グレイテスト・ショーマンのレビュー・感想・評価
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こう感じるの私だけ?
楽曲は良い。
あえてだと思うけど、ちょっと古臭い感じのアレンジで、でもバリエーションもあって。
音楽でずっとワクワクさせられたのは久しぶり。
ただ、このお話はこの結末でいいの?
登場する、社会で不当な扱いを受けているフリークス(彼らの描写もどうなの?というレベル)などのマイノリティが、自ら集まって居場所を求め「ここが私たちの家(ホーム)だ!」と宣言する。
一見、アメリカ人の大好きな「それも素敵な君の個性さ」に見える。行き場を失った人々が自分の居場所を見つけた様にも見える。だが、見世物小屋でサーカス団として客を喜ばせるために集められた彼ら団員は、果たして観客や興行師たる主人公バーナムと「同じ人間」として描かれているだろうか。
白人などマジョリティからの『憐れみ』という非常に高い所から見下ろした感情しか感じ取れないのは私だけなんだろうか。とても対等な立場の人達へのメッセージには思えなかった。
作中、明らかに差別が描かれているし、バーナムも差別する側に加担しているのに、そこを突きつけるシーンはなく、彼の身勝手を迷惑を受けた登場人物全員がかばい合っている。
同じ人間として、本来彼らマイノリティも他のアメリカ人と平等な社会生活が送れなきゃいけないんじゃないの?
ビジネスパートナーとして後から加わるフィリップも団員と恋に落ちるが、その女性は他の団員と比べて有色人種とはいえ明らかにルックスが良い。それを見せられても「結局見た目じゃん!」としか思えない。
依然として社会から隔離されている彼らが自ら集合体を作って街から離れた空き地にテントを立て、「ここが私達の家だ」「これが私なんだ」「これが幸せなんだ」と団員自身がそれを選んだ様に言わせるのは、私は卑怯だと思うのだ。
結果、バーナムはそのサーカスをフィリップに任せ、自ら幸せな家族の元へと帰っていく。それは社会で虐げられていた彼ら、そしてその関係や責任を放棄することではないのか。
あくまでこの映画は「バーナムの話」だし、あくまで「娯楽作品」だし、実在の人物がベースにあるとは言え、この時代にこういう物語を描くなら、もう少し配慮があるべきだと思うのだが。
(それでもう少し作品が長くなったってこの本編の時間なら問題はないでしょ?)
ザック、ザック、そしてゼンデイヤ、ザック!
えげつない見世物小屋の権化みたいなP.T.バーナムの人生を、夢を追う感動ミュージカルとして描く。このご時世には難しい、センシティブな題材だと思う。それが成功しているとは思わないが、はぐれ者たちが身を寄せ合う物語に音楽の高揚感が重なると、心打たれずにはいられない。多少危険な陶酔だとも思うが、エンターテインメントにはこれくらいの棘やささくれがあっていいとも思う。
そして輝いているのはなんといってもザック・エフロンである。「ハイスクール・ミュージカル」の歌って踊れるアイドルスターとして人気を博したわけだが、さすがに同じ売りでは可能性が開けないと判断したのか、得意とする歌とダンスを披露する場は控えていた印象がある。
ここでは本来のポテンシャルを久々に解放していて、歌のグルーブ感などはヒュージャク座長を上回っていると感じたし、ゼンデイヤとの相性もいい。美男美女に素直に酔わせられるのもたまにはいいものである。
圧倒的な音楽の世界に心奪われる
凄い作品に出逢ってしまった。観終わって劇場内が明るくなっても、暫くの間、作品の世界感に浸っていた。心地良い余韻は当分続くだろう。本作は、実在した伝説の興行師の波乱万丈の半生を描いたミュージカルである。台詞を極力排除した、全編、力強い音楽の世界に酔いしれる見応えのある作品である。
本作の舞台は19世紀のアメリカ。貧しい子供時代を過ごした主人公バーナム(ヒュー・ジャックマン)は、長年想っていた妻(ミシェル・ウィルアムズ)と結婚し、幸せな家庭を築いていた。彼は、突然、勤め先を解雇されるが、家族のために奮起し奇想天外なショーを思いつく。世間の非難を受けながらもショーは次第に人気を集めるが、彼は、それでは満足せず、更にショービジネスの世界に没頭していく・・・。
本作は波乱万丈なストーリーではあるが、分かり易くシンプルな展開であり、意外性は少ない。しかし、全編に溢れる音楽のパワーが圧倒的であり、冒頭から心を鷲掴みにされ、作品の世界に惹き込まれる。キレキレのダンス、躍動感溢れる楽曲、歌唱力抜群の歌声に加え、歌詞が素晴らしい。心奪われる。
バーカウンターのシーンでは、価値観の違う2人、夢を追いかける主人公と現実主義者のフィリップ・カーライル(ザック・エフロン)の心情が、コミカルな歌とダンスに加え、巧みな歌詞で小気味良く表現されている。主題歌『This is me』は、数奇な運命を辿ったショーの演者たちの心情を無駄のない歌詞で力強くストレートに表現している。運命に屈することなく、自分を受け入れ強く立ち上ろうとする想いに溢れていて、強く胸を打つ。涙が止まらない。悩み多き我々の人生を鼓舞してくれる。
実在した主人公は決して善人ではない。金儲け目的の奇想天外なショーを企画するような人物なのだが、そうは観えないのは、主人公を演じるヒュー・ジャックマンのクリーンな佇まい、人を楽しませたいというエンターテイメントに徹した姿勢によるものである。前半で、妻との結婚に至るまでの紆余曲折の経緯が描かれるので、夫婦愛を感じるのも奏功している。
本作は、音楽の持つ圧倒的なパワーで元気が貰える上質のミュージカルである。親子愛、夫婦愛、友情、仲間、成功と挫折、偏見、驕りなど、人生で経験する様々なものが詰め込まれているので、世代を問わず楽しめる作品である。
最高の楽曲と底抜けの明るささえあれば、細かいことはどうでもええねん!
