「通過儀礼をモチーフにした青春ホラー」IT イット “それ”が見えたら、終わり。 ローチさんの映画レビュー(感想・評価)
通過儀礼をモチーフにした青春ホラー
ホラー映画としての恐怖感もさることながら、青春映画としての完成度が高い。原作者スティーブン・キングの恐怖要素とジュブナイル小説の要素がバランスよく合わさった作品で、ホラーが苦手な人でも鑑賞可能なのではないか。
ルーザーズ・クラブ(負け犬クラブ)と銘打った少年たちのグループが街を恐怖に陥れる超常的な怪物、ペニー・ワイズに勇気を持って立ち向かい成長していく姿に恐怖よりも爽やかな感動が勝る。ペニー・ワイズは、どもりやぜん息など様々なコンプレックスを抱えた少年少女たちの、克服しなければならないものの象徴であり、通過儀礼をモチーフにしたホラー作品といえるだろう。
前回映像化されたのは1990年、作品上での設定同様27年後に公開されたというのもニクい演出だ。
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