「素材はいいのに調理が残念」打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? りりまるさんの映画レビュー(感想・評価)
素材はいいのに調理が残念
まず、最初になずなを性的に表現しているのに嫌悪感がありました。
男子がプール掃除で側にいるのに、水着で寝転がってるなんてあり得ない。精神年齢が大人なのね、なんてとても感じませんでした。
女子が男子に水泳で勝つのにもリアリティを感じませんでした。女子トップでもどんくさい男子に負けてしまうくらい体格差が付いてる時期なのに…。
なずなは男子の理想の虚像なのだなと思いましたが、それにしてもぶっ飛んでるなと思いました。
親友の祐介のあまのじゃくな態度を見て「そういえば、こういう男子もいたな」と思い出し嫌悪感。中学生の時の体験を思い出してドキドキなんて、とてもなりませんでした。
典道が単になずなの外見に惹かれてるだけに感じて陳腐に思えましたし、なずなも自分に好意を寄せてる男子を利用してるだけのように見えて、少しも好感が持てませんでした。
見なければよかったとまでは思いませんが、君の名はや聲の形などレベルの高いアニメ映画の数々を見て来たので驚きました。
広瀬すずの声はよかったですが、菅田将暉が中学生らしくなく違和感を感じました。
もっとなずなが家出をする理由が大人から見たら「それくらいで?」と思えるものでも、もう少し明確に分かればよかったなと思います。
友達が少なくても今の学校が好き、再婚相手の男が嫌いとか…。
また、とくに関係性もなかったなずなと典道のふたりがタイムリープ出来るのに違和感を感じるのだと思います。ふたりが強く思いあっていたりすると評価も変わって来てると思いました。
あとは、時代設定が非常に分かりにくい。制服がアニメの中にしか出てこないような非現実な制服なのに20年以上も前の設定で驚きました。
それにもっと人物を掘り下げれていたら、いい映画になっていたと思います。
世の中にはたくさんの「もし」で溢れているというのはおもしろいなと思いました。体験してみたいな〜と思いました。