興行師P・T・バーナムの活躍を描くミュージカル映画。
主人公バーナムを演じるのは『X-MEN』シリーズや『レ・ミゼラブル』のヒュー・ジャックマン。
バーナムのビジネス・パートナー、フィリップを演じるのは『ハイスクール・ミュージカル』シリーズや『ヘアスプレー』のザック・エフロン。
バーナムの妻、チャリティを演じるのは『シャッター アイランド』『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のミシェル・ウィリアムズ。
欧州最高の歌姫ジェニー・リンド役に『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』『ライフ』のレベッカ・ファーガソン。
フィリップと恋に落ちるサーカス団員アンには『スパイダーマン』シリーズのゼンデイヤがキャスティングされている。
第75回ゴールデングローブ賞において、主題歌賞を受賞。
小細工一切無し!1人の男の夢と成功、挫折と栄光を真正面から描き切った超ストロングスタイルな映画。
シナリオは王道で意外性はないかもしれないが、映画を彩る楽曲の数々はどれも眩いばかりの輝きに満ちている。
夢や誇り、愛についてを惜し気もなく歌い切っており、胸がすくような爽快感を与えてくれる。
どの楽曲も素晴らしいが、特にヒゲ女を演じたキアラ・セトラが歌う「this is me」は文句の付けようがない!
被差別者の悲しみと、理不尽な現実に誇りを持って立ち向かうことへの決意を込めたこの楽曲は、そのままこの映画のテーマを表しています。
バーナムの物語と並行して語られるフィリップとアンの恋物語もロマンチックで素敵です。ザック・エフロンとゼンデイヤの表現力の高さに脱帽。
これまでヒュー・ジャックマンといえばウルヴァリンのイメージしか無かったので、こんなにミュージカル俳優として優れているとは知らなかったです。
バーナムは夢想家かつ自信家。自己中心的な所もあるキャラクターであり、ともすれば嫌味な人物に映ってしまいます。
しかし、バーナムをヒュー・ジャックマンという渋めでどこか影のある俳優が演じることで、そこが中和され、非常に好感のあるキャラクターになっていたように思います。
流石ヒュー・ジャックマンと言った所でしょうか。
全然娘が成長しないけど、作中で何年経ったの?とか、史実と全然違うじゃん。とか、細かいことはどーーーでも良いのです。
ミュージカル映画とは、素晴らしい楽曲と眩いほどの明るささえあればそれで合格なのです!
この映画、あまりにも眩しすぎて開始5分で泣いちゃいました。その後もミュージカルシーンに入る毎に涙涙涙…😭
惜しむらくは、歌姫ジェニー・リンドがただのサークルクラッシャーとしてしか機能していなかったこと。
リンドというキャラクターの描き方だけは、もう少し何とかして欲しかった。
とはいえ、個人的には大満足!
観ている間は現実を忘れ、観た後は明日に向けて精一杯努力しようと思わせてくれる「映画の魔力」を備えた作品です!
大興奮のショータイム。何度観ても感動と迫力が伝わる
フォックスは『X-MEN』シリーズやティム・バートン監督の『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』でも「“人と違う”ことは一つの才能なんだ」と背中を押してくれるテーマを掲げてきた。その文脈から見て、長年X-MENを率いてきたヒュー・ジャックマンが、シリーズから身を引くのとほぼ同時期に『グレイテスト・ショーマン』でも同じテーマを訴えているのは、もはや宿命というほかないだろう。その冒頭、頭のてっぺんから手足の先まで、全ての神経が総動員された抜群の身のこなしを目撃にするだけで、瞬時に世界へ入り込める。軽やかさと力強さを併せ持つあの歌声。観客たちの力強い足踏み。そこから始まる、身分の違う少年と少女が流れるように大人になっていくシークエンスは出色の出来だ。華やかで、テーマ性も厚く、観ているだけでも興奮が伝わる。何よりも大きなパワーをもらえる。世界中で批評家よりも観客に愛されてヒットしているのも納得だ。
着想の良さと音楽の魅力
まず、実在した興行師の半生をミュージカル映画で描くという着想がいい。ミュージカルの題材としてエンタメ業界は過去にもたびたび扱われてきたが、個性豊かな外見のパフォーマーたちが歌い踊るショーや、アクロバティックな空中の曲芸、美しき歌姫の劇場公演など、ミュージカルという枠組みの中で描かれることによってその魅力も輝きを増す。なるほど親和性は抜群だと感心させられる。
楽曲もポップで気分を盛り上げる。19世紀米国の話なのに現代的なアレンジが馴染むのは、エレキギターやシンセ系の音色を控え目に、ストリングスとリズムセクションを前面に出す配慮のおかげだろう。
元々オーストラリア時代にミュージカルの舞台でも活躍していたヒュー・ジャックマン。ハリウッド映画でこれほど精力的に歌い踊るパフォーマンスは、年齢的にぎりぎり間に合ったという印象。良いものを見せてもらった。
評論家には酷評・観客には大人気
一種の模範的作品だと思う。脚本・演出・編集において「ある意味」良く出来ている。(ただし捻りは皆無。ご都合主義満載)
とりあえず及第点の星3は確定するとして、諸手を挙げて拍手するには引っかかってしまう部分に言及したい。
