「おばあちゃんと家、庭がそのまま絵本の世界」ターシャ・テューダー 静かな水の物語 AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)
おばあちゃんと家、庭がそのまま絵本の世界
不勉強ゆえターシャ・テューダーのことは映画を観るまで知らなかったが、序盤で彼女の絵本が紹介され、そのあとで色鮮やかな庭の花々に囲まれた姿を見ると、思わず「絵本みたい!」。でもよく考えると、同じに見えるのは当然。ターシャは動物と植物に囲まれた古き良き農家の暮らしに憧れ、その世界を絵本に描いた。成功して稼いだお金でバーモントの山奥に土地を買い、息子に小屋を建ててもらい、理想とする昔ながらの庭と暮らしを再現した。だから、ターシャの絵本と、彼女を取り巻く世界は、どちらも手本が同じなのだ。
最近のドキュメンタリーでは、「人生フルーツ」と共通する要素が多い。あちらもテレビ局制作の映像の劇場映画化で、比較的地味なテーマを長年にわたり追いかけるのは商業ベースの映画作りでは難しいため、こうした貴重なコンテンツを映画化する取り組みはありがたい。スローライフからほど遠い生活をしている人も、気分転換に、ぜひ。
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