パトリオット・デイのレビュー・感想・評価
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遺体に残った破片は手ががりだから動かせない
映画「パトリオット・デイ」(ピーター・バーグ監督)から。
2013年に発生したボストンマラソン爆弾テロ事件を題材に、
どこまで実話に基づいているのか、気になって仕方なかった。
特に考えさせられたのは、爆弾の犠牲になった子供の遺体について
「遺体に残った破片は手ががりだから動かせない」とばかり、
冷静沈着な指示を出すFBIらしい対応と、
「『路上に放置する』と親に言うのか?」とやや感情的な、
地元警察の対応が、大きなギャップとなって緊迫感を醸しだし、
「ドキュメンタリー」と言っても過言ではない場面展開に、
思わず引きこまれてしまった。
しかし2時間の作品の中で一番印象に残ったシーンは、
その爆弾で死亡したその子どもの遺体の側に、長い時間付き添い、
指示・命令とは言え、何もできない無念さを心に秘め、
唇を噛みながら、ず~っと、ず~っと「敬礼」していた、
地元警官の表情が忘れられない。
単なる一場面のはずなのに、こんなに印象的なのは珍しい。
いや、このシーンを通じて、監督は何かを伝えたかったに違いない。
そう思わずにはいられないほどの場面設定だった。お見事。
3度目のコラボ
ピーターバーグとの3度目の共演作はこれまた実話。ボストンマラソンのテロを題材にした作品。まず、評価として星4だが正直点数で評価しきれない作品。なにげなくTVのニュースで悲惨だな程度しか感じれなかった事件の詳細を知ることができ、いたたまれない気持ちになった。前作のバーニングオーシャンと今作ともにアメリカ興行はイマイチだったが興行とは関係なく後世に遺していく作品だとおもう。
マーク
妻の尋問に夫の遺体の写真を見せたりする、テロリストに人権はないというのが、パトリオティズムだから。こいつは殉教者じゃない、卑怯者だとフリントストーンが言う。犯人には可愛らしい金髪の女の子がいて、だけれど爆弾はベビーカーの近くに仕掛けられて。犯人はろくな奴ではもちろんないのだけれど、ウォールバーグが監視カメラに映る犯人を指して、こいつらか、クズどもめ、と呟いた時、全ての問題は先送りにされる。
ベンツを奪われた中国人、MITの韓国人、被害者の中国人、ボストンは大学の町で世界中の人がやってくる。犯人もイスラム系で、MITに通ってて、なにかしらの疎外感を感じてたから、エキストリームな行動に走ったんだろうけど、全く、背景は描かれない。犯人が捕まると、市民が歓声を上げ、なぜかJFKの肖像画が映り、レッドソックスの選手が、街を讃える。犯人は死刑で、犯人の学校のルームメイトの中国人は、捜査妨害で捕まって、妻に対しての捜査はいまもつづいてると語られる。あたりまえだ、と言わんばかりに。何かを讃え、何かに捧げ、何かを振りかざす、だからアメリカは素晴らしい。
またどこかで銃乱射事件が起こる。あたりまえに。
テロリストとパトリオティズムの回路は、どちらも直列だから、まっすぐ前にしか進まない、両者は振り返ること、それを倫理と言い変えても良いのだけど、振り返ることは選ばないし、倫理は正義でまるめこむ。ゾッとする短絡的な仕上がりに、しびれる。
繰り返すが、だからアメリカは素晴らしい。
マイケルマンは、もう少し違う描き方してたけど。
犯人は町(警官、FBI、市民)が逮捕した
2013年、アメリカで“愛国者の日”とされる4月15日に起きたボストンマラソン爆弾テロ事件。
日本でも大きく報じられ、その後すぐ犯人を捕まえた事も記憶している。
改めてそれが僅か102時間のスピード解決だった事も驚きだが、ほんの数年で映画化された事も驚き。
始まりはよくある事件関係者たちの前日当日の日常。
普段この手の作品なら正直ちと退屈する導入部だが、今回ばかりは違う。
事件捜査に当たった主人公警官たちだけではなく、事件被害者たちも。