先にポイントを述べると
・実在のP.T.バーナムは「良い奴」ではない。
・フリークショーは奇異な外見、珍奇さや禍々しさ、猥雑さを売りにしたものであり、観客の好奇の視線に晒す事を目的としている。
・それを「個性を輝かせる」「差別・偏見の払拭」という美談に作り替えるのはどうかと思う。
という事になると思う。
まず19世紀のアメリカが舞台という事で、当時の史実や社会情勢を「現代」と重ねて考える事は出来ない。
(日本では天保年間。幕末の志士達がまだオギャーと生まれた赤ん坊の頃だ。)
とりわけ「身分制度・階級意識」
「独立戦争の頃には今後縮小されていくと思われた奴隷制度が、綿花栽培産業などの為にむしろ拡大していった事」
「全白人男性の普通選挙の実現(それまでは一部の上流階級に限られた)」
「一般大衆を支持基盤としたジャクソン支持者達による民主党の創立。ジャクソンの大統領就任」
「南部西部による中央銀行潰しと州銀行による通貨過剰発行によるインフレ」
その辺りを踏まえて本作を観ると、当時の人権意識が発達過程のどのような段階にあったのかを推し量る事が出来る。
・欧州の支配からは逃れたいが、自らはその模倣に拘泥している上流階級。(しかしながら彼らが「本物の芸術」を育成する支援者である事実も少なからずある)
・一般大衆や移民層の、政治&経済的影響力の拡大
そういう熱いエネルギーが蠢く混迷の中、P.T.バーナムという人物は実に水を得た魚だったのだろうと思う。
LIFE誌では「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」に選ばれている。
バーナムが残した目覚ましい功績は
「多数の大衆を動員出来る『サーカス』『動物園』『フリークショー』『蝋人形』をすべて盛り込み、演出や構成にも趣向を凝らした「ショービジネス」の確立」
「サーカス業界初のサーカス興行列車の立ち上げ」
かと思う。
(※晩年は市長や州下院議員として色々と功績を上げているだろうが興行師としての件に絞る。
※webに「サーカスの創設者」のような解説が散見されるが「サーカス」自体は1770年にはすでに確立されている。)
しかしながら、やはり彼の成功を切り拓いた原点は「フリークショー」であり、そこにあるのは人権意識ではなく金儲けだった事は想像に難くない。
フリークショーが「空中ブランコ」や「曲芸」のように「サーカスの一演目」とされず、わざわざ「フリークショー」と区別されているのは「奇異な外見を好奇の目で見る差別意識」に対する人権的反発が根底にあるからだ。
映画内では、バーナム博物館への反対者達はレイシスト(差別主義者)として描かれていたが実際はどうだったのだろうか?
実は真逆で、差別意識に対する不快感から否定していた人達もいたのではないだろうか。
ベネット記者の酷評に似た反発があったのではないかな?(いや、民衆側だとやっぱりレイシストも多かったのか、、、)
残念ながら1830年代というのはまだまだ孤児を監視下において虐待による芸の習得や搾取が罷り通っていた時代だ。映画「フリークス」に出演しているヒルトン姉妹(結合双生児)などは実親に売り飛ばされている。
「フリークス」は1932年、トッド・ブラウニング監督作品だが、この作品は観客に大変なショックを与え、監督生命を閉ざすものとなり、イギリスでは30年に渡って公開禁止とされた。
バーナムが最初に博物館を開いてから約100年。この100年間で人権意識の普及には格段の進歩があったと言える。
現実のバーナムに好感がもてる点といえば、フリークショーの出演者達に「正当な報酬」を支払っていた事だ。
先のヒルトン姉妹などは支配者らにすべての利益を奪われ、姉妹は彼らが飼育する「所有物」として扱われていた。その半世紀以上も前から、彼らを対等な人間として正規契約していた事はバーナムの人柄に優れたものを見いだす事が出来る。
事実「親指トム将軍」は大人気のスターとなる。史実ではヴィクトリア女王に拝謁できたのはフィリップのコネではなくトム将軍の人気によるものだし、火災ですべてを失ったバーナムを助けたのはこれまたフィリップではなく、財を築いていたトム将軍だ。
今よりも遥かに身体障害者への差別と偏見が激しかった時代、例え大半が好奇と憐れみと蔑みの視線だったとしても彼らに「生きるすべ」と「成功へのチャンス」を与えたことは評価すべき功績なのかもしれない。
ただ、やはり「バーナム効果(行動心理学用語)」などのネガティブな単語まで作られてしまうようなP.T.バーナム。美談と感動の名作にしてしまうのはどうかなぁ、と思ってしまう。
いっそ、バーナムにインスパイアされた「まったく架空設定の物語」にすれば良かったのになぁ。
(バーナムがフィリップを助けに炎の中に飛び込んだシーンは素晴らしいと思った。あの行動が団員達に「あれが自分だったとしてもバーナムは助けに来てくれる」という強い信頼を生んだと思う)
とまぁ、初見直後にはこんな感想を抱いたわけなんですがね。
改めて映画評を見てみると「映画評論家の反応は真っ二つに分かれ半数は酷評」「しかしながら観客評価は高く、口コミでじわじわ評判が広がりアカデミー賞ノミネートに至る。ただし無冠」
(米国評論家はやっぱり実際のバーナムに引っかかるらしいw)
なんてこった!
