愛を綴る女のレビュー・感想・評価
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【”君に生きていて欲しくって・・”夢見がちな女性を、大人の包容力で静かに見守り続けた男の、妻を愛する姿が心に沁みた作品。】
ー 今作は、観る側は後半まで、見事にミスリードされる。ー
・夢見がちな、若く美しいガブリエル(マリオン・コティヤール)は、最愛の男性との結婚を希望しながらも、不本意ながら両親が決めた正直者で、情の深いスペイン人労働者ジョゼ(アレックス・ブレンデミュール)の妻となる。
・ギクシャクした夫婦関係が続く中、ガブリエルは流産し、腎臓結石と診断され、アルプスの山麓の療養所で治療をする事に・・。
・そこには、インドシナ戦争で負傷したアンドレ・ソヴァージュ中尉(ルイ・ガレル)が居た。
ー ルイ・ガレルと出会ったら、そりゃ靡くよね・・。ー
□今作は、ここからの、夢見がちな、若く美しいガブリエルが経験する、美しくもエロティックなシーンが魅力的である。
そして、観る側は、完全にミスリードされていく・・。
<ガブリエルに男の子が生まれ、(ここでも、未だ見る側はミスリードされている)、成長した彼がアンドレ・ソヴァージュ中尉が愛した、チャイコフスキーの美しきピアノ曲”舟歌”を弾くシーン。
そして、ガブリエルが、アンドレ・ソヴァージュ中尉と一緒に撮った筈の写真に写っていた風景。
情の深いスペイン人労働者ジョゼの男としての器の大きさと、夢見勝ちな女性ガブリエルを演じた、マリオン・コティヤールの一途な思いと、エロティックな姿が印象的な作品である。>
ラストの展開に驚き
ご主人の寛大で優しい心に只々感動。
マリオン演じる妻は美人だけど、ストーカー並みの妄想癖があり、両親もウンザリする程、正直困った女性です。ご主人はそんな妻を責めることなく見守り続けた素晴らしい方。素敵なストーリーだけど、美人でなければどうなっていたことか。
演技はみな素晴らしい〜〜
景色や画面も文句なく美しいけど、
思いが強すぎて一種の妄想の中に生きるヒロインへの
男の一途な愛に観ているこちらは戸惑ってしまう。
女性監督の、これは願望を形にしてしまった映画なのか??
どうしようもないダメの男の出て来る映画なら沢山あるし
こっちも観ていて「こんな男いるよね〜」と鼻で笑えるのだけど
ここまで一途に女を愛する男はやはり現実感がないし
女にとって一種の理想的な男を
女性監督が撮った作品だと思うと若干冷める〜〜
これでは、いつも自分の願望を映像化してしまう
ウッディー・アレンを笑えない。
でも俳優の皆さんは全て流石の演技!
そこだけは全面的に大絶賛!!
ただ主題が、私には合わなかっただけ〜〜
★もう一度観るなら?「もういい」
こんな愛もあったんです
何の予備知識のないまま観ました。
この女優さんは知ってる・・・と思いながら。
結局すごかったのは旦那さん。
あんな境遇から(支援はあったのだろうが)苦労の末大成功。
しかも、妻に対する愛情がこんなにもあったことが凄い!!