彼らにはそれぞれ営みがあり、その日もいつも通りの一日になる筈だったのに…。
これから起こる悲劇を思うといたたまれない。
マラソン当日。
ランナーたちが続々ゴールし始めて、我々がニュースで見たあのアングルになって緊張が一気に高まる。
そして事件は起きた。
現場は阿鼻叫喚、大混乱。
手持ちカメラや実際の映像も挿入し、臨場感はたっぷり。
捜査シーンはスピーディー、クライマックスの銃撃戦はスリリング。(それにしても、あんな住宅街で銃撃戦が繰り広げられたとは知らなかった…)
『ローン・サバイバー』『バーニング・オーシャン』など実録事件モノで素晴らしい手腕を発揮するピーター・バーグの演出も快調。
警察とFBIの合同捜査。
ちょっと対立あったのは最初の内だけで、事件や犯人への怒り、逮捕は同意。
監視カメラに映った犯人と思われる怪しげな男二人の特定の早さが凄い。
でもこれは、事件現場…と言うより地元をよく知ってる主人公警官の力ナシでは無理だったろう。
顔写真の公開を巡ってまた一揉め。
慎重さも分かるが、このままでは何も進展しない。
その時の主人公警官の言葉が響いた。
「(顔写真を公開すれば)この町が犯人を見つけてくれる」
犯人を逮捕したいのは警察もFBIも、この町も同じだった。
ついに身元を突き止め、徐々に犯人は追い詰められていく。
犯人たちの動向は序盤から度々挿入。
かと言って、一切共感は出来ない。
多くの死傷者を出した凶行を起こし、事件後また犠牲者を出し、逃走の為にまださらに罪を重ねようとする。
犯人たちをただただ冷淡に描く。
動機は全く描かれず、テロには屈しないアメリカによる愛国者映画という印象も見受けられる。
でも、テロへの恐怖、怒りに国の違いはない。
それに本作はただ単の愛国者映画と対テロ映画だけでもない。
犯人逮捕に尽力した捜査員たちに敬意を。
事件被害者の傷が癒える事を。
犠牲になった方々に哀悼を。
アイムヒーロー!! という説得力がある
見たかった「パトリオット・デイ」見てきた。
2013年のボストンマラソンで、実際に起こったテロがどのように収集されていったかを、犯人逮捕まで追ったもの。
基本的にはノンフィクション風である。「風」というのは、主人公のトミー(ポスターとかにデカデカと載っている)は実在しない人物だからだ。
【鑑賞条件】
日時:平日夜
埋まり具合・客層:埋まりは1割くらい。客層は男女比8:2
さてでは、ネタバレ有りの感想を言っていこう。
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■ほのぼのした「愛国者の日」を襲った悲劇
こちとら何が起こるのか知っているから、見ているとしんどい……というのはよくある事。
今回も見ていてつらかったが、その「辛さ」は、目の前の、そして一般の人に何が起こるか分かっているというところにある。
■平凡な愛国者の日を過ごすそれぞれの人
始めから、たくさんのシーンでいろんな人が出てくる。
モブではなく、ちゃんとスポットがあたり、名前も紹介されて、細かい心理描写がある。実在の人たちだ。
今回、展開・表現方法としてすごくおもしろいと感じたのは、初っぱなから映るその人たちが、直接「ボストンマラソンテロ」に関する人ではないことだ。
初っぱなからしっかりとその人たちの1日のスタートを見せられると、「あぁ、この人たちテロでどうにかなってしまうんやろか」と想像してしまうが
実際に冒頭から紹介されたそれらの人のなかで、テロに巻き込まれるのは少数だ。残りの人は、何事もなく、ただ「テロが起こったという事実」を知って一日が終わる。
話しが進展していくうちに、紹介された人たちの感情や境遇、他の人との関係などが深く掘り下げられていく。
「いったいどうしてこの人はこんなに掘り下げられているんだろう」と思い、こっちは不安を抱く訳だ。
まだ元気でいるのに。ボストンマラソンのテロにも巻き込まれなかったのに。いったい彼らには何が待っているのだろう。そんな不安とはらはらする思いが沸き上がる。