まるで本作内のBarnum's American Museumそのものじゃないか!(苦笑)
そして、日本では公開初日から大ヒット。
つまり「アメリカの近現代史」に馴染みが薄ければ薄いほど本作の評価は高いというわけだ。
実際、ウチの息子も「視聴前と視聴後で人生が変わるくらい感動した!」って言ってるしねぇ。(ただし、キミはもう少しアメリカ史を勉強しろ(笑))
う〜む、映画制作の「教材」にしたい作品だとは思ったけど、感動はしなかったしなぁ、、、。
時代背景や時代考証はすべて無視して
「現代社会の投影」として鑑賞した方が良いのかなぁ、、、。
いずれにせよ「世の中のニーズに応える作品」である事は認めねばなるまい。
でもなー、やっぱり本心では「多様性」という「見せかけのポリコレ」で感動を狙った薄っぺらい映画、って感じちゃってるんだよなー。曲とダンスはまぁ良かったけど。
でも、ミュージカル仕立てなのに歌がアテレコ感多すぎるのもどーかと思う。
映画としてはバーナム並みのフェイクって感じる。
「感動させるフォーマット」に落とし込んだ小手先のテクニックだと感じてしまう。(だから、ある意味では映画制作教本向きなのよね)
こーやってごちゃごちゃ書くと、またぞろ知識のひけらかしだと不興を被るかもしれないが、率直な感想なのだから仕方ない。
まぁ、そんな時には一言。
This is Me♪
と歌ってみるか。
頭でみるな、心で感じろ
アメリカ公開当時、映画にも出てくるような映画に喜びを見いだせない、頭で映画を観る評論家達がこの映画にフリークスへの扱い当々について『偽善』と辛口批評したそうですね。
おかげで公開3日の数字もかんばしくなかった本作。しかしながら観客は楽しむ為に映画を観る。頭なんかで見ずに純粋に心で楽しんだ観客達からの評判であれよあれよと大ヒット。
この映画と同じ事が公開当時に起こったんですね。素晴らしいじゃありませんか。評論家と違って観客は感動に素直なんですよ。
制作陣はそう言った評論家から出るであろう偽善という批判が出る事はわかりきった上で、それをバーナムのようにあえて最初から飲み込むつもりで力強く進んだのかと思うともう鳥肌もんです。
企画段階では出演するのがフリークスという事でテーマ的に映画化まではかなりの困難な道程で8年の月日がかかっとか。
私達はフリークスではないが、同じように社会で人から蔑まれたり、人から愛してもらえない孤独を感じたり、何かしらの社会からはみ出している感覚を味わう。
そんな誰もが持っているコンプレックス。のけものにされたフリークス達の魂の叫びでもある『this is me 』に強く生きる勇気をもらえるのだ。
そしてそんなストーリーがまだ始はじまってもないオープニングのシーンで圧巻の映像と迫りくるような歌声に、悲しくもないのに涙をながしました。
これぞ心が素晴らしい芸術に圧倒されると言う事をなんだと思い知りました。
ストーリーがどうとか、フリークスの扱いが薄いとか評論家のように頭で映画を観ずに、思いきり心を200%開放してこの映画を楽しむ事をオススメいたします。
完全に中毒の私はすでに5回鑑賞しました。この映画をまだまだ何度でも見れます。というより観たいです。はい。
非人道映画
予告から、浅そう…と思っていたのですが、予感的中…。
浅い上にツッコミどころが多過ぎて…。
全体通してまず言えるのが、サーカス、フリークショーなのに、空中ブランコ以外は歌って踊って、肝心のユニークな彼らの個々の見せ場がほぼ無し。
というか、歌えて踊れる人達が奇抜な格好してるだけ。
チャリティは花嫁学校まで行ったのに、両親はどんな理由か謎のまま結婚を承諾…フリークスたちはすぐに本領発揮で、努力や葛藤のシーンは皆無。
描くべき部分が省かれてると登場人物を応援しづらい。
バーナムもフリークショーというリスキーな興行に対して前向き過ぎるし(きっかけも陳腐、というか外道、娘たちの思いつきのシーンは残酷極まりない)、フリークスの気持ちに寄り添えてない。
フリークスを金儲けの道具としてしか見てないし、偽物呼ばわり。
あなたの言う本物もオペラ歌手なのにオペラ歌ってないですけど??
