ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれたのレビュー・感想・評価
全45件中、1~20件目を表示
皮肉な邦題をどう評価するか
邦題からイメージするものとは程遠い作品だ。本作は、テロ事件で生き残った青年が、望んでいないにもかかわらずヒーローに祭り上げられてしまう物語だ。PTSD的な症状に苦しみ、母親さえもメディアやイベントに売り込もうとやっきになる。その孤独から人生に絶望する青年の姿を描いている。
しかし、駄目な邦題なのかというとそうではないかもしれない。非常時にヒーローを求めてしまう気持ちは誰にでもある。こういう映画を見に来る観客はまさにそれを期待するかもしれないし、邦題はそれを煽っているのかもしれない。観客が映画に求めているものが主人公を苦しめていることになる。その意味で、この邦題は強烈な皮肉になっている。まさにヒーローを期待して見に来た観客自身が、主人公を苦しめているようなものなのだから。
少なくとも自分はこの邦題だからこそ、自分の中のヒーローを求める気持ちについてより深く考えることになったと思う。
より強く。
『パトリオット・デイ』と同じボストンマラソンでの爆破テロの話だけど、むしろテロに遭った個人と元恋人の物語で、意外や『ビッグ・シック』と印象が近い。
邦題の「ボストン・ストロング」は、ボストン市民同士がテロに負けずに団結しようと呼びかけあうスローガンだが、実際に映画がフォーカスしているのは、「ボストン・ストロング」の象徴として英雄に祭り上げられてしまった主人公の葛藤だ。
原題は「Stronger」。「ボストン・ストロング」という標語でも「英雄」でもなく、ひとりの個人として悲劇を乗り越えるための「より強く」。その等身大な視点がこの映画の魅力だと感じているので、もし自分みたいに「感動を呼ぶテロの実録もの」という先入観を持っていたとしたら、その印象は一旦捨ててプレーンに観てほしいところです。
人は誰かに支えられて人となっている。
辛いときは自暴自棄になり、「もうどうになってもいい」
「自分なんて大切じゃない」 となる気持ちは痛いほど分かる。
どうになってもいいと思っているから、周りの人を大切にすることもできない‥
そうなった時に自分を正してくれるもの、自分を導いてくれるものは「こんな自分でも誰かにとって価値がある」と知ること。
僕自身、格闘家でありながら試合前の身体の痛みや減量の苦しみに何度も心が折れそうになる‥
さらに追い討ちをかけるように首が難病を発症し恐怖が常につきまとい、さらにさらには嫁に子供を連れて出ていかれて離婚するハメに‥
こんなに沢山の人がいるのに、とても孤独を感じる
全てを掘り投げて「いっそ楽になりたい」と何度思ったことか
それでも前に進めているのは、懸命に生きようと、懸命に自分の使命を全うしようと思えるのは、僕の姿勢をみて希望を感じてくれる人達がいるから
誰かが僕を見て希望を感じてくれることが、僕の希望にもなっている。
僕はこうして救われている。
救われた僕だから、誰かを救いたい。
誰かの、仲間の、子供の希望になりたい。
懸命に前に進むだけでいい。
進んだ距離ではなく、"前に進む姿勢"に人は希望を感じるのだから。
人の最良
ボストンマラソンで実際に起きた爆弾テロの被害者の苦悩を描く。
人の本質は分からないもんだなと感じさせられた映画だった。テロが起きる前の主人公(テロ被害)は約束は守らない様な、また仕事に対する責任感も希薄な気質を見せていたが、テロに遭遇した際の本人は、他人を気遣い、優先することができる愛に満ちた人間性であった。
苦しいときこそ本当の性格が出るというが、日頃から他人の良いところを見れる様になりたいと思った。また、自分も日頃から自分の最良を出せる様になりたいと思った。
「安心して見れる映画」だと思って見たら‥
ポスターとあらすじを見ると、内容を予想してしまう。
主人公も、それを支える家族、友人、恋人もみんなイイ奴らばかりで、
足を失った主人公を献身的に支え、それに主人公が応えて、回復する‥
みたいな話かと
でも違った。
主人公はダメ人間だし、家族も友人もイイ奴とは言えない。むしろイヤな奴だ。特に母親。
(唯一、恋人だけがイイ奴かな)
主人公の逆境に負けない強い心、みたいなモノより、
たまたま現場にいて、運悪く事件に巻き込まれただけで「英雄扱い」されることの違和感がメインになっている。
その違和感が強すぎて、他のテーマ(主人公の強さ)がボヤけちゃった印象。
でもそういう意味では、最初に書いたみたいな「ありがちなストーリー」にしなかった製作者側の強い意思を感じられる。
【ボストンマラソンの爆弾テロで両足を失った青年が、深い喪失感から再生していく姿を描き出す】
