「期待には及ばず」キングスマン ゴールデン・サークル moさんの映画レビュー(感想・評価)
期待には及ばず
前作は痛快・面白すぎて、映画館に二度見に行ったが今回は一回で充分というのが正直な感想。
なぜかというと、
一番大きな理由は円卓の騎士になぞらえた精鋭スパイ集団という設定、その中で、前作では明かされなかった他のエージェントたちと協力して(マーリン以外も)、ロキシーとエグジーが、どう成長しているのか。
これが勝手に見られるものと期待していたので、序盤の展開に納得がいかないままストーリーが進むからである。JBもロキシー殺す必要あっただろうか...殺すなら殺すで、意味のある殺され方をしてほしかった。好きなキャラクターだったからこそ。
終盤、エグジーが仲間の敵のようなことを少し口にするが、いや、王女のためにやってることで、後半でほとんど死んだキングスマンの仲間のことについては触れてこなかったよね?感情的になれとは言わないけども、仲間が死んだことがエグジーの成長点にほとんどなっていなかったことが残念。
酒製造業を隠れ蓑にした兄弟スパイ組織がアメリカにもある、というのは面白い設定だが、前作の魅力的なキャラクター・素性の知れない同僚たち、そしてキングスマンという組織の根本の多くはかなり謎に包まれていた。まずはそこを明らかにして欲しかった。
そして、これらは全て私の一方的な期待なのだが、
全編通してアクションが一番最後のエグジーとハリーの共闘まで防戦一方で、キングスマンの凄さ・強さを見られなかったことが残念である。
もっと圧倒的な、1でハリーが協会で無双したときのような、見ていてスカッとする爽快感を求めていたので、いやアクションシーン自体はスゴイ、スゴイんだけど求めているものとは違う...... 前作があるからこそのコレジャナイ感がぬぐいきれない。
あと、一般人を盾に敵を殴りつけるハリーがダサすぎ・かっこよくなさすぎて、いやもっと、もっと普通にギミック使わずにやっつけてくれや...と切なくなった。
しかし、一番重要な要となるハリー戦線復帰の流れは非常に良かった。いや、細かい点はちょこちょこ気になるが(いやあんなすぐヘリきたらバレンタインもそら気づくやろとか)そういうところを突っ込むのは無粋というもの。コリンファースの切り替えも素晴らしかった。しばらく一人でやってきてもやっぱりハリーが必要なのか、と少しうるうるした。
総評として、前作からの期待には応えてくれなかった。が、テンポの良さ・アクションのキレは見ているだけで楽しいので、私のように細かくストーリーにケチをつけるのはお門違いなのかもしれない。
シンプルに頭を空っぽに娯楽映画として見るには楽しいアクション映画だと思う。エルトンジョンがめちゃめちゃ強いのは笑った。
ただ、ミサイルがチート過ぎるのが気になる。
前作もミサイルにやられたんだからちょっとは対策しないの!?(笑)