苦労してきた割には(苦労の描写ほぼ無いんで分からないですけど)なんだか人として浅いし、歌の中でも同じことしか繰り返し言ってないし、何故フリークスとフィリップを口説き落とせたのか。
怒りのThis is me、確かに良い曲かもしれませんが、肝心のバーナムに伝わってなく、自己完結で終わり。
差別してる人間はそのままに、差別されてる人達に問題を押し付けるというあってはならない展開に唖然。
フィリップとアンのロープシーンは見応えあって良かったですが、愛を語る前に謝ることがあるんじゃねえのかと。人の目を気にして手を振りほどいたのは、周りの目じゃなくフィリップの問題!
評論家の存在も謎でしたね。
正統派の興行好きなだけで、何をきっかけに最後に全焼したサーカスを慰めにきたのやら。
子供達のバレエのくだりも半端でいらなかったんじゃないかな〜。
そういえば、冒頭のシーンは本編に繋がってないですよね。苦しかったのは周りの人達なんだが…。
バーナムは反省と謝罪をせず、結局いとも簡単に許されて終わってしまった。
ミリオンドリームとか言ってるような金の亡者は今後も同じ過ちを犯すであろう…と思いました!
あと、プロデューサーなのか座長なのか分からんですけど、ショーのセンターにいるのもなんか気持ち悪いです。
スターになりたかったの?フリークスを率いて?
と、思うと、どの楽曲や演出も高慢ちきで趣味悪いな〜と思っちゃって、なんかダメだなあ…。
冒頭でチャリティとの危険度MAXな屋上スレスレダンスやるくらいなら、それをサーカスでやっては?
最後の最後にCGの象とかライオンが出て来て激しく萎えました。
オチも意味わからな過ぎてもはや恐怖です。
楽曲もストーリーも互いに寄り添えてなくて何も生まれてない。
これがミュージカル映画だなんて許せないです。
楽曲とパフォーマンスだけがいいならMVでいいのでは…。
エゴイストのワンマンショーに振り回されて大変気持ちの悪い映画でした。
異形の人たちが『This is me』と誇りを持って言える世界
はそれだけで素敵です。
19世紀に実在した興行師のP・T・バーナム。
サーカスと言う呼び名を広めたことでも知られる。
はじめは「バーナム博物館」を作るが、客が集まらず、
思いついたのは畏形の人々を見せ物にすること。
空中ブランコ乗りの兄弟、小人症の男、髭もじゃの女性、
など異形のマイノリティたちは、親にも疎まれ暗い日々を
送っていた。
しかし家を出て、サーカスで働き、賃金を得て、仲間がいる。
彼らは自分の個性を、これが私、『T his is me』と誇りに思うのです。
この場面は胸を打ちました。
サーカスは社交界や知識人からは馬鹿にされて、
山師っけのあるバーナムはもっと上を目指します。
ヴィクトリア女王との謁見に気を良くして、更にスエーデン人の
オペラ歌手ジェニー・リンド
(実在の人物です、演じるはレベッカ・ファーガソン)を
連れて世界ツアーで勝負を賭けるのです。
しかしジェニーの裏切りにより、興行は大失敗。
留守中のサーカスは放火により消失。
そんな時にマイノリティの団員たちが、
『サーカスは私たちの家族』と歌ってバーナムを励まします。
彼らにとってサーカスはもうなくてはならない存在。
生き甲斐そのものなのです。
バーナム役のヒュー・ジャックマン。
当たり役ですね。素晴らしいショーマンぶり。
歌もピカイチ、踊れるし二枚目だし、
このミュージカル映画は名曲揃い、歌う俳優たちの歌唱力も
言うことなし。
ザック・エフロンと空中ブランコ乗りのゼンデイヤの恋も花を添えます。
続編の構想はあるそうなのですが、いつになるのでしょうね。
I'm HERE!
"爆音映画祭 in MOVIXあまがさき Vol.3" で鑑賞(字幕)。
爆音映画祭、初体験である。歌のシーンでビリビリと体に響いて来る音が堪らなく心地良かった。胸を熱くさせる圧倒的な歌唱が増幅され、体の芯から興奮が沸き上がって来た。
ヒュー・ジャックマンの歌声を聴くのは「レ・ミゼラブル」以来だが、伸び上がるような歌声が圧巻だった。やはりウルヴァリンだけの俳優じゃない。バーナムが実在の人物だったとは知らなかった。なんともイマジネーション豊かな人物である。
世間と上流階級を見返そうと、彼の考える幸せを追い求める中で、いつの間にか忘れてしまっていた大切なものたち…
己の居場所を思い出し仲間と立ち上がる展開は王道だが感動的。物語を彩る楽曲が良い。ミュージカルの凄みを感じた。
見た目が普通じゃないから、人種が違うからと差別され、世間から隠れるように生きて来た人々が、自分たちの存在を力強く歌い上げた「THIS IS ME」が強く印象に残った。
なんと言われようと自分は自分。個性が抑圧される世間の風潮が間違っている。世間がナンボのものだ。「これこそが私なのだ!」「私はここにいる!」と宣言する姿に勇気を貰った。
[以降の鑑賞記録]
2020/08/13:Blu-ray(吹替)
2025/03/28:金曜ロードショー(地上波初放送)
※修正(2025/03/28)
The noblest art is that of making others happy. もう最高!感動した!!
控え目に言っても最高でした!映画に引き込まれて字幕見るのも忘れるぐらい。ホントに良かった!!
