「もう一度見たい!が無い。」メアリと魔女の花 のんたさんの映画レビュー(感想・評価)
もう一度見たい!が無い。
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米林監督の「思い出のマーニー」はとても心に響く良作だったので次作を期待していたのに本作ではメインテーマが不明確で結局何が本筋だったのかよく分からないままに終わってしまい、後味が悪かった。
何をしてもうまくいかないメアリが大変身して成長するにしても基本的には魔法の力を借りているだけで、ハリーポッターやキキの様に自分の努力で成し得たものではないので空を飛ぼうが魔法を使おうがその凄さに感動がない。のび太がドラえもんの力を頼って一時的に強くなっても見ている側が爽快でもなんでもないのと同じ感覚だが、映画版ののび太は観客を納得させる努力を最後にしっかりこなす事で感動を生むのが本作との大きな違い。メアリは結局自分では何も成し遂げてないに等しく、だから何なの?で終わってしまった。
あちこちにジブリを彷彿とさせるキャラを登場させて親近感はわくが残念なことに斬新さが無い。二番煎じ感が拭えないのも魅力的な真新しいキャラクターが一人も出てこないからだろう。
ダメダメな子が最後は友達のためにこんな勇気を持った、としたいのならもっと二人の友情を彫り込まなければ観客は置いてけぼりになって然り。
どうしてもジブリと比較されてしまうが、ジブリはどの作品もまた見たい!と思わせてくれるのに対し本作はもういい、時間の無駄と思わざるを得ない残念な仕上がりだった。
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