自分はこんな感じの手法の映画を見たの初めてだった。
■主人公トミー
実在しない主人公トミーは、今回の事件の解決の為に奔走し、苦しみ、戦った人の全ての要素を含んだ象徴的なキャラクターになっているらしい。
それは、このテロの解決を一人にスポットを絞って行くことが出来なかったからという理由だそうだ。
なるほど。
ではこのトミー、見ていてどうかというとそんなにいい感じではない。
初っぱなからあんまり人望がない。でもまぁ、嫌な奴ではないっぽい。
くだらない事件の犯人捕獲の為に、ドアを蹴破り膝を壊し、痛みを我慢しながらマラソン大会のゴール地点を守っていて、今回のテロに見舞われる。
ここまで書いておいてなんだが、この主人公トミーにはまず全く共感できなかった。
リアリティが感じられないというか……部下だかを殴って、やること(捜査?)に制限をされているらしい事が始めにほのめかされるんだが、その時点でクソじゃねーかと思ってしまう。
そして、テロ後はいち警察官なのに首をつっこみまくりである。
FBIの捜査にも首をつっこむし、意見も言っちゃう。
だめだめだった奴が、本気になったらすげぇ的なアメリカンドリームがそこにちらついてしまうのは自分がゆがんでいるからだろうか。
それはエンディング前に、おそらくアメリカンのこころを揺さぶったであろう決めゼリフにもいえる。(別項目で記述する)
トミーには妻がいる。マラソン大会の警備中に膝が腫れてきたからと、妻にサポーターを持ってきてもらうんだが、妻はテロにぎりぎり巻き込まれずに助かる。
「愛する人の無事を喜ぶ」という感動であろうと思うんだが、実在しない人のエピソードをあんまり掘り下げられてもぐっとこないんだよなぁ。←非情
そのほか、二人には子供ができずつらい思いをしていて、不妊治療からかえってきて車から降りたら近所の子がいて、妻が悲しそう(?)な顔で……とか言われても、実在しない人のエピソードをあんまり掘り下げら(略)
■テロに巻き込まれた人々など
・子供の遺体に8時間(?)付き添い続けた警官が、涙ぐんでいたのが印象的だった。
・当時、人命救助が先だから、家族だろうがカップルだろうが収容できる病院にがんがん運ばれていく。
身元が分からない人は回復を待っていたんだろうが、見てるこっちとしては「あーあの人と夫婦なんだよぉー、一緒につれてってやっておくれよー」という気持ちにもなる。つらい。
・テロの怪我描写などは、血が地面に流れたりしてはいるものの、そこまでの表現ではなかったとおもう。
PG12ではあるので、そこそこだとは思うが・・・直接的に、ちぎれたり破損した人体がしっかり映るという場面はなかった。
負傷したおばさんの「あれはなに!?足が転がってる!」といったようなパニクった発言はあったものの、それがそのまま描写されることはなかった。
■犯人役の二人
下手すればヘイトを集めそうな役だが、よく引き受けたよなぁ。偉い。
どっちもイケメン(役者が)だったのがつらい。
■ケヴィン ベーコン
事件後、FBIが来て、自分のスキなベーコン様登場である。渋くて格好良い!良い役なのに悪役に見えてしまうところはさすがベーコン様である。
お年を召してもいい感じの役者やなぁ。
■テロ実行犯判明まで
ベーコン演じるデローリエが登場すると、「なんだおまえら!」みたいな警察と「いやもう、ちょっと黙って」的に冷静なFBIの対比が少々描かれる。
まさに事件は現場で起きている感覚。いいねーいいよー所轄の苦悩は本部にはわかんないよね!
……という組織あるあるを感じながら、そこはにやにやと見ます。
結局FBIの管轄となり、デローリエは広いところにテロ現場をざっくりと復元させ、トミーを呼びます。
出たー出たよー所轄の意見を聞く本部の人きたよー!
ということで、トミーは様々な質問に的確に想像を働かせ「室井さん!こっちす!」と室井さんを案内します。
このシーンはすごく緊張感があり、そしてヒーローっぽさがあって興奮した。何せテロの犯人特定への大きな糸口だから。青島さすがだ!