ここ2週間ぐらいずっと楽しみにしてて毎日サントラ聴いていたのですが、期待通りというか期待以上でした!これは面白い。ストーリーは王道中の王道なんですが、王道って観た後に気持ちいいですよねー。もう変な裏切りとかなく、主人公のバーナムが調子に乗って1回全てを失っても回りの友情、愛情で最後はちゃんとハッピーエンドになるのが最高でした!
ヒュー・ジャックマン歌上手いわ~。ザック・エフロン、マジいいヤツ~。ゼンデイヤ、キッズに人気なだけかと思ってたら全然イケるやん!レベッカ・ファーガソン、歌メッチャ上手い!っと思ったら歌のパートは吹き替えだったのね。
主題歌「This is me 」はホントに名曲です。歌詞も素晴らしくって聴いてて気持ちが鼓舞されます。you tubeでカバーされまくっているので、やっぱり多くの人の心に響いたんだろうなぁ。映画観る前はKeshaが歌ってるバージョンの方が好きだったのですが、映画観たらオリジナルも最高ですわ。もうこの曲が流れるシーンは感極まって涙涙でした。
何だか見終わったばっかで気分が上がってるせいか「最高」って言葉しか出てこないですね。老若男女誰にでも安心してお奨めできる傑作です。これは絶対劇場で観ないとアカンやつですよー!大満足です!!
再観賞
2021/1/1
やっぱり大好き。「This is me」のシーンは何度観ても泣ける‼️
全体的に歌もダンスもクオリティが高く、聞きごたえ&見応えがある
Amazon Prime Videoにて字幕で視聴。
いつのまにか妊娠したり、いつのまにか二人の娘がいたりと、最初からテンポが良いミュージカル映画。テンポが良いからなのか、此方の想像力が自動的に働いた。おかげで細かいことは氣にならなかった。
いつのまにかユニーク団は歌もダンスも上手になっている。いつのまにか作った劇中歌。バーナム(ヒュー・ジャックマン)が楽曲づくり兼プロデュース&踊りも考えているという設定だとしたら、バーナム天才。
俳優陣の演技力と歌唱力がすばらしくて、何度も観れる。
ジェニーが歌う『Never Enough』が好き。
フィリップ・カーライル(ザック・エフロン)&アン・ウィーラー(ゼンデイヤ)の身分違いの恋の歌『Rewrite The Stars』が最高で、エンドロールで再び聞いても飽きない。
エンドロール中の油絵風の紙芝居的な演出も味わい深い。
マジョリティ派の喜ぶマイノリティ
評価も高くて凄く期待して見たのですが、私にはバーナム氏の自信家で刺激的な要素を好む性格がどうにも違和感が後に付いてしまってストーリーがやや薄っぺらく感じました。
ただ、「This is me」は涙が出るほど素敵な曲だった。あの曲を主テーマにしていたらこんなに荒さが目立つ内容にはならなかったと思うと残念でならない…
バーナム氏はあの生まれで他に何も失う怖さを知らないからこそ、一度きりのチャンスを次々とモノにしていくのはとても勇敢で妻子にも恵まれて良い人生を踏み出したにも関わらず、今の幸せを奪われたくない怖さに気づくのが遅過ぎたな〜というのと挫折したのにそのくらいで直ぐ持ち直しちゃうの?ってくらい軽くて性格がとっ散らかっていて感情移入が困難でした。
それに、りんごをくれた過去の恩人を思い出しフリークと呼ばれる人達を使おう!とアイデアが浮かんだってことでいいのかな?恩人だったのにそんな自分のアイデアとして消費しようとするなんて凄く怖い人だ…
バーナム氏がジェニーリンドに夢中になり、ほぼ捨てられた状態になってしまった団員達も何か訴えがあってもいいはずなのに、あろうことか団員達から手を差し伸べてバーナム氏を歓迎するのもなんでそうなっちゃうのかな〜って違和感ありまくりで、彼らのこれまでは酷いものでもプライドくらいは見せて欲しかったな。
やはり、マイノリティ派の主張を作品に取り込むのが如何に難しく繊細なことなのかがこの作品を通して分かった気がします。
マイノリティ派の意見は本当に主張しても世間に届かないんです。そしてこの作品はマジョリティ側が満足する様なマイノリティありきの作品でした。バーナム氏が楽しく刺激的な要素を好む様に消費していったマイノリティ側を好むマジョリティ派に私たちもなっているのかもしれない、そういう部分に気付ける人がどれくらいいるか。
前例の無い“地上最大のショウ”に我々は魅了され続ける
私事で久々の劇場鑑賞。いつも通ってる馴染みの劇場が新鮮に感じた。
また、作品も劇場で見るに相応しいエンターテイメント・ミュージカル・ショーであった。
アメリカでOP成績は不発だったものの、その後驚異のロングヒットになったのも、この楽しさだからだろう。
サーカスの原型となるショー・ビジネスの礎を築いた興行主P・T・バーナムの実話に基づくミュージカル。
レビューはほとんど絶賛で溢れていて、勿論それは充分分かるが、ちょっと気になってた点が。
と言うのも、バーナムはいわゆる“フリークス・ショー”の興行主としても有名。
エンターテイメントに徹する余り、それらはカットされるんじゃないかと危惧したが、ちゃんと触れられていて一安心。寧ろ、重要なポイントの一つでもある。
バーナムがスカウトしたのは、小人、髭の濃い女、毛むくじゃらの男、巨人、巨漢、有色人種などなど、社会から疎外されている人々。
彼らをショーに出演させる。
見世物と思われても仕方ない。
興行の為の金目的だったかもしれない。
が、社会から隠されるように生き、日陰の存在だった彼らが、初めて日の目を見る。その圧巻のパフォーマンス!
