「Lara Croft will return?」トゥームレイダー ファースト・ミッション ao-kさんの映画レビュー(感想・評価)
Lara Croft will return?
リブート版となる本作では、動く石像も奇妙なモンスターも登場しない。追い求める卑弥呼神話こそコミック調だけれども、比較的リアリティのある冒険活劇へシフト。アドベンチャー映画は大好きだけど、過度にファンタジー色が強い作品には抵抗がある身としては、よくやった!と褒めたいところ。でも、なぜか作品全体を褒められないモヤモヤが残ってしまう・・・
無い物ねだりだろうか?ファンタジー要素が薄まったのは嬉しいのだけれど、なんだが逆に物足りない。もともとこのシリーズは人気TVゲームの実写化なのだから、ありえない展開や大胆なアクションを売りにして良いはず。なのに、アクションも物語も随分とこじんまりしてしまった印象が拭えない。アンジェリーナ・ジョリー版も良い出来とは言い難いが、少なくとも売りの部分は間違っていなかった。
『トゥームレイダー』には『トゥームレイダー』の良さがある。なのに、弓矢を使いこなすアクションシーンは淡白に描かれているし、マクガフィンとなる卑弥呼の存在はもっと神秘的な魅力があって然るべきだと思えて仕方がない。もっともヒロインが冒険に出かける動機が父親探しにあるため、自発的に謎解きに挑む印象が弱く、結果として観客と一緒に謎を解いていくアドベンチャー映画ならではの快感や一体感が乏しく思えてしまうのだ。
いろいろと苦言を呈したが、本作は『ファースト・ミッション』。トレードマークとも言える二丁拳銃も最後に登場したのだから、次回はこの鬱憤を爽快に、豪快に吹き飛ばしてくれるハズ!あれ、でも原題には“First Mission”って書いていないけど、続編やるんだよね??やってくれるよね??