このシーンは本当に緊張感と高揚感のある部分だと思うが、真実だったんかなあ。少なくともそういう意見を述べていた地元警察官がいたんだと信じておきたい。
■テロ犯人の二人
isisでもなく、ただの一般のイスラム教のアメリカ人だった二人。
今回の映画では、二人でなんとなくようつべのイスラム動画を見てなんとなく感化されている感じが出ていたが、実際のところはどうだったんだろう。
今回の映画はメインの視点が警察、FBIや町の人といったいわゆる一般的な「善」の視点だったわけで、テロを起こしてしまった二人のバックボーンまで掘り下げる事はできないのは分かる。壮大すぎるしな。
でも、普通の生活を捨ててまでもテロを起こした理由が未だに分からないんだよなぁ。
感化されるにも、そこまでに行き着く理由があるだろ。
一応、逃走中に「おまえは911の真実を知っているか。あれは嘘だ。アメリカの自演だ」「あれを理由にして、イスラムを攻撃しようとしている」的な発言があった。
もっと深く掘り下げていた方が自分は好みだったが、犯人側の境遇や思考を映画かすればへたすりゃ反アメリカ的な意識を育てかねないのは理解できるので仕方ないことだと思う。
■「うん!ヒーローだからね!」を地で行くアメリカ
へこたれるわけにはいかない。負けない。
そんな市民や国を挙げての気合いがヒシヒシと感じられた。
■中国人留学生をデートに誘えた警官ショーン
一番出てきてほしくないシーンで出てきてしまった。泣いた。
■緊張で心臓が止まるかと思った・・・
中国人のダンが新しく買ったベンツを乗っ取り、人質状態で連れ回す犯人。
ダンは「さっき俺は警官を殺ってきた」という犯人の言葉に、何も抵抗できない。
圧倒的な恐怖のなかで、犯人の話を聞き、最終的には犯人の検挙までへのヒントを残すわけだが
もうこのシーンで自分緊張しすぎて、マジで心臓が止まるかと思うほどドックンドックンしとった(笑)。
こんなに自分も緊張して、手に汗を握るのはほぼ初じゃないかなぁ。スマホ取り出して、彼がどうなるのかネットで先に調べたくなったもん。
それを我慢して見た結果のカタルシス。すさまじいものがありました。
■ウォータータウンでの壮絶な銃撃戦
これスゴかったっす。町中で、爆弾を投げたりするような銃撃戦が繰り広げられていたなんて知らなかった!
何がすごいって負傷した警官はいたけども、犯人兄以外誰も死んでいない。
銃を威嚇で構えたことはあれど、使用などしたことのなかった警官たちが勇気を振り絞って犯人に挑むのは、すごいことだと思う。
犯人を追おうとしたトミーの車を間違えて銃撃したのは、実際にあった事なんだろうか・・・。気になる。
■トミーが犯人弟を発見
「おまえが見つけるんかい!どこまでも出しゃばるやっちゃな!」というキモチ。
■トミー「愛が悪に打ち勝つんだ」
たぶん、この決めゼリフがすべてを物語っている。
これを聞いて「うぉおおおおお!」って思うんだと思う。
でもこの言葉、すごく曖昧だと思う。自分は。
「じゃあ愛を持って、銃を捨てたらどうなのか?」とか「その愛はどういう宗教のどういう定義なのか?」とか、いろいろあるわけで。
いわゆるアメリカの「愛」でもって、イスラムの「悪」の思想に打ち勝ったという印象も強い。
難しいよなぁ、これ。
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つーことで★★★★☆ほしよっちゅ!
しんどかったし、辛いのでもう見たくないけど、冒頭のモブ(じゃない)紹介からはじまるところは、一般の人の生活を素直に見られるし
夫婦のやりとりはどれもめっちゃかわいいし、その表現手法を知らなかった自分は感動すら覚えた。
なお、これを見た帰りには「チームアメリカワールドポリス」の主題歌がぐるぐる頭をよぎった。
youtu.be/U1mlCPMYtPk
今年一番泣いた作品
愛国者の日に開催される、
ボストンマラソンテロ事件の話。
映画ファンだけではなく、
老若男女なるべく多くの人に観てもらいたい映画。
爆弾テロ事件という物が本当に許せない気持ちになった。
対岸の火事ではなく、日本でもし起きたらここまで迅速に対処されるのかが不安だ。
軽いユーモアが挟まれる部分があるけれど、初めから終わりまでドキドキしながら観ているから笑えない気分。
多少ストーリーが中だるみするが、
最後はちゃんとまとめてられてて号泣でした。
確保のシーンで背中に「BOSTON POLICE」と書かれているのが印象的
不謹慎かもしれないが…
アクション映画として、刑事ドラマとして面白かった。
実際のテロの映像と見間違える位の、テロシーンの恐ろしさ、100時間余りで犯人を捕まえる為の捜査、出来事、7割位の真実と、フィクション3割のエンターテイメント。
夜間の住宅での銃撃戦や爆発も、知らなかったし、終息まで初めて知った事も多く面白かった。
最後『世界仰天ニュース』的に、ご本人登場、インタビュー、そして現在を見せてくれる。
ちょっと卑怯な感じもあるけど、それを越えて感動した。
ただ、ちょっとマーク ウォールバーグの過去の悪行も知ってるので、警官の熱血漢のセリフに、ちょっとだけ違和感あったのと、大事な場面で居ないのも、ちょっと違和感あった。
自然と涙する良作
バーニング・オーシャンに続く、ピーター・バーグの実話シリーズ。主演はもちろんマーク・ウォールバーグ。はい、安定のバーグコンビでございます。彼らは観客を絶対に裏切りません。今回も素晴らしい作品をありがとうございます!