普通の人と違う、ヘン…なんかじゃない。個性。
差別・偏見を、歌って踊って、跳ね飛ばせ!
アメリカでヒットした理由もそれかもしれない。
本格的なフリークス・ショーを期待してる人には大いなる期待外れだが、実在の人物を題材に、メッセージ性のあるミュージカルになっている。
ストーリーそのものはツボを抑えているものの、少々平凡か。
ゼロからスタートし、成功を収め、その成功をさらに追い求める余り本当に大事なものを忘れ、再びどん底へ…。
家族愛とか仲間との絆とか、ちと描かれ方はステレオタイプ。
ある時バーナムは女性オペラ歌手の歌に惚れ、彼女と共に興行ツアーへ。家族やサーカスの仲間を置いて…。
バーナムの傲慢な部分も少なからず描かれてはいるが、もうちょっと深く描かれていればドラマとしてもよりメリハリ付いただけに惜しい。
しかし、夢を諦めない姿や、全てを失ってからの再スタートなどは非常にストレート。
それを盛り上げる歌やパフォーマンスが素晴らしい。
ヒュー・ジャックマンはもうさすがとしか言い様のないミュージカル・スターっぷり。
同じくミュージカル出身のザック・エフロンも下手な青春ラブやコメディやるより実に生き生きしている。
『ラ・ラ・ランド』の音楽コンビによる数々のオリジナル楽曲がどれも素晴らしく、お気に入りが一つに選べない。
本作もまた、前例の無い事を成し遂げた者の話。
誰も見た事無いものを見せる。
その新鮮さ、ワクワクこそ、本当の“地上最大のショウ”。
飽くなき姿、圧巻のショーに我々は魅了され続ける。
こういう類いの実話映画化が増えてしまうのだろうか
まずはじめに、ヒュー・ジャックマンの歌と踊りや表情などはさすがスターと思わせられたし、曲も様々な曲調・歌の繋ぎ方など工夫されていて良かった。ここに関しては素晴らしい!!とした上で以下(笑)
まずは仕立て屋の息子で貧しい生活をしていた主人公がとある貴族の娘と恋に落ち結婚するという経緯。
今作の大きなプロットである"バーナムが色々な経験をする中で成長し、最後は家族のところに戻った"ということの根幹にあたるところが冒頭のわずか5分足らずの曲の中で説明されてしまい、娘の父親からは二度と娘に近寄るなと言われるが、一体どうやってあの父親を説得して結婚したのだろうか?など家族を作るまでにどれだけの苦労があったのかが全くわからない。
また、ラストで家族を取り戻しにまたこの父親と対峙するが、ここは冒頭の父親の「彼女はきっとお前を離れて戻ってくる」という伏線の回収をすべきところ(冒頭の対比であり主人公の成長を証明すべきところ)だが、これも特に触れられず、よくわからないが何故か簡単に家族を取り戻してしまう。そしてこの父親との関係も曖昧のまま。
このように話の軸である主人公と家族という繋がりの強さに説得力をもたせる情報が圧倒的に少ない。ここまで来るとそんなこと最初から描く気なんてなかったんじゃないか?とさえ思う。
話の軸が曖昧で弱いまま感動なんかできない。単純に曲の良さに感動しただけである。それであればYouTubeで十分。個人的に人を2時間拘束して気持ち良い映像やPVを垂れ流すだけの場所に映画館はなってほしくない。
また、彼ら"フリークス達"がどんな思いで人前に出て、どのようにサーカスを成功させ、どんな家族になったのか、ビックリするくらい全く描かれていないし、ザック・エフロンとゼンデイヤのロマンスに関しては完全に蛇足だったと思う。(まずゼンデイヤ演じるアンは彼のどこに惹かれたんだろうか?)これに時間を使うなら先ほどのバーナムの家族の描写や、紹介できていない他のフリークスたちの描写を増やすべきだ。ここらへんに関してはイルミネーションの「SING」の方が上手かった。
この映画が大人気ってことが未だに信じられないが、本当の苦労や苦悩なんて誰も映画館に行ってまで見たくねーよってことなのかな。
「デトロイト」のような素晴らしいリアリティの実話映画が今後なくなってしまうのかと少し心配。
人間の苦悩や、社会問題や差別などに関して偉そうに語れるほどじゃないが、そういったことを覆い隠さずに、この世から埋もれさせずに、映画として世に出そうとする人がいなくならないことを切に願う。
主人公の人間性を肯定できなかった
とても話題で評価も高かったため見てきました。
レティと歌姫の歌声は素敵でしたが、主人公やストーリーがイマイチ。
主人公が貧しく苦労した少年時代や、フリークスたちの描写をもっと丁寧につくってほしかった。
何より、私は最後まで主人公を肯定できませんでした。主人公の人間性がたまらなく不快だった。
金儲けのためにフリークスを集め見世物にしたあげく、ある程度金を得たらフリークスたちを差別。「みんなに愛される」や「みんなが君に敬礼する」というような文句で、コンプレックスを抱えるフリークス達をその気にさせるけど、そんな言葉は本心でもなんでもなく口車に乗せただけ。クズな詐欺師にしかみえなかった。人の心をなんだと思ってるんだ。ゼロから始めたメンバーや家族をおざなりにするあたりも不快。歌姫に迫られても家族を愛して踏みとどまったところだけは評価できる。
良い人では成り上がっていけないのだろうと思うと、ある意味この主人公はとても現実的ではあるけれど、最終的に周囲が彼を肯定しているのは非現実的。フリークスはもっと怒っていいし、あの上流階級出身の相棒が見出した誇りを持てる仕事に出会えた喜びとやらも描写が雑。酷評してた記者も何故慰めにきたのか。違和感があった。
まぁそもそも私は人の誠実さを重視するタイプなので、主人公が失業後に家族がいるのにまともに働かず奇想天外なことを始めた時点で「コイツはだめだ」と思ってしまっていました。とにかく感情移入は無理でした。誠実で真面目であることが大切だ、地道に努力することが大切だ、と思っている人にはオススメできません。
乱文失礼しました! 。
Emotional songs and dances!
