「時間返してくれ!」フリー・ファイヤー うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)
時間返してくれ!
冷蔵庫の残り物で作ったような映画
子供のおもちゃ箱からデタラメに出したガラクタ総動員で、撃ち合いゲームを見せられてもねえ…
冒頭、「撃たれても、人はなかなか死なない」というテロップが入る。この時が映画最大に期待値の上がった瞬間だった。
それからは、下がりっぱなし。
まるで、タランティーノ作品の模倣のような始まり。だけど会話が決定的につまらない。と、思ったらキャラクターの説明セリフだった。
音楽を、なるべく使わない演出はいいけど、使われた音楽の、場にそぐわないことこの上なし。ジョン・デンバーもとんだとばっちり食らったもんだ。
あらためてタランティーノの映画が、いかに凄いかが、この映画で分かるという皮肉。
根本的にダメなのは、脚本だろう。
あと5人は登場人物を減らすべきだった。
狭い廃工場で始まるカオスの銃撃戦。そして、汚い言葉と、本音が飛び交うコメディ。こんな紹介記事に興味を持った私が馬鹿でした。確かにその通りの展開。嘘はないんだけど、まず取引先AとBがいて、その仲介役がいて、下っ端のチンピラ同士がイザコザを始めて、さらに、誰かが雇った謎のスナイパーが2人?
誰が誰か分からんやろ!
誰が撃った弾が、誰に当たったか謎。
みんなあちこち撃たれて、這いずりながらの銃撃戦はとても見苦しい。
んで、舞台は70年代のボストンって、ただケータイが無い時代の方が都合がいいという理由だけで、ムダに設定複雑化するなや!
ストーリーには定まった方向も無く、みんな死ぬまで延々と撃ち合いが続くのか?というイヤな予感はほぼ的中する。
映画だよ?映画。
基本的なことをちゃんとしなきゃ!
久々に見たダメ映画。
お金はいい、時間返してくれ。