「アクション<大文明論~完全に人間<猿!繰り返されるサーガ~」猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー) PAPASさんの映画レビュー(感想・評価)
アクション<大文明論~完全に人間<猿!繰り返されるサーガ~
by PAPAS
「猿の惑星:聖戦記」83点。
まず、画面が観にくいです。
太陽は一度も顔を出さない厳寒化した地球を舞台に、天候も雪のシーンが多いので画面がずっと暗いです。猿が籠る場所も灯りのない洞窟です。
さらに、よく似た(当たり前か)猿の大群・群像を描くので見分けがつきにくいです。「エッ今の猿は?」と。
ストーリーに明るい部分がないので「しゃあない」ですが。
作品全体のイメージになってしまって評価を下げるとしたら残念です。
キーパーソンの少女もセリフがないので、存在意義が薄くなりがちです。
完全に人間よりも猿の方に味方して描かれています。
「リーダー・指導者」としても猿のリーダーが圧倒的に勝ります。
人間への「大警告」としたかったのでしょうか。
人間への不治の病は「天罰」でしょうか。
ラスト近くの「自然の脅威」も。
今話題の「核兵器」をも不治の病の象徴としているのでしょうか。さらに人間の「権力欲・独占欲」も救いようがありません。
「ヒトラー」や「カーツ大佐(「地獄の黙示録」)」の出現も必然と想起させます。
「知性・リーダーとしての使命感>欲・自分ファースト」も2人のリーダーを通して対照的に描かれます。
人間はいつから「(部下・他人・人を)思いやるこころ」を喪失してしまったのでしょうか。
完全に人間の「自滅」でしょうか。これも「進化」でしょうか。
ならば今・現代の人間界がこのようになるのも必然で、この作品のようになるのもそう遠くはない話でしょう。
人間の「原点」を、「進化」的には一歩手前の猿(驚異の知性を持った猿)が維持していても納得でしょう。
あまりに壮大な規模の時間と空間を描いた、人間の存在を問う深遠なテーマのために、
「深く考えると」、もはや1アクション映画ではなくなり「大文明論」「サーガ(大河・伝説的ストーリ)」です。
そのために作品の良し悪しがわかれそうです。単なる「アクションシリーズ」と捉えると。
付け足して、製作者・監督が意図していなかったところまで考えると。この後はどうなるのかを「邪推」すると。
進化した猿たちの中から「突然発生・変異」的に人間が生まれる。そしてまた人間社会が原始の時代から始まり文明を発生させ…。そして猿に支配され…。
「なんだ歴史・時間は繰り返されるんだ!」。
「手塚治」の世界であり、「仏教」の世界です!
面白い。深い。いや考えすぎですか🍀