「瑞々しい恐怖」IT イット “それ”が見えたら、終わり。 Movieアパートさんの映画レビュー(感想・評価)
瑞々しい恐怖
こういう気持ちになったのは本当に久しぶりで、見ててメチャクチャ怖かったし、終盤は完全に昔の自分と彼ら重ね合わせて
お前ら! 頑張ったな!
と昔の自分と一緒に抱きしめてあげたくなるぐらい彼らの輝きが素晴らしかった。
基本この映画は 意表を突いたタイミングで、物凄い気持ち悪いものが、大きい音と一緒に出てくる という身もふたもない、何なら何のひねりもない手法(もちろん、その中に演出面での様々な計算が張り巡らされているのであろうが)でガンガン見る側をビックリさせて行くが、個人的にはそう言った身もふたもない部分も含めて、この映画の 子供たちから見た 恐怖 というものの描き方がとても素晴らしいと思った。
大人になってから思い起こしてみると 何で昔はあんな物が怖かったんだろう というのは誰しもあると思う。
(夜中にトイレ行くのが怖いとか)
そういう恐怖って大人なっていく過程で割と不透明に乗り越えていってしまうので、実は根本にはあの時感じた恐怖って解決されてなかったりするが、この映画はそういう あの時感じた恐怖 を大人になった自分に改めてど直球にぶつけてくるのが何しろ凄い
今考えると大したことない事でも、その時は子供ながらに切実に怖くて、深刻な悩みの一つだったという事を、単なる懐かしがりだけでなく、その時感じだ恐怖込みで見てる間タイムスリップしたような気分だった
しかもこのお話、子供たちが個々に抱える恐怖と戦い、仲間たちと一緒に一緒に勝利する という部分がとにかく感動的 ひねりのない展開と言われればそうなのだけど何しろ感情移入が凄まじいレベルだったこともあり、みんなで力を合わせてペニーワイズを撃退するシーンでは自分も一緒に戦って勝利したかのようなカタルシスがあって、ずっと心の中で続いていた闘いがこの映画を見たことでようやく一区切りついたような気さえしてくる。
ルーザーズクラブはみんな本当に可愛くて、一人一人抱きしめたいんだけど、それと同時に 戦友 のような印象
こんな 瑞々しい恐怖 を感じる映画中々ない
超絶お気に入りの一本となった