劇場公開日 2017年9月1日

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「エンディングで場内に拍手が起こるほどに圧倒的な人間ドラマ」新感染 ファイナル・エクスプレス よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0エンディングで場内に拍手が起こるほどに圧倒的な人間ドラマ

2017年1月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ファンドマネージャーのソグは家庭を省みない仕事人間で、1人娘スオンとの関係もギクシャクしている。ソグは離婚した妻を訪ねたいというスオンに渋々同行して釜山行きのKTXに乗り込むが、発車直前に足に傷のある女性が列車に飛び乗ったことから凄惨なパンデミックが始まる。

大切な人が大切な人でなくなる悲哀というゾンビ映画の肝を丁寧に幾重にも描くに留まらず、生存した人間同士の葛藤というテーマも持ち込んで観客の心臓を鷲掴みにする実に見事な感動作。グロテスクな描写の合間に細かいギャグも添えつつ、あくまで人間愛をど真ん中に据えた躍動的なドラマに被さる阿鼻叫喚と嗚咽がシネコンの客席に充満したところに訪れるエンディングで割れんばかりの拍手が起こりました。

立ち上がれないくらいに号泣させられたゾンビ映画は『ショーン・オブ・ザ・デッド』以来。ブラジルでは上映される機会が少ない韓国映画なのに、字幕版と吹替版の併映が決断されたのも納得の傑作でした。

よね