怪物はささやくのレビュー・感想・評価
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静かに美しい世界観
余命わずかな母とその息子とそれを取り巻く人たちが困難を乗り越えていくというのが今作のストーリーだ。秘密を抱えながら、孤独に生きている主人公が怪物と出会うことによって成長する姿にはとても感動した。
3つの物語と主人公が語る4つ目の秘密を通して映画は進んでいく。それぞれの物語に違うメッセージが込められている。そして最後に明らかになる主人公の秘密から、人間とはどういうものなのかを改めて実感できる。
全体的にスピリチュアル感が強く、宗教的な考えが映画のベースとなっていた。宗教とはあまり関わりのない自分からすると、スッと自分の中に入ってくるメッセージではなかった。
フェリシティ・ジョーンズの演じた息子を想う母親の、死に際の表情には心を打たれた。
リーアム・ニーソンの声は怪物役にどハマりだった。
大人向けのファンタジー
おじさんになってくると,ひねくれてきて,ちょっとした映画で泣くということはなくなる。
しかし,この映画は泣けた。
冒頭に子どもというには大きすぎ,大人というにはまだ幼いという言葉がある。まさに,その少年が試練を乗り越えるという話。
母の病気は治らないのかもしれないが,母と子は治るものとして日々を送っている。そうしなければ生きていけない。でも,そうやって現実から目を背けていては試練は乗り越えられないし,大事な人に大事なことを伝えることもできない。そういう矛盾がどうやって着地するかが問題なのだが,うまい映画作りをして結末につなげている。
映像もすばらしいし,演技もみなすばらしい。とくに主役の子の地肩の強さはハンパない。
万人におすすめできる。子どもよりもむしろ大人向け。
ところどころ睡魔が…
ママを慕う子供の気持ちがひしひしと切なく伝わってきます。
だだ…自分的にはグルートとダブっちゃったり子供のワガママな妄想じゃん、とイマイチ冷めためで見えてしまって…。
ファンタジーゆえのポワーっとした展開にやや睡魔が…。
コナーが見ていて辛すぎました
安易に希望を持たせるようなことはせずに、主人公の直面している行き場の無い、不安で孤独な状況を描いた点は評価できます。
しかし、殆ど治る見込みの無い母親の病気、学校でのいじめ、新しい家族との生活を犠牲にする気の無い父親の態度、高圧的な祖母・・・たまりかねてのコナーの感情爆発、それによる事態の更なる悪化などなど、たたみかけられるうちに見ているのが苦痛で仕方なくなりました。
せめて好きな絵を描きながら想像の世界に逃げようとしても、そこでも容赦なく現実が突きつけられるし。
「怪物」はコナーが生み出したものだと最初から分かってしまったので、余計に見ていられなかったのかもしれません。
もっと謎めいた仕掛けだったら良かったのに・・・
コナーが最後に「怖い」「(ママ)逝かないで」と言えたことで、ついに現実へ向き合うことができた、ともかく一歩は前に踏み出せたという感動があるのでしょうが、逆にここまで追い詰められた12歳の少年の境遇に、周囲の大人への失望が消し去れません。
もう少し何かできなかったの?と。
これから精神的支えになってくれる人がいるようには思えず(そこは皮肉にも上手い)、今後も彼は怒りや諦めを一つまた一つと抱えて生きていくのでしょう。
それが大人になることなのかもしれませんが、本当に人生って酷。
実はこういう子供って気づかないだけで身近に沢山いるんでしょうね。
胸が痛くてつぶれそうな話でした。
切なく悲しい教訓物語
『パンズ・ラビリンス』のスタッフが製作…という売りだが、どちらかというとティム・バートンのダークファンタジーに近いかも。
主人公のコナー少年が友達がいなくて絵ばかり描いているというあたりもバートンっぽいし。
コナーが次々と困難に見舞われる様が観てて辛くなるが、人間誰しも避けられないことを学んでいく教訓物語として文科省推薦にしても良かったのでは。
正直コナーが語る「4つ目の物語」が何かが途中で読めてしまったのが残念だけど、リーアム親父の文字通りの”怪演“はもちろん、シガーニー・ウィーバーがしっかりイギリス英語を喋っていたのがさすがの一言。
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