「演技も演出も素晴らしいのだけれど、やっぱり無理」エル ELLE Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
演技も演出も素晴らしいのだけれど、やっぱり無理
なんか久々に名前を聞いた、ポール・バーホーベン(Paul Verhoeven)監督、79歳!世界中で大絶賛された「エル ELLE」の日本公開である。
バーホーベンといえば、「ロボコップ」(1988)、「トータル・リコール」(1990)、「スターシップ・トゥルーパーズ」(1998)などのSF大作が懐かしい。一方で、「氷の微笑」(1992)、「ショーガール」(1995)などのエロ路線もあるが、これはその名の通り、"エル"ならぬ"エロ"である。
今年のゴールデングローブ賞では、"最優秀外国語映画賞"を受賞。また主演を務めた、フランスの大女優イザベル・ユペールに"最優秀主演女優賞"をもたらした。イザベル・ユペールはさらにアカデミー賞でも主演女優賞にノミネートされた。
フィリップ・ディジャンの小説「oh...」を原作としたエロティック・サスペンスということで、レイプ&アダルトラブ映画である。おそらく小説はアラサーないしはアラフォー(30~40代)設定だと思われる。それを64歳のイザベル・ユペールがやってしまう。その演出や演技力に、"よくぞ成立させた"、"ありえない"と、妙に感心してしまう出来ではある。
もちろん一般人より若く見える女優イザベルには一目置くし、全体のバランスから高評価は分からなくもないが、やっぱり20歳若い女優で見たかった。このイヤ~な感じは、「北のカナリアたち」(2012)の吉永小百合(当時67歳)を見ているようでイタイ。
79歳のバーホーベン監督から見れば、15歳も年下か!・・・残念ながら生理的にムリ。見たくないものを見ているようで、ごめんなさい。
(2017/8/27 /TOHOシネマズシャンテ/シネスコ/字幕:丸山垂穂)