被害にあったジェフ・ボーマン(実在の人物である)を演じるジェイク・ギレンホールの姿が心に残る。
絶望、葛藤(何故、自分だけがこのような仕打ちを受けなければいけないのか)に打ちひしがれるジェフの心をジェイクが抑制した演技で見せる。
それにしても、「パトリオット・デイ」でも扱われていたこの事件はアメリカにとっては衝撃的な出来事だったということを再認識した作品。
<2018年5月12日 劇場にて鑑賞>
葛藤
ボストンのテロに巻き込まれ、両足を失った主人公。
犯人を見たことで英雄扱いを受け、家族も便乗し、そんな気分ではない主人公の葛藤がうまく表現されていました。
ジェフを救ったカルロスとの対話は感動しました。
また、終盤に起きる前向きに何事にも取り組む姿に勇気をもらいました。
最後の最後で成長できた
この人の被害は大変なものだったと思うけど、この人自身も家族もクズで酒浸り、脳天気、無責任、足がないのに無茶な運転をする、などなど見ていてストレスが溜まる登場人物ばかりで
優しい彼女が一人で汚物の世話など引き受けているところを見るのもまた苦痛で、
なのに避妊もせず妊娠をした彼女の倫理観も謎でいつ視聴をやめようかと思いながら見ていましたが
ラスト数分、主人公が改心するあたりからは良かったです。
でも周りの環境が悪すぎて実際は映画みたいに美談にはなってなさそうだなぁ。
パトリオットデイを観た後で
病室で目覚めた後にダン中尉とかそんなジョークが出てくるなんてと驚きましたが、前半は辛いですね。ジェフの母親がちょっとイラッとくる人でねそれに反して、責任を感じているとは思いますが、献身的な彼女エリンには感動しました。そしてジェフが前向きになれるところが良かった。
ドラッグもやるダメなジェフボーマンだからPG12
祭り上げられた英雄
それで辛い思いをしたのにまた実写映画化することに同意するなんて
ほんとに足が無いようにみえる
足が無いと踏ん張れずウンコも上手にできないってのは目の当たりにして気づく。ちょっと考えれば分かるはずなのに、人の気持ちになるっていうのが如何に難しいかがよく分かる
それにしてもエリンが天使というか菩薩様
えてしてこういう人がダメ男の犠牲になるのは洋の東西を問わないのか
ボストンの事件はリアルタイムで知っているので、冒頭のマラソンゴールシーンが辛い、何が起こるか知っているだけに。極力惨劇の描写を抑えめにしているのはやはり配慮か
ウンコとゲロ
コストコのイメージアップに貢献
ゲータレードはイメージダウン
レッドソックス野球とブルーインズアイスホッケーはボストン
生きる力
ごくごく普通の人間だったジェフリーが、爆弾テロに巻き込まれ、両脚をひざ下から失ってしまう
しかし、犯人の目撃証言など、犯人逮捕に貢献する過程で、いつの間にか人々の英雄になってしまう
英雄的要素が彼の中にもともとあったわけではない
事故の記憶もまだ癒せず、両脚を失った現実は待ってくれず、そんな中、英雄として祭り上げられることにたえきれなくなっていくジェフリー
そんなとき、自分が助けられたと思っていたのに、
実は助けてくれた本人を救う力になっていたことを知る
そんな風に、見えない力が、たくさんの人びとを、また明日へと進ませる力になっていくことに気づく
プレッシャーに押し潰されきる前に、自分を介して、バトンのような力と救いが、人々に伝わっていっていることに気づく
それこそが、彼自身にも力を与える源のようにも見えた
誰かの差し伸べた手から、いつの間にか彼に伝わる力、
そして知らぬ間に誰かに差し伸べた手から、その知らぬ誰かに伝わる力
まるでバトンのように、ジェフリーのところにやってきて、彼からまた誰かに託される力
心に、やるせない気持ちと、優しい何かが残る
ボストン ストロング
ボストンマラソンテロの被害者の映画
初めは、ボストンの人の気質なのか周りの人達が利己的に見えた。
リハビリに嫌気がさし腐っていく主人公。
主人公のクズさに事故に遭った事を差し引いても腹が立ってきた。親や友達は結局どこまで主人公の事を考えていたのかはよく分からないが、みんなの根っこには優しさがあったかなと思わせるラストだった。
カウボーイハットの人の話は観ててとても心を打たれた。
自分は意外と思っても観ない所で人を救ってるのかもしれないなぁと観終わった後前向きになれる映画でした。
感情の振り幅が広かった
爆発の被害で足がなくなったのが彼女の応援に行ったから、ということで彼女の気持ちに立つと涙が溢れるけど、主人公のヤンキー家族の振る舞いや自暴自棄になった主人公が従兄弟にアクセル踏ませて車を運転するシーンは軽蔑する…。
まあ、これがアメリカの若者なんだろうか…?
