「よくできた方だと思います」劇場版 仮面ライダーエグゼイド トゥルー・エンディング サトッシーさんの映画レビュー(感想・評価)
よくできた方だと思います
エグゼイド、キュウレンジャー共に良く頑張っていた良作だったと思います。
まずキュウレンジャーですが、冒頭での某デス○ターのような巨大兵器に立ち向かうボイジャーマシン、いきなり指令が死亡?という展開に引き込まれました。
残されたキュウレンジャーの団結と諦めない勇気、なかなかいい感じで、ラスト大きさの違う3つの戦いを平行して見せる演出も良かったです。
残念だったのは、敵役のロンブー亮さん。亮さん自体は好きですが、いい人がにじみ出ちゃってるのは、悪役には不向きな気がしました。子供にはお笑いの人だとウケはいいかもしれないですが、大きなお友達には物足りなく感じました。
次にエグゼイドですが、難病と戦う少女とその家族を軸にバグスターとエム君たちライダーの戦いのストーリーでした。ライダー映画では珍しく、「未来に希望をもつ」というしっかりしたテーマがあり、子供にも大きなお友達にも伝わってくる内容の脚本でした。
しっかりしたテーマですが、重くなりすぎないバランス感覚や登場人物それぞれにきちんと見せ場を作る辺りも良作だと思った要因です。
やはり残念なのは、最近のライダー全体に言えることですが、最終フォームのライダーの強さのインフレが起こっていることだと思いました。どんなに強い敵が来ても最終フォームのライダーが出てくれば、無事片付いちゃうという展開に陥ってないでしょうか?
せっかく大勢のサブライダーがいるんだから、皆で力を合わせ、映画でしか見れない技で決着のつけるようなやり方だと全てのキャラが生きる気がしました。そういった意味では、ブラック社長とパラドはいい仕事していました。
最後に子供向け作品の短い尺に、2本の作品を詰め込み、制約が多い中頑張っていた良作ですが、良ければ良いほどもっと見たくなるという物足りなさと最近の東映特撮の制作姿勢に苦言を呈する意味で☆を引かせてもらったという採点でした。