日本でも大々的に報道され記憶に新しいボストン・マラソンの爆弾テロ事件。TVの映像だけでも恐ろしかったのに、スクリーンで映像化されると本当に悲惨な事件だな…と改めて実感。そして知られざる事件の裏側と逮捕劇を、時に実際のニュース映像を交えながら、あまり誇張しすぎずに、しっかり映画的に描けるのはピーターバーグ監督の力量だと思います。主役級の人達の演技はもちろんだけど、犠牲になった子供の遺体を見張らなければいけない警察官役の人とか、怪我をして離れ離れになった親子役、夫婦役の人達も、表情のひとつひとつが演技とは思えない、本当に素晴らしい表現力でした。泣かされました。
アメリカ人とはまた違うメッセージをこの映画から受け取れたような気がします。良作です。
緊張感&臨場感!
この前公開されたばかりの『バーニング・オーシャン』に続いてのピーター・バーグ監督作品!
『バーニング~』とその前作『ローン・サバイバー』にて史実を極上エンタメ映画へ仕立てることに秀でていること、そしてそれがじぶんと相性バツグンということが判明したので、本作もずーっと待ち望んでいたのですよ
いやー、期待を超える興奮と感動を味わうことができましたよ。
凄惨な爆発現場や迫力ある銃撃戦を描きながらも、人々の心情にフォーカスを当てた描写が涙腺を刺激するいい映画でした
クリント・イーストウッド監督の『ハドソン川の奇跡』は2009年の事故であり、『バーニング~』の原油流出事故は2010年、そして本作のボストンマラソン爆弾テロ事件は2013年に起きています。
ここ数年の出来事が次々に映画化されていますが、やはりアメリカ国民は9.11以降、痛ましい事件や事故に遭遇しながらも、じぶんたちで支え合い立ち上がることの大切さというものを表現し、またそれを求める傾向にあるのではないかぁと思います
エンタメ映画としても、爆発が起こるまでの緊張感や、すぐそこに死の迫る絶望感、そして銃撃戦の臨場感など、数々の見せ場が続き、手に汗握りスクリーンから目が離せませんでした
それでありながらジョークを忘れない警官たち。
不謹慎と思うことなかれ、冷静さを失うどころかパニックに陥ってもおかしくはない状況で、一心不乱に犯人を追い続ける勇敢さに尊敬の念すら抱きました
いちばん印象深い、あの子どもに寄り添っていた警官。彼のこころ誰ぞ知る…しんみり
何も語らない彼の敬礼に自然と涙が出てきました
描写されていることの正確さはわかりませんが、Wikipediaでは表しきれない人々の感情や幸せな生活を描くことで、それらを脅かし、奪ってしまう愚かな行為に怒り心頭しましたし、警官や一般市民にも犠牲の出る危険性が常につきまとっているので、ずーっと心拍数が上がりっぱなしでしたよ
映画の終わりの演出は史実モノとしてありがちでしたが、どんなに傷ついても互いが思い合えば国民は負けないんだというメッセージを感じられる、すばらしい作品でした
白人中流〜富裕層向け映画。マイノリティの日本人が高評価なのが理解できない。
監督が悪いのか。
脚本が悪いのか。
マーク・ウォールバーグが気持ち良くなればそれで良いのか。
※だいぶ前に観ました。
※暴言注意。
『パトリオット・ディ(2016)』
原題 Patriots Day
(あらすじ)
実話ベースです。
2013年4月15日の「パトリオット・デイ(愛国者の日)」ボストンマラソン時に起こった、爆弾テロ事件。 その犯人逮捕までの顛末を、ボストン警察殺人課の刑事であるトミー(マーク・ウォールバーグ)を中心に、FBI捜査官リック(ケビン・ベーコン)、地元警察などの動きから、ヒロイックに描く。
『バーニング・オーシャン(2016)』のコンビ、監督ピーター・バーグ、主演マーク・ウォールバーグ、脚本マシュー・マイケル・カーナハン&マシュー・サンドです。
前作『バーニング・オーシャン』の感想で、わたくし「どこの誰かよくわからないうちに、急にバンバン人が死ぬ。どこの誰か知らない人が急に亡くなっても、人間ってのは、残念ながら悲しくない」と書きました。
あのー、読んだ?
