「絶妙なバランスの面白さと切なさのある映画」泥棒役者 あきなさんの映画レビュー(感想・評価)
絶妙なバランスの面白さと切なさのある映画
長まわしでのワンカットが多く、メインで出てくるお屋敷のほぼワンシチュエーションの密室劇。
そこで次々と登場人物達の取り巻く状況、人生が進んでいく様は『映画』なんだけれど、原作でもある『舞台』の空気感がしっかりと残っている作品でした。
役者同士の掛け合いは絶妙な間で、舞台観劇好きの方にもオススメしたいです。
コミカルなシーンもある中で垣間見える、様々な年齢、性別の登場人物達が抱える悩みや葛藤が、会うはずの無い人達との偶然の出会いから、少しずつ希望へと変化するグラデーションがとても自然で良かったです。
感情移入をして没入してしまう映画というより、見た人の心に寄り添ってくれる暖かみのある映画だと思いました。
暖かい映画だけでは終わらず、色味の派手なセットや衣装、少しずつ掛け違えてズレていく絶妙な面白みのある会話など、知らずに見入ってしまう良い映画でした。
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