おとなの恋の測り方のレビュー・感想・評価
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ありのままを受け入れるって、実は難しい
ひとりの人間の存在の大きさ
人間は社会的な生き物だ。他者の存在に常に影響されながら生きている。同じ星や花を眺めて美しいという思いを共有すれば、共生感を感じ、時には互いに愛情さえ抱くこともある。感動や価値観が一致することは、自分の存在が肯定されることでもある。人間は基本的に自分を肯定してくれる人が好きなのだ。
しかし厄介なことに、人間は憎しみや偏見も共有する。人の悪口を一度も聞いたことがない人はいないだろう。人の悪口を言ったことがない人も滅多にいないのではないか。価値観や感動を共有するのは深いコミュニケーションが必要だが、憎しみや偏見を共有するのは簡単だ。相手を理解する必要がないからである。社会は憎しみと偏見に溢れている。
その憎しみと偏見を国家の大義名分で正当化させた思想をナショナリズムと呼ぶ。極東の島国の暗愚の宰相が全身を毒されていることでおなじみの思想だ。悪口の延長だから、コミュニケーション能力に欠ける人が陥りやすい。
他者の存在を認め、その個性を容認するのは、他者を否定して悪口で貶めることよりもずっと難しい。ましてその他者というのが世間的に認められがたい個性の持ち主であれば、なおさらだ。人は社会的な生き物であるがゆえに、共同体の思想、世間一般の感性に抗って生きるのは大変な困難をもたらすことになる。
本作はハンディキャップに悩みながらも挫けずに明るく生きてきた中年男とバツイチ女のラブコメディではあるが、男のハンディキャップに対する世間の感性と自分自身の感じ方と考え方の、それぞれのギャップに悩むヒロインの姿を描くことで、人間の存在とは何なのかという、フランス映画らしいテーマが底流に流れる奥深い作品になっている。
それにしても、主人公は身長が低くてもその存在感は並外れている。抜きんでたコミュニケーション能力、行動力に由来するのだろうが、憎しみと偏見の世の中をハンディキャップを抱えて生きていくためにはどうしても身につけなければならない能力であったことが伺える。
ある人から言われたことがずっと心に引っかかっていることがある。あるときのある人の表情がいつまでも目に焼きついていることがある。ひとりの人間は、小さな存在ではあるが、与える影響は小さくないのだ。だから世間が憎しみと偏見に満ちていても、悲観することはない。
差別という概念
奥深いラブコメディ
幸せな気分
結構きびしい〜
予告編で流れる初めての出会いの後、
結構強引にとんでもない場所に連れていかれてしまう。
まあそれがもうありえない〜。
でも、そこはコメディーとしてなんとか無理に飲み込んで
頭を切り替えたのに、
最終的には厳しい話なので笑っていいんだかどうなんだか〜
見た目で人を判断してはいけないけど
人柄云々の前に、ここまで見た目に差があると
付き合うには流石にかなりの勇気が必要な話ですわ。
単に身長が低いと言うのでは無く、
脳の障害で小さいとはっきり言ってる。
心の小さい私としては、気にする自分が更に相手を傷付けるかも?
と言うヒロインの気持ちがよく解って結構厳しいなあ〜。
そんな作品を重くしていないのは
さすがに主演のジャン・デュジャルダン!!
実際は182センチもある俳優さんなのに
高い椅子にぴょこんと飛び乗って見せる。
「長年この身長で生きてきた人」感がちゃんと演じられていたし
人柄的にもとてもチャーミング。
相手がこの人だから、
付き合うかどうかを迷う気持ちが生まれるってもんです。
に、してもいろいろ強引なこの映画。
CGもちょっと強引で、
たまに縮尺がちょっと変わってね?
そこまで小さくなかったよ!!
みたいなシーンも多いです(笑)
ストーリー的に気になったのは
アレキサンドルの家政婦さんへの態度。
優しいのか?投げやりなのか?
私ならもうちょっと毅然と言うべきこと言うけどな〜〜
ディアーヌの気持ちをなんどもなんども確かめるシーンも
そこは彼の弱気の表れなのかもしれないけど
障害のある方だけがそんなに気を使うのは
なんだかちょっと申し訳ないと感じてしまった。
恋愛における世間体
面白くてあっという間。
世間体
軽いテンポであまり深く考えることもなく、気楽に観れました。
生きていればいつしか気にする世間体。
周囲の目を気にしていないつもりでいても気にしてしまうもの。
それが無理しているように見えてしまう。しかも続かないしそのうち疲れてしまう。
世間の目を気にし過ぎる彼女の行動が、自分の体裁のためなのか彼のためなのか。もちろん彼を思いやっての行動なのに周囲のデリカシーの無さにうんざりして疲れて果ててしまうところが現実的。
彼は最初からお見通しだったのでしょう。彼も彼女に何度もこのまま続けるのか意志確認する。
こんなことで疲れてちゃこの先続かないのは過去の女性から嫌という程見てきている。
一緒になりたいのなら強い意思表示をしてくれないと彼もまた傷つく。
それに気づいた彼女はちっぽけな価値観を捨てて本当の自分の気持ちを彼に伝えたのですが…
最後伝えられた彼も「こいつ信用できるかなぁ…」みたいな疑心暗鬼な表情がとてもリアルでした。
コメディ色強め、だけど
十人十色
観るべき
ラブコメ
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