「いっそ思い切り良く」機動戦士ガンダム サンダーボルト BANDIT FLOWER いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
いっそ思い切り良く
前作だけでなく、原作漫画を観ないと何が繰広げられているかサッパリ分からんストーリー構成。勿論、あらすじは何かの媒体で観ている人が殆どかと思うから良いのだろうが、誤解を恐れず発言するならば、もう漫画がどう動くのかの確認作業で鑑賞してると言っても間違いないと暴論かもしれないが。。。
前回の戦争状態に於ける人間の業の深さ、戦時中の極限の精神状態故の利己主義、ご都合主義が支配してしまう状況をよりドラマティックに描いたのに対し、続作である、今回は打って変わって宗教とスペースノイドである人種、しいてはニュータイプの関係性がどう結びつくのかというストーリー展開である。テーマ自体はさもありなんという誠実な流れで良いのだが、いかんせん説明や補助が一切ないので、原作漫画を読んでいる人のみがついていける形になってしまっている。パンフレットを観客皆が買ってる訳がないので、不親切だなぁと思ってしまうのはそれこそ時代遅れなのか?(ちなみに原作既読)
キャッチフレーズである『大人のガンダム』、『ハードボイルドガンダム』を掲げるのは間違いではないと思うが、もう少し丁寧さが必要と感じた作品である。多分、原作も未完なのでシリーズも続くのだろうが、漫画では表現出来ないところ(例えば、音楽は菊池成孔氏だから、ジャズとフィフティーズポップスを中心に演奏されているのだが、今回は映画挿入を意識されて楽曲を組んだらしい)をオリジナリティを超える程のぶっ飛んだイメージで表現してくれたらと願うばかりだ。子供が面白くないガンダム、そこに映画化される大義があるように自分は信じる。
追伸:楽器演奏シーン、これは酷い作画だった。モーションキャプチャーなりを使った3DCGを使用しているのだろうか?菊池氏の関係の今現在最高のテクニシャンなピアノ&ドラムのアーティストが演奏しているのにそれを生かし切っていないのは明白。このシーンだけでも、折角のアダルトアニメを台無しにしている。
あー、唯一良かった音効が、ニュータイプが何かを気付くシーンの、あの『ピロリロリ~ン♪』はきちんとファーストを引き継いでいて良し!!