「最初からアクセル全開の娯楽作」キングスマン ゴールデン・サークル GM屋さんの映画レビュー(感想・評価)
最初からアクセル全開の娯楽作
前作2015年公開のキングスマンが大好きだったので、続編制作決定時から興奮したまま本日を迎えた新作ゴールデン・サークル
前作キングスマンはポスターなんかだとスーツきた渋いおじさん達が映ってるだけだからワリとシリアスな感じかな?と思わされるが
登場人物達、特に主人公は平然とファックなどと言い放つ
監督が得意とするアクション、ついでに悪趣味なソフトグロ(? バイオレンスシーンや昭和007の香り漂うスパイ道具も乗せて昨今のスパイ映画全体に見られる真面目な顔して見るリアルでシリアスな映画ではなく、ビール片手にゲラゲラ笑いながら見れる娯楽作として、でも「礼節が人を作る」の言葉もあるように一人の悩める青年の成長譚として出来ていた映画でした
予告などで「秒でアガる」なんて謳ってたましたが
実際開幕即タイトルが表示され、そのまま一分もしないうちにアクセル全開でアクションシーンに突入
ラジオから景気のいい曲が大音量で流れ始め、自分はもうワクワクしっぱなし
仕立ての良い高級スーツを着こなし紳士となった青年エグジーの口から飛び出す言葉はファック!というあたり変わってないなーと懐かしさも感じたり
でも彼は恋人に対して操を立ており、前作でも見せていた優しさや誠実さなども見れて別の意味でも変わってないなと思わされました
役者さん自身まだお若い方なのでアレですが、キングスマンの紳士としてのカッコ良さと青年特有のチャーミングさがありとても良いキャラですよね
敵である麻薬王ポピー
演じるジュリアン・ムーア自身の魅力でもあるのでしょうが
本当に普通に見る分にはにこにこ笑顔の可愛いおばさんという感じですが、新入りに対していきなり
失敗した部下をひき肉を作る精肉機にぶち込めなんて笑顔で言うあたり狂気を感じますし、そこらへんの演出を含めて監督の悪趣味っていうと失礼なのかな?前作でも見せたソフトなバイオレンスも全開
元部下のミンチで作ったハンバーガーを忠誠を誓わせるために新入りに食わすとかねぇ・・・
皆が期待していた、コリン・ファース演じるハリーの復活
正直なんで生きてたの?って部分についてはご都合主義的な部分が多いのですが
もう素直に偽者でもなんでもなくて生きててくれてありがとう!と
キングスマンジャンキーな自分は嬉しい限り
今作ハリー周りの演出として前作の名シーンを再現してたりするのですが彼とエグジーの絡みはもう涙が出そうになってしまいました
ふたり揃ってダブルガラハッドが肩を並べて戦うシーンももちろん最高なのですが
特にラスト、前作では撃たれてしまい叶うことのなかった成長したエグジーとハリーが鏡の前に並ぶシーンはもう最高の一言
マーク・ストロング演じるマーリン
前作ではワリと感情をあまりあらわさず淡々としたキャラとして扱われていましたが
今作では、彼はキングスマン壊滅に関わることになった、元候補生のチャーリーに対しての悔恨や、生きていたハリーへの喜びなど人間味が多くなっています
特にラストバトルに突入する前のカントリー・ロードを歌う部分は
そうだよな。前作のあのシーンで助けられたのはハリーだけじゃないもんなと思い出し泣いてしまいました
更に今作では音楽家のエルトン・ジョンが本人役で登場
この人が映るシーンは衣装のせいもありますが諸々インパクトが強くたぶん誰もがゲラゲラ笑う部分だとは思います
一応パンフに、過去にマシュー・ボーン監督が007の監督になりたかったけど選ばれなかった鬱憤を前作キングスマンでちゃかしたりして発散してたのと同じで、彼も英国人の自分が007の音楽で起用されなくて怒っていた過去があるそうなのですが、
家に戻ってからウィキペディアなんかで調べると、エルトン・ジョン
彼自身一度薬物依存症になっているそうで、その面もあって今作に登場したのかな~なんて思ったり
同性愛者で同性結婚もされてる人物なので、ラストでハリーに「チケットあげる♥」なんて言って投げキスしたのもなんか納得
キングスマンの親戚ともいうべき諜報機関ステイツマン
カウボーイな格好したテキーラに保安官なウィスキー、ボスのチャンプ
など魅力的なキャラ達が出てきてパラシュートを開けば星条旗
戦闘機に乗った際のヘルメットも星条旗などこれアメリカの人怒るんじゃないの?と思うほどのアメリカンぶり
ハル・ベリー演じるジンジャーは可愛いって皆思うと思います
登場したスパイ道具は基本全部使い切るというてんこ盛り要素
(精々万年筆とライター、キングスマン特注拳銃の散弾ぐらいか作中で使用しなかったのは・・・
悪趣味としかいえないバイオレンス描写で人を選ぶ傾向はありますが、前作キングスマンからのノリと勢いで突っ走る感じが好きな人はすごく楽しめる作品だと言えます
不満点としては
序盤、それこそ開始20分ほどであっさり壊滅させられしまったキングスマンという組織
前作から登場しているエグジーの友人で同僚のロキシーや、飼い犬のJB、チンピラ時代からの友人を亡くすという展開
もっと彼らとの交友、キングスマンとしての仕事ぶりも見たかったなーなんて思ったり
チャニング・テイタム演じるテキーラがあっさり中盤から退場してしまいもっと彼の活躍とか見たかったなー
あとは全体的に言えてしまうことなんだろうけど、話運びが雑な部分が見受けられれるのも確かで
最後の最後にエグジー&ハリーのダブルガラハッドに立ちふさがるウィスキー
彼を中盤、ハリーがコイツは敵だと思って撃つくだり、敵だと見抜いた部分もうちょっと説明が欲しかったなー
見返すとぁーあそこらへんの発言から怪しかったよなーって部分はるんだけどさ・・・