いや、読むわけないんですけど(笑)
今回はそこ、ちゃんとするよ!と言わんばかりに、テロ事件の被害に遭ってない中国系男性の仄かな恋愛エピソード&家族とのエピソード。
大学の警備にあたってる白人男性と、学生のほのかな恋愛エピソード。
が、冒頭から続き……。
この人誰?
どこに絡むの?
この人誰なん?って状態がずっと続いて、あぁこの為に、登場させたのか!っていう場面が、のちのち登場します。
それは、
1)犯人の人質になる。
2)犯人に撃ち殺される。
これ、『バーニング・オーシャン』 でも感じたことですが、この制作陣は、人として大事なものが足りてないと思うんですよ。
なんでかっていうと、
「あ、人質エピソード欲しいよね、盛り上がるよね」
「恋が始まりそうな若い白人男性が死ぬの悲しいよね?」
「片足を亡くした夫婦が、ボストンマラソンに再度挑戦するってよ、良くない?感動的じゃない?」
っていう、"見せ場"先行で脚本を作ってるからですよ。
これがフィクションならいいですけど、実話ベースなのでね。
『バーニング・オーシャン』でも、CGほとんど使ってないっす!って言ってて、そこじゃねえ感ハンパなかったけど。
今回も、全力で「そこじゃねえ」 と言いたい。
捜査の為に、一昼夜道路に寝かされていたお子さんの遺体の為にも私は怒りますよ。
人の死を、事件を、軽視し過ぎじゃないですかね?!
って、思うのも、上記したように、お話の構成がまずいからですよ。
ネット上では、(冒頭の誰なん?状態を)"伏線を回収した"て書いてらっしゃる方もいますが、伏線っていうのはラストのオチの為に先にほのめかせておくことです。
人が大怪我したり、死ぬことが、オチなんですかね。
勿論、前作に比べると、登場人物の心理描写や、緊張感のあるストーリーになっています。
またミランダ・ルールを無視した捜査態勢であったり、結果的に証拠隠滅を図った大学生がマイノリティであるとか、オバマさんのスピーチシーンも登場して(オバマさんになってから、世界でテロ事件が増加してる)微かに問題提起もしています。
しかし実在しないヒーロー(マーク・ウォールバーグ)をわざわざ作って、かっけー&感動をメインに持ってくるのは前作と同じ。白けるんですよ。
※犯人:チェチェン人の奥さんは、裕福なアメリカ人家庭に生まれたが、イスラム教に改宗までしている。彼女のメンタリティに迫り、そこから事件を読み解く方が、より事件を深く描くことができたと思う。残念。
表層的な部分ではアメリカ人の大好きなヒロイックな、一般人が大活躍する話ですが、前政権を結果的に批判しており、それが某辛口有名レビューサイトで81%の高評価なのも興味深いです。
全体的なハリウッド映画の流れには、逆行しているのに。
つまり私が『白人中流〜富裕層』でないから、ピンと来ないという訳です。
アメリカに住んでた、マイノリティの私だからこそ腹が立つんだと思います。
市民に最敬礼。
この監督の作品の中では一番観やすかった気がする内容。まさか
マークが架空の人物をやるとは知らなかったので(予習不足)後半
実物が出てきた時、エ?どの人?なんて思った自分が情けないが、
確かに主人公の活躍場面が今までと違ってほとんどないので納得。
事件が起きてからどうやって解決していったのかが分かりやすく、
市民が一体となり協力した様子もよく分かる。どんなに怖かった
だろうと思うが、自分の記憶では爆破場面のニュース映像と防犯
カメラで白黒帽子兄弟が判明したことや、最後に逮捕される時の
庭のボート?の映像だったろうか、映像で把握しているくらいで
詳しい逮捕までのいきさつを知らなかった。まさかあんな銃撃戦
が住宅街で行われていたなんて!その迫力が凄まじくかなり怖い!
