「私は今回だけは、アンバランスを受け入れます」オリエント急行殺人事件 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
私は今回だけは、アンバランスを受け入れます
クリックして本文を読む
映画「オリエント急行殺人事件」(ケネス・ブラナー監督)から。
映画館で本作品を妻と鑑賞後、図書館で原作を借りて読み、
さらに1974年に映画化された「オリエント急行殺人事件(1974)」を
DVDで鑑賞したあと、改めて台詞をメモしながら鑑賞したら、
1回目の映画館では気付かなかったことが溢れていた。(汗)
主人公の名探偵ポアロが発する言葉には、1つ1つに意味があり、
そんな伏線があったのか・・と思うこともしばしば。
ミステリー作品は、謎解きが楽しいはずなのに、
結末がわかっていても、引き込まれてしまうのは、
やはり、原作の素晴らしさとキャストの演技力に尽きる。
冒頭「誰がどう言おうと、この世には『善』と『悪』しかない。
その中間はない」と断言し、事件解決(謎解き)に
「必要なのは証拠、秩序、筋道だ」を胸を張る。
その考え方で、世界で起きる幾多の事件を解決してきた自信が、
言葉のあちこちから感じられて、頼もしかった。
しかしラストに再度「世の中には『善』と『悪』がある」と言いながら、
乗客全員にこう説明する。
「今の私に必要なのは、耳を傾けることです。私の心の声に。
皆さん、この事件では『善』と『悪』を図る天秤がうまく釣り合いません。
私は今回だけは、アンバランスを受け入れます」
このワンフレーズは、心の葛藤が表現されていて印象的だったなぁ。
P.S.
ちなみに「オリエント急行殺人事件(1974)」の「気になる一言」も
「良心と一騎打ちをしよう」でした。
コメントする