「ポニョを観たときと同じ気持ち」メアリと魔女の花 てんりゅうさんの映画レビュー(感想・評価)
ポニョを観たときと同じ気持ち
ジブリっぽい絵がかわいいし、話がどんどん進んでいくので子どもは楽しめそう。他の人も言っているとおり、ハリーポッターやジブリのいろんな作品を混ぜたような映画。
ただ、そのためにどの物語にもなりきれていない。中途半端で中身が薄く、何を伝えたいのかよくわからなかった。
●ハリーポッター?
メアリはなにをやっても失敗ばかりの子だったが、魔法大学では天才だといわれ周囲から高く評価された。魔女の血をひいているからかと思ったが、その力は花の力を使った一時的なもの。魔法使いの世界に行けたのも、黒猫が捕らわれた恋人を助けたかったから。
ハリーポッターのように、周りに疎まれ誰にも必要とされていないと思っていた主人公が、違う世界で今まで知らなかった自分の力を知り、自分が何者かを知り、居場所を見つける話ではない。
●千と千尋?となりのトトロ?
千と千尋のように、一人では何もできなかった女の子が、自分で決断し行動する力を身につけて、成長していくような話ではない。おっちょこちょいなメアリが偶然不思議な体験をし、周りを巻き込みながら自分の力でピンチを乗り越えていくストーリー。
最後の方で、メアリのおばさんもメアリの身に起こっていることに気づく。千と千尋やトトロのように、主人公の子どもたちだけが体験する秘密の冒険の話ではない。魔法の力が消えたら記憶がなくなる、とかでもない。
ほかにも、その世界で魔女や魔法がどんな位置付けなのか、猫たちはなぜメアリを花のあるところに連れて行ったのか、そもそもなぜ大きな力を得られる花が生まれたのか説明がなく、メアリの体験の特別感があまりない。
ちょうど崖の上のポニョを観たときと同じ。
メッセージ性がないので物足りなかった。
そういえば、あの魔法大学の世界観、映画アンパンマンの「リリカルマジカルまほうの学校」にそっくり。