「レビューが低すぎる」打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? ぺさんの映画レビュー(感想・評価)
レビューが低すぎる
巷では必要以上に酷評されているけれど、いい映画だったと思います。
花火などの映像は美しく、特にラストのもしもの世界が崩れていく場面は非常に良かったです。歪んだ花火など、アニメならではの演出で印象に残りました。
広瀬すずと菅田将暉も自然に聞ける位には声の演技はできています。
そしてこの映画のミソとなるのは、「やるせなさ」だと思います。
中学生という、子供とは言い切りたくないが確実に大人ではない年齢の二人。再婚相手が気に入らなくても、転校したくなくても、なずなはそれを受け入れることしかできないし、典道もそれを見ていることしかできません。
また、何度繰り返しても二人には必ず終わりがやってきます。典道の強い「もしも」の願いによって時間を戻せても、結局捕まってしまう上に不自然な世界へと辿り着いてしまいます。打ち上げ花火をどこから見ても形が同じように、なずなとの別れは必然なのです。
そして、最後には二人は「もしも」の世界ではなく、現実に戻っていきます。あたりには沢山の「もしも」が浮かんでいました。それらは全てあったかもしれない世界で、でも自分たちが選ぶことはなかった世界です。既に選んでしまったものは変えようがない。でも、それを知ることができればこれからは後悔しないように選択肢を選んでいけるようになる。ラストの典道がいない教室は、そういったことを表しているのではないでしょうか。彼がなずなを追いかけたのか、サボっているだけなのかはわかりませんが。
拙い文になってしまいましたが、この映画のレビューとしてはこのような感じです。
最後になりましたが、主題歌の打上花火はとても素晴らしいです。ぜひ映画を見たあとに、良い環境で聴いてみてください。
・・・ひとつだけ言うとすれば、途中の瑠璃色の地球は間違いなくいらないシーンでした…