「原作知らなくて大丈夫?」オリエント急行殺人事件 bluetom2000さんの映画レビュー(感想・評価)
原作知らなくて大丈夫?
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前作のシドニー・ルメットは事件のシーンも織り交ぜて、事件と犯人たちの関係も丁寧に表現し、彼らに感情移入させつつアルバート・フィニーに種明かしをさせた。バーグマンやローレン・バコール、ジャクーン・ビゼット、ショーン・コネリーといったスター揃いで、ポアロより彼らが主役だった。だから彼らが列車に乗り込むシーンで始まる。美しく格調の高い良い作品だった。
本作は、冒頭シーンから主役はポアロを宣言して、彼の行動力や明晰な頭脳を全面に押し出し展開する。ポアロのカリスマ性を最大の見せ場は、犯人たちを一列に並べて謎解きするシーンだろう。停車した山間を背景に外から社内を撮影するシーンは荘厳な雰囲気も醸し出し美しい。蒸気機関車が走るシーンも美しく迫力もあり、列車旅のロマンも感じさせる。
ただ、前作でも原作でも幾ばくかの知識がないと、見せ場の謎解きの醍醐味もサラッと薄れてしまうと感じた。ジョニー・デップも生かし切れておらず、むしろミスキャストに思える。ということで映画の主題が違うが前作に軍配を上げたい。
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