タイトルのとおり。私にとってはこれが全て。
本作の楽曲をラ・ラ・ランドのコンビが手がけているので、本題に入る前にミュージカル映画の音楽について少しだけ。
音楽配信サービスで「映画音楽 洋楽編」というプレイリストを作っている(邦楽編もあるよ)。レビューを書くにあたって、プレイリストを見直してみると、Dancing Queen、Another Day of Sun、Seasons of Loveなどのミュージカル映画の楽曲が結構入っていたりする。ラ・ラ・ランドのレビューで書いたように、ミュージカルは苦手なのに、だ。実は好きなんじゃないか・・・
本作の楽曲もこのプレイリストに勿論入っている。This Is Me、Never Enough、From Now Onの3曲。トップガンの2曲を上回って1つの映画では最多曲数。
私にとって、音楽という観点では今のところNo.1の映画がこの作品だ。
好きな曲を3曲挙げたが、それ以外の楽曲もどれも素晴らしい。そして楽曲に合わせて繰り広げられるダンスシーンも。
この作品の代名詞といっても過言ではないThis Is Me。キアラ・セトルを先頭にメンバー達が躍動するシーンはEmotionalという言葉しか浮かばない。
キアラが映画製作前のワークショップセッションで歌う動画がある。この動画を観れば、この曲が大ヒットした理由と、どうしてこんなシーンが撮れたのかがわかると思う。
ただ、個人的には、この映画のテーマ曲はThis Is Meではなく、From Now Onだと思っている。歌詞に注目してみよう。この曲にこの作品のエッセンスが凝縮されている。
ヒュー・ジャックマンの演技と歌唱は流石の一言。キアラ・セトル、ザック・エフロンも。そして、レベッカ・ファーガソンの裏でNever Enoughを歌ったローレン・オルレッドも忘れてはならない影のキャスト。
登場する異形・異能の者たち(この表現自体も適切かどうか問われそうだが)の扱いや描き方、ストーリーについて賛否両論が巻き起こった。ストーリーについては、確かにどうかと思うところがある。私自身、そこだけ捉えてレビューを書けば点数は確実に下がるだろう。
人々の関心が高い映画ほど、その映画に求めるもののハードルは上がる。私たちは、1つの映画に色んなものを求め過ぎなのかもしれない。どう観るかは、作り手が決めるものでも、高名な評論家が決めるものでもない。観たい人が、観たいように観る。観客にとって、映画とはそういうものとシンプルに考えた方がいいかもしれない。
冒頭に書いたとおり、私は、音楽とダンスに圧倒された。それだけで十分だ。十分すぎるくらいだ。
これからも、プレイリストを流すたび、この映画の数々のシーンを思い出すだろう。
Thanks for a great time!
私的史上最高ミュージカルエンターテインメントムービー
2019年に配信で鑑賞して以来、よもや劇場で鑑賞できる機会おとずれるとは
思ってもみませんでした。
今、宮崎市で公演をしている木下大サーカスとのコラボレーション企画として
セントラルシネマ宮崎で上映してくれていて、大感激です。
2019年は個人的に、様々な変化がおとずれた年でもあり、
相当なプレッシャーに苛まれていたところ、本作に出会い鑑賞したのですが、
猛烈に感動し前に進む勇気と元気をもらうことができました。
今でも大舞台に出る前は「From Now On」を聴いて自分を奮い立たせています。
今日はストーリーも全部わかっている中での鑑賞でしたが、
冒頭から涙が止まりませんでした。
やはりベンジ・パセックとジャスティン・ポールによる楽曲、
加えて大スクリーンでの生き生きとした描写、大音量を体全体で浴びるように聴く環境、
すべてが素晴らしく、フィジカルにもメンタルにもエンターテインする作品でした。
細かいことを言い出せばキリがなく、とにかく全てが素晴らしいのですが、
私がもっとも好きなシーンは、やはりラスト近くの酒場で「From Now On」をみんなで
歌い踊るところです。ここは鳥肌が立つ&号泣するレベルで猛烈に感動してしまいます。
またこういう作品に出会いたいです。
5年ぶりに鑑賞して本当に良かったです。生きる活力をもらいました。
ありがとう『グレイテスト・ショーマン』。
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