「音楽がとても良い映画でした」打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? あすかさんの映画レビュー(感想・評価)
音楽がとても良い映画でした
観る前からレビューの低さは知っていたので、ある意味覚悟を持って観に行きました。でもシャフトの作品は好きなので期待もありつつ。
まず前置きとして、私は「君の名は」は観ていません。なので、同様の期待感を持ったり比較したりということはありませんでした。
原作ドラマも見ていないので、完全新作アニメを観に行ったような感覚です。
また、普段からアニメをたくさん観ているので、シャフト独特のキャラ表現にも特に抵抗はありませんでした。
で、本題ですが。
まずヒロインのなずなちゃんが、物語シリーズの戦場ヶ原さんにしか見えなかったです。。。ここだけは、もう少しキャラデザなんとかならなかったのかな…と思ってしまいましたごめんなさい。
「もしも」という希望を叶えるために1日を何度も繰り返すストーリーは、とても良かったです。
先のことなんかどうでもよくて、今、好きな人と一緒にいるためにもがき、滅茶苦茶に走り続ける。大人になるにつれて諦め方や折り合いのつけ方を覚えてしまった私にとって、そんな真っ直ぐな気持ちは痛いほど眩しかったです。
男子中学生のわちゃわちゃした日常シーンも、ちょっと下ネタ過剰でしたが、そこがまたリアルでクスッと笑えました。
ただ、途中でなずなちゃんが歌い出すシーン…あれは必要だったんでしょうか?松田聖子世代ではなく、実写も観ていない者(20代後半です)からすると、単純に予備知識が足りないせいか、尺つなぎのために入れ込まれたシーンのようにしか見えませんでした。
タイムリープを繰り返すところからは、物語は盛り上がってるはずなのに主役2人にいまいち感情移入できないままエンディングを迎えてしまい、残念でした。
エンディングのあとに〆の映像が流れるかな〜と思ってましたが、それもなく。
ハッキリしたエンディングを見せないのはシャフトらしくていいのですが、若干の置いてけぼり感を感じてしまったのは、やはり私の予備知識が足りないせいなのかもしれません。
原作を知っていて、作品の世界観をわかったうえで観たらまた違う感想だったんでしょうか。
最後に声優さんについて。
菅田くん、広瀬さんともに、本業ではない方に主役を任せたのはいかがなものかと思いました。
お二人とも俳優さんとしては好きだし、本業じゃないのにここまでできたらすごいと思ったので、キャストを否定する気はありません。でも、やっぱり本業ではない方の声なので、演技力や滑舌が気になってしまいました。今回は特に、主役以外の脇役を、プロの中でも大御所の宮野さん、梶さん、豊永さんなどが固めていたのもモヤモヤの原因かもしれません。
声だけでキャラクターの感情を表現する技術は、プロの方が卓越しています。主役2人よりも脇役キャラの方が記憶に残っているくらいです。
(宮野さん演じる祐介の「まじウゼェお前…」というセリフが、個人的にこの映画の中で1番良かったです。たった一言に祐介の色んな思いが詰まってるのを感じて、プロすごい!!って単純に感動しました。)
アニメーションにとって「声」って、ものすごく重要だと思うんです。
どんなに絵が綺麗でも、ストーリーがよくても、「声」という魂がキャラクターに入っていないと、全てが台無しになってしまうこともあると思うんです。なんのためにプロがいるのか?今回の件に限らず、制作側はもう少しその辺考えてくれたらいいのになと思わずにいられません。
感想を聞いてきた友達には、地上波の放送を待って観ればいいよ、とオススメしています。