劇場公開日 2017年9月1日

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「B級ゾンビ映画の完成体」新感染 ファイナル・エクスプレス ファンタさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0B級ゾンビ映画の完成体

2017年10月5日
iPhoneアプリから投稿

この映画のチケットを買うとき私はカウンターでこう言った「12:45からの新感染(しんかんせん)で」と。そして言葉を発した後に気がついた。

「うわ、新幹線のチケット買ってるみたいになってる…」

ただの暇つぶしにこの映画を見にきていた私は大した期待もせず、スクリーンに向かった。が、映画が始まると次第に世界に引き込まれていった。感染列島の冒頭のような、乾いた日常に潜む不穏。日常と不穏が交互にちょうどいいバランスで来るので見る人に飽きをもたらさない。

そして、パンデミックの始まりに期待を持ちながら見続けると物語の舞台は釜山行きの列車の中へ移り、しばらくしてゾンビパニックが始まる。わかりやすい人間ドラマや列車の仕掛けを生かした演出などのゾンビ映画の基本を全て抑えていて感心していた私はあることに気がついた。

「あれ、、、これ、、、タイトル、、ダジャレじゃね…?」

そう、B級映画にありがちなダジャレタイトルをつけているのだ!そう考えるとB級映画らしいポイントがいくつも出てくる。まず、舞台を新幹線の中だけに限定することでバイ○ハザードのようにバカでかい渋谷のセットを作らなくても済む。この、ミクロな物語を追う手法はB級映画にありがちである。また、火器がほぼでてこない。これも当然そっちの方が安上がりだからだ。このように、この映画はゾンビ映画とB級映画の基本を全て抑えた映画なのだ。
そう、この映画はB級ゾンビ映画の完成体なのである。

ファンタ