「難しく、考えさせられる。」三度目の殺人 江戸川コメソさんの映画レビュー(感想・評価)
難しく、考えさせられる。
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三隅はただの「器」である。相手の意思を超能力的なもので感じ取り、その意思を代わりに達成させるべく行動する。
一度目の殺人では、描かれてなかったがおそらく借金取りの被害にあった誰かの意思を、二度目の殺人では咲江の父親を殺して欲しいという意思を、三度目の殺人では重盛の咲江に裁判で証言させたくないという意思を、感じ取り代行した。
つまり三隅は法に代わって、「裁き」をおこなっていたのである。
一方本作では、法廷において咲江や咲江の母などなんら真実を話しておらず、また、裁判をやり直しするかの議論の際も目配せをし、暗黙の了解のように裁判の進行を急いでいた、など裁判の正確さが疑われた。
裁判で法が人を裁くのではなく、人が人を裁く。本作では後者が正しいのではと感じた。
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