「2017/3/4」WE ARE X 智哉さんの映画レビュー(感想・評価)
2017/3/4
X JAPANが日本発、地球を代表するバンドにまで上り詰めた軌跡を追う、渾身のドキュメンタリー。
その過程で彼らが経験した栄光、痛み、そして喪失。得るものも失うものもレベルがあまりにも規格外。
泣きたくないのに涙が出てしまう。
ドキュメンタリーと言う性質の映画がこれほどまでに映えるバンドも唯一無二、と断言してしまえる程にXと言うバンドのヒストリーは波乱と激動に満ちている。
劇中でも言及されていたが、Xはある意味で決定的に、ローリングストーンズやエアロスミスも超えている…その要因がいかなる部分に依るものかは、是非映画を観て確かめて欲しい。
薔薇が一輪、咲いては散ってを繰り返すが如く、Xと言うバンドは破滅に向かって命と言う花びらを燃やしながら動き続けているような美しさと悲哀、そして激しさをその特徴として体現している。
奇しくもその生態活動は、Xが生み出した数多ある楽曲の様式美そのもの。
楽曲の世界観とヒストリーがここまで一致するバンドもそうそういない。
美化のないリアルをここまで正直に肉迫しても尚、もっと彼らの事を知りたいと言う欲求に駆られる。
長年彼らの音楽を聴いて来た者ならば、更にXに対する気持ちが深化する事は必至。
鑑賞後の余韻は竜巻に心をえぐられたような虚脱感に支配されたが、それこそがXと言うバンドの体温を追体験した感動に他ならない。
Xと言うバンドの終わりなき伝説から、まだまだ目が離せない。
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