「映画が持つ可能性について教えてくれるドキュメンタリー」ぼくと魔法の言葉たち ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
映画が持つ可能性について教えてくれるドキュメンタリー
自閉症を患い言葉を失った少年オーウェンが、大好きなディズニー・アニメやそれを通じて培った経験に助けられながら、人生のステージを一つずつゆっくりと歩んでいくドキュメンタリー。本作を観ながら驚いたことが幾つもある。まずは膨大なディズニー映画のフッテージを盛り込むことに成功している点。少年が成長し、成人を迎え、両親の手を離れて独り立ちしていく過程で、アニメーションがどれほど彼に影響を与えたのか、今彼がどの場面を反芻しているのかが手に取るようにわかったことは非常に貴重な体験だった。そして映画から人生を学んだり、くじけそうになった時に後押ししてもらう意味では、私たちもまさに同じだ。映画の力を借りて心身ともに成長していくオーウェンに大きく共感している自分がいた。ディズニー・アニメを題材にした映画ではあるが、本作は「なぜ我々は映画を見続けるのか」という命題への答えすら内在している気がした。
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