また射殺された兄の未亡人を取り調べる際にふらっと現れる謎の
女取調官がすごく怖い。あの緊迫感は何?というくらい緊張する。
ともあれ次のテロが行われる前に阻止できたことと、瀕死の重傷
を負いながら助かった人々に救われた。ボストンの市民に最敬礼。
テロが奪ったものと奪えなかったもの。凄惨な事件の裏にあった真実。
【賛否両論チェック】
賛:実際に起きた事件の発生から解決までを、淡々とした描写の中で映し出す様子に、人々の意志の強さや団結力が垣間見えるのが印象的。アクションも重厚。
否:手足の切断等、かなりグロいシーンが多いので、苦手な人には向かない。
冒頭は、何気ない日常がまるで群像劇のように描かれ、その人々の日常が非情なテロによって突然破壊されてしまう様子に、思わず言葉を失います。
そしてそんな凶悪な事件を目の当たりにし、解決を胸に誓った主人公達捜査関係者の奮闘や、思いもよらぬ展開を見せる事件の顛末が、緊迫のアクションと共に描かれていくのも、また印象に残ります。個人的には、町を知り尽くすトミーが監視カメラの映像を基に、犯人の足取りを的確に言い当てるシーンが、驚きでした。
結構グロテスクなシーンもあるので、好みは分かれるかも知れませんが、決して忘れてはいけない事件の真実を、是非ご覧下さい。
1ヶ所難あり
全体としては上々とは思いますが、爆発直後の混乱の最中、主人公が人気のない飲食店で何か飲み物のビンを取ってビンから直接口にするシーン。これ必要ですか? しかも、その直後、ガタッと音がして主人公がビクッとするが何もない。全く必要性がない。むしろ、一口とはいえ火事場泥棒的な行為でマイナスイメージ。編集の失敗なのか? このシーンを必要とするならそれはそれでアメリカの感覚に?がつく感じがしました。
異なる監視カメラの映像の中の犯人を次々に追う所がこの映画の見せ場の1つ。本当にあんな見つけ方だったのだろうか。できすぎな感じだが非常におもしろかった。
犯人の妻役の女優がきれいで魅力的だった。調べたらドラマのスーパーガールで主演に抜擢されたメリッサ・ブノワだった。注目株。
ドキュメンタリーを観ているよう
ドキュメンタリーを観ているような映画。ニュースで知ったつもりになっていた事件が、加害者、被害者、捜査する人々、それぞれの視点で丁寧に描かれている。残酷な事実に息が詰まりながらも目をそらせなかった。
犯人は何故テロを起こしたのかという、一番知りたい部分は解決されず、実際、人の胸の内などわからないのだから仕方ないとはいえ、ちょっともやっとした。
2017-47
見よう見ようと思っていたのに、いつも行く映画館でいつの間にか公開終了になってました。
早くないすか🤔
この監督とウォールバーグさんのタッグといえば、記憶に新しい『バーニング・オーシャン』ですが、そちらは世論に反してハマらなかったので、やや不安でした。
ただ、ことしいち映画館で会う俳優になる気がするウォールバーグさん(対抗馬は、ファスベンダーさん)。
さてさて、本題ですが、ずっと食い入るように見てしまいました。
眉間にシワが寄ってる🙄か、ぽかーん😮のどっちかでした。
事件のことは知ってても、恥ずかしながら、『起きた』という事実だけ。
犯人が捕まったのか、自爆してその場で死んでたのかすら知らなかった。
日本に帰国して7年。平和慣れしまってる。平和が一番だけど、残念ながら昨今の情勢を考えれば、そうはいかない。
だってこんな恐ろしい事件を作った爆弾が、手作りなんだもん。
東京だって起こり得る。
唯一の救いは、生存者たちが愛について語ってくれたこと。
それが生の声で、真実だということに、勇気付けられた。
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