「見る人の器が反映される映画」三度目の殺人 ひよこさんの映画レビュー(感想・評価)
見る人の器が反映される映画
現在の司法制度の欠陥を三隅が見事に利用した映画だった。
真実が証言や供述、誰かの人生観や価値観によって、いとも真実かのように決められる理不尽さ。
「あなたはただの器?」
最後に重盛が三隅に問いかけたセリフ。
結局は、三隅という器を通して重盛の価値観や感情が反映されていた。
映画の掴みどころのない意図はそのためだと、真実を伏せることで重盛やあなたの価値観が反映される怖さ。
この現代社会の構想が、映画を見る人の思考が、三隅を通して反映されるように作られた映画だと思います。
三番目の殺人は、真実を見極めなくても簡単に行われるものだと。
真実は色んな見解があるけど、私は咲江の母が依頼殺人をしたのかなと。判決が下されるあの場面での不可解な震え。
自己の罪悪感が妄想ではない、決定付けられた判決の瞬間に耐えきれなくなった。
・・と思いましたが、真実は?
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