「クズしかいない世界の中で放たれる"愛"の一方通行」彼女がその名を知らない鳥たち かわちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
クズしかいない世界の中で放たれる"愛"の一方通行
白石和彌監督のハードボイルドで濡れ場を多用した作品ながら、作品のクライマックスに向けて、人間味が増したドラマに昇華させた展開は見ごたえがあった。
蒼井優演じる、欲に溺れたダメ女は異彩を放つが、それを小汚ない見た目でも優しさを誤りながら、隣にいる阿部サダヲの雰囲気が妙なバランスを生む。異端で醜いふたりがそれでもいる理由、そしてそれを愛と呼べるのか。キャッチコピーが作品を観て刺さる。
アブノーマルで危険な香り、ヒリヒリする人間の愚かさが詰まっていながらも、愛のいびつで真っ直ぐな姿を見た気がした。
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