「原発の話だったわ。でも、絵が綺麗」メアリと魔女の花 Ayalyさんの映画レビュー(感想・評価)
原発の話だったわ。でも、絵が綺麗
自分たちでコントロールできない程の大きな力を御して大きな利益を得ようとした結果、強大なエネルギーが暴発。
そして、まさかのメルトダウン!
犠牲になるのは子どもたち。
メアリは校長(首相)すらメルトダウンを前に役に立たない惨状の中、ノー魔法状態の丸腰で立ち向かう!
最後にメアリの極め付けの一言「魔法なんて、いらない!」最後の一輪の夜間飛行をポイ捨て。
原発なんていらないって言ってるような気がしました。
そう考えると、校長の「電気も、魔法の力の一つなんですよ」というセリフも印象的。
ただ、意思を投げかけ訴えることは素晴らしいと思うけど、そこに注力するあまり物語自体が薄ーーーくなってしまった印象。
シャーロットはメアリの何なのさ?祖母の妹?何で引っ越すことになったの?庭師のおじさん結構出てくるけどそこも中途半端、ピーターがイケメンでいいやつなのはわかるけど、出会って1日か2日で命かけます?!千と千尋みたいに魔法学校の生徒との関係性からメアリが成長するのかと思ったら全然生徒出てこないし。
猫との絆もキキとジジの方が深く描かれてて面白い。
魔法大学内を結構な時間案内されてるけど、何を描きたいのか全然わからず。
メアリと猫ともピーターとも、家族ともイマイチ絆が見えない。別に千と千尋みたいにメアリの成長物語を作りたい訳ではないと言ってしまえばそれまでだけど、せっかく魅力的なキャラが出てくるのにもったいないなーと思ってしまった。
良かったところは、
絵がとても綺麗。特にシャーロットおばさんが魔女だった頃に住んでいた部屋は実際にあったらどんなに素敵か、夢みるくらいに素敵。
夜間飛行の花も美しい。
魔法学校が遊園地みたい。飛んでる時の浮遊感と疾走感、魔法が発動する時のワクワク感。
キャラクターの魅力。メアリはどんどん魅力的に見えてくる。何気にめちゃ怖い校長も。
唯一メアリとシャーロット二つの視点で語られるので、実は一番深く描かれてるのは校長では、、と思う。箒番の猫も好き。シャーロットが逃げる手伝いしてるとことか少しでも入ってたらなーなんて。
最後にいろんなジブリ作品のオマージュを見つけるのも楽しい。エンドロールのスペシャルサンクスに宮崎監督、高畑監督、スズキ監督の名前があったので、そこらへんの深いつながりを、感じました。