「矢継ぎ早の展開」メアリと魔女の花 サブレさんの映画レビュー(感想・評価)
矢継ぎ早の展開
マーニーやアリエッティの米林監督最新作。念のために言っておくと、これはジブリ作品でも宮崎駿監督作品でもない。米林監督は宮崎監督とはまったく作品の作り方が違う。宮崎作品の音楽や大胆な動きを使った大盛り上がりが好きな人は観ない方がいい。ゲド戦記の方がまだ盛り上がりが多い。
全体的に淡々としてるんだよね。「見どころがない」「記憶に残らない」という感想も多いけれど、それは雰囲気が映像作品というよりも詩や小説に近いからだと思う。すごく人を選ぶ感じ。マーニー、アリエッティのファンタジーの割合はほんのちょっとだったからうまく合っていたけど、ファンタジー多めのメアリには合わなかった。
盛り上がりはないし淡々としているが、テンポはいい。話がどんどん進むし、くすりとくる小ネタも多い。観ている最中に「次にどうする?」と考えたらすぐにその「次」の展開がくるのだ。細いが伏線もいくつかある。そういった点や雰囲気が俺の好みにあっていたから楽しめた。
ただ、映画館で観るにはちょっと物足りないのかもしれない。テンポがいいのもタメがないということの裏返しだし。でも楽しめたので高評価。次の米林監督の作品も見よう。
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