「ミステリーとは。」オリエント急行殺人事件 mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
ミステリーとは。
アガサ・クリスティの有名小説を再映画化。
僕的には、アガサ・クリスティは古典の域にはまだまだだと思っているが、再映画化の意義は古典の継承にあるかのようだ。
広い空間をカメラが走り回るだけでうれしくなってしまった。
クローズド・サークルのミステリーが待っているだけにエルサレムの街並みなど爽快であった。
ケネス・ブラナー監督作品は久しぶりに観るが、作品ごとに進化しているようだ。
1974年のシドニー・ルメット版があるという前提で、本作は作られているはずで、だが、僕はルメット版をちゃんとは観ていない。
ストーリーは2015年の三谷幸喜版で入っている。
2時間をきる上映時間で、この事件を描き切った手腕は見事である。
ラチェット(ジョニー・デップ)がもっとイヤなヤツに描かれていれば効果はもっと上がっただろう。ポアロ(ケネス・ブラナー)がラチェットの警護を断る理由に少し説得力が足りない。ここは三谷版でラチェット役をやった佐藤浩市に軍配が上がる。
ポアロの苦渋の決断のために冒頭のシークエンスがあって、よくよく考えられた脚本である。
オリエント急行を降りたったポアロにエジプトはナイル川での事件の知らせ。初めから続編やる気満々だったのか。
「ナイルに死す」、期待をもって待つことにしよう。
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