そして、英雄になってはないと思うんだけど…。
ジェイクの足はどうやって撮影したんだろうか。
そっちの方が気になる!!
逃れられない使命がある。
初めに、ダメな僕だから英雄になれた。
ってサブタイトルいるかな?
英雄になる。と言うのは主人公の意図と反してる
気がします。
結果的に周りの人を勇気付ける存在になり、
主人公にも自覚が芽生える様は感動したけど、
英雄になれた。とは思ってないはず。
ただ前を向いて生きる事が、何処かの誰かの勇気に
なるのかもしれないと考えを改めることに親近感を
覚えた。
アメリカ万歳的なテロで足を失ったけど、
紆余曲折を経て英雄になる。って話かと思ってたけど、
ただの被害者なのに、ボストンストロングの象徴と
される事に戸惑い、逃げて逃げて周りに迷惑んかけ、
俺は被害者だぞ!と捻くれて、
どうしようもない奴だけど、
そこがリアルで、作られたヒーローじゃないことに
応援出来るなぁと思えた。
主人公はラストこそ自覚が芽生えて成長を見せてくれた
けど、発言などは何かフニャフニャしてて好きなキャラではなかったな…
お母さんの自分大好き、周りのことなんて知らん。
と言うキャラはとても良かった。
ジェイクギレンホールは凄い。
時にはヒーロー、時に悪い奴、普通の旦那も出来て、
ムキムキの格闘家かと思えば、今回は
両足を失ったガリガリの卑屈な兄ちゃん。
毎回、今回はどんなキャラなんだろうと、
その変化にワクワクする。
人は互いに活かし活かされながらこの世界で生きている
テロには特別厳しく対峙する、元世界の警察と言った触れ込みをしていたアメリカならではの映画だと感じた。
2013年のボストンマラソン起きたテロ事件だけに、事件を今尚記憶している人も多い事だろうが、本国アメリカではこんな実話が有ったとは全く知らなかった。
しかし、私など日本人が訪米すると田舎町では今でも「リメンバーパールハーバー」と言われる事がある程テロには神経質な国民性がある。
それ故、テロ被害者で有り、テロの目撃者でもある人物がテロ逮捕に貢献したともなれば、誰もがヒーローに祭り上げたい気持ちは判らなくもない。
その一方で、突然イラク戦争へ行ったわけではないのに、両足を一瞬の出来事で失ってしまう青年の人生に起きた怒りや悔しさ等の葛藤は容易に想像出来る。
そして、そんな突然の不幸を強いられた息子を不憫な余り、ヒーロー扱いしていく両親の気持ちも何ともやるせない気持ちになる。
そしてその両者には何時しか心の壁が出来てしまうのも自然の流れなのだろう。
でも、この映画で一番心の痛みを抱えながら強く生きようと努力したのは元恋人のエリンではないだろうか?
ジェフも始めは、元カノがマラソンに出る事で応援に行ったのは自己責任。しかもテロに遭うのは予想外の運命の悪戯だと自覚しているが、やはり自分の怪我の苦しみから、何時しか、彼女に対しても恨み節を吐くようになるのも自然である。
登場人物の総て人達の気持ちが理解出来るような事だけに、本作は非常に観るのが辛かった。
しかし、終盤ジェフは家族を突然失い、その苦しみを乗り越えた人物と出会う事で生きる希望を見つける。イラク戦争で弟を亡くしたと言う野球選手である兄に出会い、更に生きる希望を得る。
この世の中には残酷で、他者には理解出来ないような冷酷な事件を引き起こす人が存在する一方でまた、様々な苦しみを乗り越える姿で、人に希望を運ぶ救世主となる人間も存在する。
人の人生には人知を超えた神の計画が存在しているのかも知れないと考えさせられる作品だった。
実話であるだけに説得力のある物語をジェクギレンホールが演じていて共感が持てる作品となっていると思う。何故かこう言う役は彼には凄くシックリとくる気がする。
実話だけにジェフとエリンの2人がハッピエンドである事がせめてものの慰めであった。
愛すること、愛されること
ボストンマラソン爆弾テロ事件実話。
テロに巻き込まれ両足を切断した主人をジェイク・ギレンホール。
愛すること、愛されることで痛々しくもその苦悩を乗り越えていく様を演じています。
全45件中、1~20件目を表示