「シャレオツな今どきの映画感」オリエント急行殺人事件 猫シャチさんの映画レビュー(感想・評価)
シャレオツな今どきの映画感
誰もが知っているタイトル・・と言えばその通りですが、特段ミステリー好きでもない身としては、「観るには観たけどもうあらかた忘れた」状態だったので、その意味では素直に楽しめました。
予告編を初見で観た時点ではケネス・ブラナーのポアロに違和感がありましたが、何度も何度も同じ予告を観せられたことで洗脳でもされたのか、思ったよりサマになっていて、これはこれでアリだと思えましたね。
オリエント急行の車内描写をどうするのか注目していましたが、上から撮ったり、車外からポアロへのつけパン(つけフォロー)で延々と車内を移動するシーンを追ったりと、趣向が凝らされていて楽しい。ただし、テキスト量が多く登場人物も多いので、字幕を追うか、画面を追うかで、少々せわしない感もあり。特に後半は、知ってる話だからとタカをくくっていると急加速に付いていけなくなるかも?・・特に拘りが無ければ吹替版を選択肢に入れてもいいかも知れませんね(吹替え版の上映館は少なそうですが・・)。
豪華キャストが話題にもなっている本作ですが、やはり主役はオリエントエクスプレスだと感じました。今どきのCG技術を駆使し、雪の山中を昼に夜にひた走る列車のダイナミズムや、停車中の、夕陽(朝陽かも)に映える列車の美しさなど、影の主役としての役割をきちんと果たしています。全体に洗練された作風で、いい意味でシャレオツだなと感じました。
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