「韓国ならではのゾンビホラー」新感染 ファイナル・エクスプレス mastysさんの映画レビュー(感想・評価)
韓国ならではのゾンビホラー
アイアムアヒーロー以降、この手の題材には興味が出て来たので鑑賞。
評価は以下の通り。
脚本 ★★★☆☆
音楽 ★★★☆☆
ストーリー ★★☆☆☆
俳優 ★★★☆☆
グロさ ★★☆☆☆
怖さ ★★☆☆☆
不快度 ★★★★☆
以下ネタバレもあります。
出来るだけ前情報なしでの鑑賞が好きなので、自分で調べることはしないまま見に行きました。
冒頭にはゾンビ化が始まっているということの表現を入れつつ、その後主人公となるサラリーマンの人物を描く。日本のサラリーマンにも重なるような仕事人間というところを、今思えば長めの尺を取って表現。
子供を大事に思うが故、一緒に新幹線(韓国ではKTXというらしい)に乗るが、その道程にも、大惨事の前触れを織り込むあたりは、このジャンルの映画のセオリーをしっかり入れてきてたかなと思う。
まだ序盤のうちからゾンビ化が始まるのにはちょっと驚いた。このままやと2時間保たない、中弛みが来るのでは?と。結果としてはそれは杞憂だった。
感染からの逃走、準主役たちの登場、感染が広がっていることも描写され、退屈することはなかった。
物語としてだけを見ると、よくあるゾンビもので、密室(しかも複数区画が一列に並んだ列車内)という設定で逃げにくいものにしたという点以外は、まぁジャンルものですね、という域を出ないものではあった。
人物の描写は、不要なところまで描いてたり全然足りなかったり…あれだけ強い理由を体格だけで表現しても伝わらないでしょ。おばさん姉妹についても、最期の行動の裏付けとなる設定が表されてないと、ただのパニックか精神錯乱でおしまいになっちゃう。高校生カップルも、描写されてる設定だけからあの結末は少々無理があるのでは?まぁジャンルものなので予想出来る結末ですけど。
こういった点もだが、映画を通して登場人物の行動についての論理性が、私(や多くの日本人)にはストンと落ちてこないところが多かったように思う。その後にもフォローがないので、韓国ではこれが成立するのかと思ったところで、そりゃ分かり合えないはずだなと思ったりした。
個人的には、中盤に餌食になったあの人は後で出て来るようにして欲しかったとか、ゾンビの設定(視力に頼り過ぎ、感染から発症が早いなど)もややご都合主義的に見えたなーとか、悪役が本気で気持ち悪い割に終わり方があっさりで、思ったよりスカッとしなかったとか、思うことはそこそこありますが、まぁ及第点には達してるんじゃないかなぁなんて思ってます。
ラストの感じでは続編が出てくる感じじゃなかったのは、ここ最近では珍しくて好感が持てました(笑)