「「私はこれで会社を辞めました。」 ひと昔前にはこんなCMが大流行し...」ウィーナー 懲りない男の選挙ウォーズ 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
「私はこれで会社を辞めました。」 ひと昔前にはこんなCMが大流行し...
「私はこれで会社を辞めました。」
ひと昔前にはこんなCMが大流行した。
さしずめこのドキュメンタリー作品の対象になった男。
本名 アンソニー・ウィーナー
別名 カルロス・デンジャー …は。
「私は“アレ”を出して選挙に負けました。」
スタッフの前等では沈着冷静で有りながら。ひとたびマスコミや有権者等に罵られると、突然に切れ出してしまう。
その部分だけを、又マスコミやネットでは面白おかしく報道する。
これぞまさに【負のスパイラル】状態。
その時は良かれ!と思い、胸の内では「良し!論破!俺カッコイイ!」
と思ってはいても、後日その醜悪な姿がマスコミで晒され。「俺…またやっちまった!」と、自己嫌悪に陥るその姿を見るにつれ。
本当に懲りない男だなあ〜と、思わせる。
そしてこの男には、ヒラリー・クリントンの片腕として働いていた《優秀過ぎる》妻がいた。
夫のスキャンダルに対し、マスコミの前に立つ妻。
見ている限りに於いては、この優秀な妻を利用しているのは明らかに見える。
だが事がスキャンダルの対応となると、この妻を全面に押し出す事によって、逆に本質から逃げている様にさえ見えるしまう。
そこが、この男が政治家としての最大の欠点の様に思えた。
昨年、あの佐村河内氏に密着した『FAKE』が公開され、大変興味深く観た。
あくまでも私個人としての意見ですが。あの作品の中での佐村河内氏には、まだ胸の内の全てをさらけ出した…とは言えないのでは?と、思える部分が多かったと感じた。
でもこのカルロス・デンジャー…!
いや、アンソニー・ウィーナーは、余すところなく全ての姿を見せきった辺り…。
天晴れ!
と言える…のかな?
(2017年3月1日 シアター・イメージフォーラム/シアター2)