劇場公開日 2017年5月20日

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「美しい死体には秘密がいっぱい」ジェーン・ドウの解剖 バスト・ラーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0美しい死体には秘密がいっぱい

2020年3月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

検死のシーンがメインのホラー映画という前情報だけで観賞、ホラー要素は少なめかなぁと予想していたが結末も含め正統派なホラーだった
ホラージャンルは苦手だがかなり楽しめた、序盤は外傷は全くない(それどころか青白い裸体には染み一つない)死因の解らない美しい死体を淡々と解剖していく
身体を調べるほど奇妙なことがわかっていくがまだミステリーのような展開で恐ろしさはまだない(ここまでで自分の概ね予想していた空気感だったのでミステリー強めのちょいホラーでいくのかと思っていた)
ところが解剖を進めるにつれ、死体安置所全体に不可思議なことが起こり始め…気づけば王道ホラーの迷宮に迷い混んで後戻りは不可能という状況
このジャンルの移行が良くできている、というか個人的な好み、ミステリがホラーに浸食されるじわじわ感が程好い
クトゥルフ神話でお馴染みのラブクラフトの短編で一番お気に入りなのが「宇宙からの色」この映画と通じるものがある
なんとなく不穏で、奇妙なことが起こっているのにどうしようもなく、訳の判らないまま気づいたら絶望的な状況になっている、という点が似ていてじわじわ怖くなりたい人にはオススメです

バスト・ラー