いて生きて欲しいという紛れも無い美しい愛だったのではないかと思う。
鑑賞記録
『凶悪』『日本で一番悪いやつら』の白石和彌監督による新作。ならば観ないわけにはいかないでしょう!
この作品の魅力といえば、やはり役者陣の演技でしょう。松坂桃李、竹野内豊といういい男2人が「ゲスの極み」と形容する他ないクズ男をまぁ見事に演じきっております。そんなクズ男どもに翻弄される蒼井優の、ホイホイついて行ってしまうような寄る辺なさを全身で体現している感じもさすがです。
阿部サダヲはとにかく汚い!ものの食べ方って簡単に人の気持ちを不快にさせられるんだなと実感させられました。ただ本作に限っては「フード理論」は適用されないのかもと思ったり思わなかったり…。
ラストの解釈はあっけにとられるところもあったのですが、じわじわと沁みてきます。「子どもを産むんだ」という言葉、ある男が言えば呪縛になり、ある男が言えば未来へ希望をつなげてほしいという祈りにもなる。それはやはり、その言葉に相手を思い遣る心がどれくらいあるかの違いだと思います。「恋は下心 愛は真心」とはよく言ったものです。でも、だったら陣治の最後の行動は、壊れてしまった十和子にとってどうだったのだろう。僕だったら…救われないかなぁ。
観終わった後、妻は体調を崩しました。それだけのエネルギーというか、怨念のようなものは込められているのかもと思ってます。公開館数は少ないですが、興味のある方は是非。
愛しすぎた側が地獄
純粋な人が大切なものを
守ると決めた時、
その他のことはもうどうでも
よくなる。
その理由さえも。
自分が大切と思っているように
相手も思ってくれていると感じる時、
もし、
その理由が自分を必要としている
言動だけなら
それはたぶん便利だから。
相手の都合にこたえれば、こたえるほど
相手の気持ちは残酷に冷えていく。
そして
要求はエスカレートしていく。
男女に限らず、同性でもこれは同じ。
学校でも職場でもよくみる風景。
本当に尊重しているなら、
どんなことを
してでも巻き込まないようにする。
はず…
結局、
相手にリスペクトできない人の仕業を
立場の弱い側の自己犠牲が吸収することで世の中が回ってるように思います。
立場が弱くなるのは、腕力だったり
経済的なものだったり、
人間関係だったりそれぞれだけど、
本作の場合は、
相手よりも愛しすぎたから
ではないかな。
自分に振り向いて欲しくて、
そばにいて欲しくて、
一緒に笑って欲しくて。
その自己犠牲の気持ちのキャパの
大きさで、行動が変わる。
溢れたら終わる。
十和子は相手に殺意をむけ、
溢れない程大きなキャパがある
陣治は、どこまでも…
そういう気持ちをお互いが
溢れないように、
思いあうようなシーンには
心が揺すぶられます。
そうじゃないと、しらけます。
あぁまたこれか。
どこかでみたな、なんて感じで。
けど、
あまりにも大きい包容を見たときは
衝撃をうけます。
本作の陣治や、ちょっと前に上映
していた 湯を沸かすほど~の
宮沢りえさんの役ですね。
陣治への救いは、エンドロール前の
十和子の最後のセリフかな。
どうせいつか死ぬなら、
普通に暮らすより、激しく
不器用でも愛し、愛される人生も
ありなんじゃないかと思える
恋愛映画でした。
なかなか ないけども。
共感度82%
”共感度0%”
とありますが、十和子には、女性としての恋愛観では単純に共感するところがありました。
いつもの、想像してるような蒼井優ではなかったです。
松坂桃李はいつの間にか大人になって…という感じでした。
陣治のことすごい下劣な暴走男だと思ってたけれど
全然そうじゃなかったですね。
「黒崎さんに二度と会われへんようになってしもたやないの」
十和子が黒崎を殺したことを思い出す描写、そこから水島を刺すところ、その辺の表現はすごかったです。
監督さんのことは好きになりました。
これで終わるか?と思って時計を見たら、まだ30分もある。
そこから最後30分は泣きっぱなしでした。
陣治、どれだけ十和子を愛していたの?
