海辺のリアのレビュー・感想・評価
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摩訶不思議
別に面白くもない。
だけど、退屈だったわけでもない。
どころか、前半の細かな台詞や情景でさえ細かく思い出せてしまう。
しっかりと自分の中で、作品と過ごした時間が実感としてあるように思える。
なんなんだろうか?
説明台詞も多い。
大ロングでカメラが動かないカットも多い。
役者の表情さえ確認できない程遠い絵。
アップになる。
それでもカメラは動かない。
据え置きでただただ記録してるだけのような感じだった。
ロケ先も変わらない。
屋内の絵がない。
海岸と建物の外…予算が全くない作品のようである。
…他のものを全て削ぎ落としたと言えば聞こえはいいのかもしれない。
そんな中の、名優・仲代達矢。
彼から目が離せない。
いつ現実に戻るのかと思って見ていたけど、彼はずっと夢の中に生きていた。
彼だけに見える世界の中で。
この主人公には俳優という背景があるだけに、彼が生きている世界は、彼が痴呆を発症する前から虚構と現実の境目にあるといえる。その人がその境目が自身でさえ分からなくなった。
現実を生きながら虚構を彷徨う老人。
…実際ボケてるようにしか見えないのだ。
そんな訳はない。
長い台詞を喋り、会話のやり取りを繰り返す。あざとささえ感じない。
楽しそうではなく、楽そうに見える。
「人の最大の武器は忘却」
と、どこかで目にした事があるが、まさにこおいう状態なのかと見てしまう。
板の上で別人格を数限りなく生きてきた名優の足跡が克明に刻まれてた。
だが、良い映画だとは思えない。
ただ、こおいう映画も無いとダメだとは思う。
一俳優の生き様を見てたような気がした。
いったい何を描きたかったのか…
主人公を演じる仲代達也は、半分地を演じているようなもの。J.スチュアートに焦がれて役者になった。そして並ぶ者ない名優として君臨した。
…でも実際は一人娘とかつては自分に憧れた弟子でもあったその夫、その他に若い女優に手をつけて産ませた娘がいる。その彼らを悩ませているのは主人公の患う「認知症」だ。
認知症を病み、既に「あちら」に行ってしまっている主人公は、居住する「老人施設」を出て徘徊する。でも自分が役者であったことは忘れておらず、老いを独りで迎えている自分をリア王になぞらえて一人芝居を打ち続ける。そこにやって来たのが愛人に産ませた娘。かつて子を孕み、それが原因で家族から否定され、今はその子どもも失い、愛する対象を父親の中にしか求められないコーディーリアとして、その娘は父親に寄りそおうとする。
さて、ここまでを見るだけで、この映画の作者が「認知症」という病とそれを介護する家族たちについて、ほぼ全くと言っていいほど知識がないことが露見しまくっている。
主人公は、娘の夫曰く「最高級の老人施設に入れた」ということになっているが、そもそも介護家族は「老人施設」などという言い方はまずしない。おそらくは介護付き特定有料老人ホームを指すのだろうけれど、そういうところに住まったら、まず徘徊などほぼできないようになっている。出入り口は通常ロックされるようになっているし、介護士やコンシェルジェが目を光らせているからだ。
そして映画では施設側が主人公が有名人であることをちらつかせて探すつもりがないということが示されているが、これも現実とは違う。こういうところは信用第一であり、他の入居者の家族の手前、徘徊中に事故など起こってしまっては大変なことになる。入居者は「お客様」なのだ。
映画の中では、車が正面玄関に乗り付けても、中からは誰も出てこない。これも「高級有料老人ホーム」ならあり得ない。
そして、在宅介護がとても無理な状態になって「施設」に入れた家族なら、本人に対して「だからいつも言っているでしょう」などという反応は絶対にしないはず。もう、そんな段階は通り過ぎてしまっているからだ。
そして何より「施設」に入れたことに対して「お父さんを捨てたのね」などという非難は、今どきよほどの田舎でない限りはほんとうにあり得ない。認知症の家族介護がどれほど大変なことか。一人娘は「悪人」ということになってはいるけれど、施設入所は「悪人」じゃなくてもやっている。ある意味では望ましいありようなのに。
つまりこういうふうに、認知症であるという設定を支えることがらが、現実や事実と大きく乖離している場合、いったい何が描きたかったのだろうと思ってしまう。認知症の悲惨さ?介護による家族関係の崩壊?主人公の運命とリア王との類似点?
主題だけがくっきりと鮮やかに描かれてはいるものの、それほどじっくり見つめなくてもその背景がとてつもなく雑で貧相なことが一目でわかってしまうような、そんな絵を連想してしまった。
舞台あまり観ない人には面白く感じなさそう
ネタバレは頑張ってしないようにしましたが
多分無理でした(汗)
1人1人の迫力や感情がコロコロ変わって
それが途轍もなく分かりやすく面白い映画でした
映画なんですけど舞台です
舞台なんだけどそれを映画にした作品ですね
さすが仲代さんです‼︎
観てて可愛らしかったです‼︎w
私はこういう映画をたくさん観たいと
思ってます。
最初の方の伸子さん(黒木華さん)の
今まで見たことないくらいの途轍もない
ツンデレを見れましたwwwww
イライラするけどやっぱり心配ですよね…
行男さん(阿部寛)も行男さんで
最終的には……アハハハハ〜(泣)でしたねwww
兆吉さん、行男さん、伸子さん、
この3人ははとても似てました
生きてるのか死んでいるのか分からない
その舞台が海辺
海辺で生死を彷徨ってるように感じ取りました
けど、みんな生きる道を選んだ
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