「自国が自ら『独立』を勝ち得た国の作品」草原に黄色い花を見つける 突貫小僧さんの映画レビュー(感想・評価)
自国が自ら『独立』を勝ち得た国の作品
クリックして本文を読む
ベトナムは、第二次世界大戦後のフランス支配のもと、苦難と残酷な歴史を乗り越えて現在に至った。その知識を踏まえて作品を拝見させて頂いた。
この作品は、「草原に・黄色い花を見つける」という題名ではあるが、主役ティアラ少年が草原で黄色い花を見つけた。ことになっているがそうだろうか。作品中で「黄色い花」が出てくるのは、中盤から。黄色い花は、この作品の大きな軸になっている。序盤あたりから「黄色い花」を出すべきではなかったのではないだろうか。「黄色い花」がこの作品の位置づけが曖昧である。「黄色い花」は、何の象徴なのかが不明瞭。(最初の方は、ウトウトしてしまいました。猛省。)
貧しい人たちの生活と美しい自然の雄大さのコントラストは素晴らしかった。色々なエピソードを盛り込みすぎたのではないかという感がある。
少女ムーンと少年が別れる場面で十分であったような気がした。少年の
誤解で弟トゥオンが大変な怪我を負ってしまう。ムーンとの別れにトゥオンが立ち会えなかったのは非常に残念である。ムーンから貰った本をティアラが読み始めるが、監督が「恋わずらい」を描きたかったため、そこまでの過程の描き方が、多少雑になってしまったような気がする。『青いパパイヤ・・』の方が作品が上品な出来であると思う。
演技は、主役ティアラより怪我を負わされたトゥオンの方が上手いかな?
独立を得るため苦難の歴史を歩んだ「ベトナム」。これから映画業界が更なる発展することを願う。
コメントする