その愛が、痛くて、痛くて、泣きました。
”あなたはこれを愛と呼べるか”
陣治の思いを、愛以外だったら、じゃあ何だというの?という感じでした。
でもただのいい人じゃなくて、やっぱ狂ってはいると思う。
十和子も十和子で、黒崎のこと本当に愛してたんだと思います。
まあ狂ってはいるけど。
自分にとっての、身の程の、幸せが何か?は見極めないといけないですね。
十和子、落ちた陣治の方じゃなくて鳥を見つめてるってサイコパスなの?
彼女が知らなかったその名は何かって
単純に「陣治」か。って思ったけれど
それをなんと読むか、なんですね。
やっぱり「幸せ」なのかなあ…
万華鏡のような蒼井優の表情に見惚れた
原作未読。
この映画を観に行こうと思ったのは
主役の二人に惹きつけられたから。
クドカン作品でも大好きな阿部サダヲと
最近乗りに乗ってる蒼井優が出る。
これだけで観に行ったようなもの。
映画の宣伝には
「共感度ゼロ」とか
「クズばっかり出てくる」とか
そんな文字ばかり出ている。
「怒り」や「愚行録」のような
重く救いようのない映画なのかと
そう思って観に行ったら。
これは紛れもなく「ラブストーリー」だと感じた。
少なからず、そう思ってしまった自分は
もしかしたら陣治側の人間なのかもしれない。
とにかく蒼井優が素晴らしい。
まず驚いたのがその関西弁。
関西出身の私からすると
劇中の「エセ関西弁」が
我慢ならない作品が本当に多い。
その点、今作の蒼井優の関西弁は素晴らしかった。
そのまんま、ネイティブだった。
加えてその表情の豊かさ。
クズな同居人に見せるクズな女の表情。
唯一甘えられる存在の姉に見せる素の表情。
クズな浮気相手に見せる甘えた女の表情。
クズなDV元彼に見せる泣き笑いの表情。
全ての蒼井優のシーンが素晴らしかった。
思うに、ここまで「クズ」を
見事に演じるってことは
「いい人」を演じる事より
何倍も難しいのではないか?
その点で言えば阿部サダヲも
負けず劣らずにすごかった。
圧巻だったのがミスリード。
物語前半。
どうしようもない「クズ」だった陣治を
ストーリーが進むにつれて
悲しいほど「共感してしまうクズ」に昇華させた。
散りばめられた伏線の回収も見事だった。
蒼井優と阿部サダヲ。
やっぱりどう考えてもこの二人以外に
十和子と陣治のキャストが思いつかない。
良い意味で驚いたのが松坂桃李。
今まで若手イケメン俳優にありがちな
王道「いい人」を演じることが多かった。
が今作では清々しいほどのクズっぷり(^^;;
これ演技?素が出てんじゃね?
と思わせるほどの怪演だった。
セックスする時に十和子に
「あー」って言わせるシーン。
原作にもあるのかな?
なかなかの変態っぷり(^^;;
それがまたイケメン具合と相反して
よりグズっぷりが際立った。
その点、竹野内豊。
なんかちょっと他の3人に比べると
振り切ったクズっぷりは感じられなかったかな。
加えて、ラストシーンも素晴らしかった。
救いようのないくらい悲しいはずなのに
とても美しかった。
十和子を笑いながら見つめて
仰向けに落ちて行く陣治。
数秒の「間」の後に飛び立つ
名前も知らない「鳥たち」
陣治が身をもって十和子に教えた
その鳥の「名前」を、彼女は知り得たのかな?
十和子が知らなかったその鳥の名は?
「安らぎ」?「幸せ」?
それは十和子しか分からないし
飛び立ってしまった鳥と同じで
もう分からないのかもしれない。
改めて素晴らしい「タイトル」の
原作・作品だと思った。
それをラストカットで
見事に映像化した監督にも脱帽。
気になる監督がまた一人増えた。
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