観るべき映画と言えるでしょう。
マリオン最高
一挙手一投足、ずっと見てられる数少ない女優さんです。
物思いに耽っている顔も無防備な姿も涙も走る姿も…すべてが自然体で美しかったです。
映画の内容もわりと好きです。繊細で切なくてキュンとして共感できる部分もあって。これぞフランス映画!という感じでした。
文学と音楽が思ったほど絡まない
映画の中で「ラ・シオタの出身云々」の台詞。聞き覚えのある地名だと思ったら、リュミエール兄弟が初めて上映した「列車の到着」のラ・シオタではないか。
チャイコフスキーの「舟歌」がカーラジオから流れる時に、エミール・ギレリスという演奏家の実名が出てくる。クラシック音楽を使用する際に演奏家の名前をはっきりさせることは珍しい。
原題は「結石」という、何とも色気もへったくれもないもの。この邦題には配給元の苦労が滲む。
主人公の文学・音楽への情熱が、物語の展開にしっかりと絡めば素晴らしかっただろう。
残念なことに、療養所を出てからの彼女の手紙はストーカーの怨み言の域を出ていない。もっと幽霊の心の琴線に触れるものでなければ、彼との再会を観客が想像するには至らない。
女盛りから、少し老いの入った中年まで、マリオン・コティヤールの存在感がかろうじて映画を文芸「的」なものにしている。
意外な結末
痛い主人公だな~。と思う反面、誰もが恋をすると、周りが見えなくなって、大なり小なり、こんな感じなのかも…とも思えました。
だって、気持ちが分かるもん。
ラストは意外でした。
いい意味での裏切り。
深い愛の素敵な映画でした。
やっぱりコティヤール。
なかなかに凄まじい人生を送るヒロイン。現実にこういう人はいる。
マリオン・コティヤール。やっぱりすごい。困った子感が目一杯ありながら、隠しきれない知性と健康的な美しさ。そして時々に息を呑むようなあざやかな表情で、相変わらず僕を惹きつける。
本編でヒロインが息子に冷淡だと母が指摘する場面がある。夫はさらりと受け止める。ヒロインの生い立ち暴きにならず、目の前の彼女を信じて追い続ける物語である。実は素敵なシーン。夫が日本の筋の通った昭和の男に見えてきた。
ラストの夫の言葉にしびれた。
悪くない、ラブストーリー。
そして、ほんとコティヤールはちょっぴりエロくて、美しい。
きみに生きてほしくて
隣席の年配の奥さんが旦那さんに向かって、あなたは電源を切るからいけないのよ、私はいつもマナーモード、これだとかかってきたのが分かるでしょ、と注意していた。上映中に何度も奥さんのスマホのバイブレータが鳴って、周囲の注目を浴びていた。旦那さんは気づかないふりをしているようだった。
キリストの父ヨセフは、新訳聖書ではマリヤの夫として精霊のお告げを受けて子供にイエスと名付ける役割が与えられてはいるものの、聖書の中でもキリスト教全体としてもあまり脚光を浴びている存在とは言い難い。
この作品の夫のジョゼ(スペイン語でホセと呼ばれていた)も、暗い映像に加えて正面からスポットを当てられることもなく、とても地味な存在だ。ジョゼはという名前はヘブライ語のヨセフによく似ていることもあって、二人の生き方が重なって見えた。
マリオン・コティヤールは現代フランスを代表する名女優だが、必要なシーンのためには身体を張る演技も辞さない。その辺りの思い切りのよさは、情熱を大事にするフランス文化の精神性に由来すると言ってよさそうだ。この人の映画は今年だけでも4本観た。
たかが世界の終わり
マリアンヌ
アサシン・クリード
それに本作品
いずれの作品もキャラクターがまったく違っているのに、何の違和感もなく見事に演じ分ける。まさにカメレオン女優としてのポテンシャルを遺憾なく発揮していると言ってよさそうだ。
本作では性欲の塊のような極めて情熱的な女性が歳を重ねて人生の真実に気づいていく過程を、屡々噴出する狂気の発露を加えつつ、静かに演じていく。嫉妬もあり、諦めと絶望もある。さらに妄想や幻覚さえも織り混ぜながら、女の人生をこれでもかとばかりさらけ出す。
そんなマリオン・コティヤールの素晴らしい演技が浮かび上がらせるのが、夫ジョゼの存在だ。聖母マリアを支えたヨセフのように、愛に生きる奔放な妻を無償で支え続ける。
プロット、シーン、そして主演女優の演技と、三拍子揃った見事な作品である。
はじめから終わりまで愛
主人公の女の人が肉体的にも精神的にも愛を求める人なの。だから通常の倫理観とはぶつかんのね。でも、それを受け止める人達も愛にあふれてて。
それだけの話といえばそうなんだけど、丁寧に画かれてて観てて面白い。
注意 メロドラマではありません
観る前はそう思っていたのであまり期待していなかったのだが、いい意味で裏切られた。劇的な物語が極めて静かに、抑制の効いた語り口で緊張感をもって展開して行く。どちらかというとサスペンスに近い。これは自信を持ってお勧めできる。
イタイけど気持ちはよくわかる
主人公のガブリエルは、フランスがインドシナ戦争をしていた頃、親が決めた結婚相手と望まない結婚をした女性。
彼女が結石で入院することになり、療養所で、ある男性と知り合う
この映画は、すごく感動するとか、すごく共感して涙を流すっていうタイプの映画ではなく
(もちろん、個人差あり)
主人公の女性は、すごくイタイ人で
「あぁ狂ってるなぁ」ってちょいちょい思うんだけど
それでも、気持ちわかるなぁって思った
彼女に憧れるとか、あぁなりたいとかじゃなくて
きっと、自分の中ににもガブリエルが多少なりともいるんじゃないかっていう思い
でも、それは、戦時中という環境が彼女を作り出したような部分もあったかと思う
観終わった後に、希望を感じられたのが、この映画の救いだった
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