「製作者の魔法への思い入れが足らない」メアリと魔女の花 トウセンさんの映画レビュー(感想・評価)
製作者の魔法への思い入れが足らない
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ドジでおっちょこちょいなメアリが魔法と周りの人に触れて成長するというのが大まかなストーリーなのですが映画の地盤である魔法がただ否定されるだけの存在であったのが残念でした
ラストでメアリは魔法はいらないと言い魔法を捨てて日常に戻り映画は終わります
しかし劇中でメアリは魔法に愛着を持つことはありませんでした
見た目と花から得た力を誉められて調子を良くする程度で魔法と魔法の住人は自分の世界から外れた変な人達の程度の認識しかありません
そもそもこの映画の魔法は原発批判になぞらえた行き過ぎた科学というポジションで、劇中で出てくる魔法のほとんどは危険で害をなすものです(純粋な魔法を愛しているのはホウキ番くらい)
魔法の良い部分の描写が疎かでただ危険な物としてしか描かれていないのでメアリは魔法に魅了されることもなく終始振り回されるだけでした
行き過ぎた魔法(科学)批判をするならば魔法(科学)の必要性と素晴らしさも同時に説明するべきです
しかしメアリにとっての魔法は一日限りの力で現実世界の住人(ピーターや動物達)を危険にさらすだけの存在なので簡単に魔法を否定できてしまいます
ラストの「魔法なんていらない」が「魔法なんてもううんざり」という意味にしかなっていないのが残念です
魔女だったおばさまが主人公だったらスッキリしたかもしれません
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