劇場公開日 2017年12月8日

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「1974版観た組にどうみせてくれるか」オリエント急行殺人事件 yostakkazさんの映画レビュー(感想・評価)

3.51974版観た組にどうみせてくれるか

2022年3月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 昔、1974版を観たくちです。監督兼主演のK・ブラナーは、私は”ワルキューレ”しか知りませんし、40年以上経って、どうみせるてくれるかが興味の的です。
 オープニングでは、海と乾いた土地のイメージから”あれ?ナイル?”、と思ってしまいますが、監督の遊び心でしょうか、007の冒頭のようでちょっと面白いです。また、列車に乗り込む場面は、カットなしの流れる演出で、映画ならではの魅力をみせてくれます。
 次に、すでに犯人が誰かを知っていますので、たくさんの登場人物を演じる俳優陣の魅力がどうかですが、まず、殺され役のJ・デップです。少々オーバー気味の感じがありますが、憎々しい役がはまっています。悪人を演じるのが楽しそうにもみえます。
 そして、M・ファイファ―です。”グリース2”で初めてみた新進女優も、渋みがついて、80年代のJ・ローランズのような雰囲気が出ています。ラストの彼女とポワロとの対峙は前作にない緊張感があります。
 J・デンチは、さすがMです。貫禄満点でピタリはまっています。
 しかしながら、それ以外の俳優では目立った印象がなく、特に、W・デフォーは好きな俳優なのですが、せっかくのアクの強さが活かされていないのが、勿体ないです。
 また、全編にわたるCG多用がおとぎ話のような雰囲気を出してしまっていますし、アクションシーンとは言わないまでも、あまりにポワロの身体能力が高い場面や銃を使う場面がこれまでのイメージとかけ離れ、心が引いてしまいます。
 このように前作1974版を観た組は、自然と比較してしまい、残念な部分が見えてしまいがちですが、原作を読んでいない方、初めて観る方は、かえって幸運です。クリスティの突飛なスリラーが十分楽しめると思います。

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yostakkaz