劇場公開日 2017年6月24日

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「人生についての、久々良作コメディ」ありがとう、トニ・エルドマン tさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0人生についての、久々良作コメディ

tさん
2017年7月10日
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鑑賞方法:映画館

笑える

怖い

久々の深ーい良作でした

毎度お馴染みの薄っぺらな親子の良い話なんだろどうせwww
ああむかつく。でも町山が褒めてたから観てみるか暇だし。
と思って観に行った。が、全然違った。

あ。覚悟して観てね。
独身アラフォー勘違いババアが主人公で、このババアの異常なセックスと、観たくもないヌードシーン付きだからwww

表向きはコメディ映画。
でも、ある意味ホラー映画よりもずっと怖くて、
アノマリサを観たときに感じたような恐怖に似ていた。

生きるとは何か?を深く考えることのできる映画。

映画は、ただただエリートキャリアウーマンの日常を描くだけ。
そう。普通。普通すぎる。
多分、日本や欧米のような先進国で、一般的な中流階級の成功者といった人は、こんな人だよなぁ、といった人が主人公。
あなたの周りにもごまんといるはず。というより、あなたがそうかもしれない。

え?何が怖いかって?
そんな世の中の普通を、俯瞰した視点で見てみる。するとその普通が、とても異常なことということがわかる。
その異常なことが、世の中の普通になっている。それが何より怖かった。

映画が進むにつれて、主人公が病んでいることがだんだんと分かってくる。でも、主人公自身は、自分のしていることが異常なことで、病んでいるということに気づくことができない。

あー、もうこいつ救いようねぇ笑。
って感じ。いるでしょ?あなたの周りにも。救いようのない、中流階級の独身アラフォー物欲ババア。
この主人公が、男性ならまだ良かったんだけど女性なので、救いようのない度が半端ない。

そんなどうしようもない主人公を何とか救おうと試みるのが、主人公の父親。
このババアの唯一の救いは、この父親だよね。

そして映画のラストの父親のセリフがとても印象的。
ユーモアが大切なことは今は分からないかもしれない。でもいつかわかる。

そうなんだよね。後悔先に立たず、とはよく言いますが、異常なことをしている人って、それをしているときは、それに気づかないんだよね。
まぁ、だから後悔するんだけどね笑

後悔しないように人生生きなきゃいけないなぁと思いました。
あとは、人間関係とか人の気持ちとか、見えないものをもっと大切にしなきゃな、と。

たまにはこういう映画を観て、そこのあなたも人生とは何か?についてもう一度考えてみてください。

多分、人生経験の浅い人には、この映画の本当の良さはわからない。
主人公の行動が異常なことであることさえも、多分、わからない人にはわからない。
主人公が自分の異常さに気づかないのと同じだね。でも歳をとれば、いつか絶対にわかる。

本当に良い映画でした。
今度は酒飲みながら観たい。

にしても、ドイツって国は日本と似てんのかな?ワーカーホリックが多いんですかね?

あと、映画のタイトル長すぎwwwありがとうとかわざわざ付けんなwwwチケット買うとき恥ずかしいだろwww

t