「ウソとかホントとかホントとかウソとか」オレの獲物はビンラディン バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
ウソとかホントとかホントとかウソとか
『ボラット』のラリー・チャールズ監督だけに、どこまで攻めた社会派コメディになるのかと思っていたら、社会派の要素は確かにあるのだが、ニコラス・ケイジの役者力がテーマすらも凌駕してしまった感がある。
善良とはいえば善良だけれど、他人にとっては迷惑な変わり者で、自分を狂気の淵に追い込む主人公をここまで愛嬌たっぷりに演じられるのはニコケイを置いて他になし。ビンラディンを捕獲しようとパキスタンに乗り込んだ無名のアメリカ人が日本刀を持った状態で逮捕されたというウソみたいなホントの事件がもとになっているが、もうホントでもウソでも構わないという気になってくる。
その上で受け止めたいのが、この変わり者が確かに世界に一石を投じたこと。世界中が混迷している中で、この男は確かに小さな風穴を開けた。まったく賛成も共感もできないけれど、例えバカげていて愚かであっても、自分を信じて世界に斬り込んだこの主人公はやはりカッコいいのである。
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