「別次元の俳優へ変貌を遂げたマカヴォイの進化論」スプリット ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
別次元の俳優へ変貌を遂げたマカヴォイの進化論
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一体彼はどこまで突き進むのか。『つぐない』の精悍な演技と比べると、もはや別次元の俳優へ進化を遂げたジェームズ・マカヴォイ。その悪魔にも天使にも見える存在感を味わうための一作と言えるだろう。多重人格の役柄となると、俳優のうまさが逆に鼻についてしまうこともあるものだが、マカヴォイの場合は違う。そこには彼が内部に抱え込んだ分だけの人格がきちんと感じられる。数多くのキャラクターが、“照明”のあたる場所を巡ってやりとりする様が本当に目に浮かんでくるかのよう。その実態は、奇しくも “俳優”という職業のあり方(無数の役を内側から生み出す)と結びついているのも面白いところだ。
低予算主義へと移行したシャマラン監督。ジェイソン・ブラムとの出会いによって、そのあふれるアイディアを“時代にあった形”で具現化できるようになったのが嬉しい。さて、驚愕のクライマックスを経て、次作はどのような展開を見せるのだろうか。
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